17歳のカルテのレビュー・感想・評価
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Girl, Interrupted
主人公のスザンナは初め、どこにでもいるような普通の女の子に映った。
私自身にもこんなことがあるような。
ストーリーの途中まで、スザンナやリサを隔離している大人たち、世間が彼女たちを普通じゃないと決めつけているんじゃないの?と思えてくる。
じつは彼女たちは普通の考え方、感覚、精神を持っているのに、精神的にその他大勢のみんなと違うからと世間から隔離されてしまった彼女たちのストーリーなのではないかとさえ感じた。
しかし、ストーリー中盤からはスザンナが前向きに自分と向き合う姿が描かれていて、病院を退院していく。
観ている私からも、彼女の“境界性人格障害”という診断が正か否かはわからない。
ながらもスザンナが退院する際、一緒に施設にいた友人たちが"普通ではない"ように見えるよう描かれていたのがすごいと思った。
瞳に輝きがあった頃のリサ、まるで別人のように暗い瞳に映るリサ。
アンジーの演技もまた見応えが有り!
スザンナの視点からく描かれているように感じた。
この映画の内容とは関係ないが、この映画の舞台の年代、アメリカの徴兵制は志願の他に、抽選(誕生日)であったことを劇中で学んだ。
静かにことことと描かれていながらも、エキセントリック。
良かった!
突然のどんでん返し
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 65
音楽: 65
映画は中盤過ぎまでは殆どを病院の中だけでたいして特筆する出来事もなく平凡に描かれていて、正直それほど面白くもなくちょっと退屈気味といってもいいほどであった。ウィノナ・ライダー演じるスザンナはたまたま親との関係からくるストレスなどでアスピリンを一気飲みしてしまって精神病院入りしたが、それほど精神を病んでいるとも思えず普通に生活をしている。周囲にはスザンナよりもっと精神を病んでいる人がいるが、スザンナ程度の人ならば社会にいくらでもいるだろうといった感じ。この病院内での日常がいったいどれほど重要なんでしょう。
だがスザンナがアンジェリーナ・ジョリー演じるリサと共に外に逃亡してから急展開が起きる。本音で喋り自分の思いを相手に伝え追い込まなければ気がすまない攻撃性の強いリサの姿を、元患者の自殺という形で嫌と言うほどに見せ付けられる。最初はとまどいながらも比較的簡単に病院にあまり違和感もなくそれまで溶け込んでいたスザンナ。だが逃亡後にリサと別れスザンナ一人が病院に戻ってきてから、だんだん彼女にも視聴者にもこの病院内が実は異常だったという風に見えてくるのだ。
それはリサが数週間後に連れ戻されてきたときからはっきりする。突然帰ってきた彼女は疲労しやつれ、目は麻薬患者のようにうつろで危険な雰囲気でまるで別人のよう。病院内で強さを持って自由に正直に生きるリサに少し憧れや尊敬を持っていたスザンナだったはずなのに、今では彼女に対して失望を感じ異常さを感じている。リサはその攻撃性ゆえに所詮社会的に不適格な破綻者なのだと気がつき、だからこそリサはここに8年もいるのだと理解する。それは他の患者たちについても同様で、友情を感じつつも一歩引いた位置から冷静に彼女たちの異常さを分析していけるようになる。
そう、それまで普通に溶け込んでいたここの世界は、実は異常なのだとわかってしまった。大半を占めた途中までのやや退屈な日常が、そのいきなりのどんでん返しへの伏線だった。その描き方が面白い。
アンジェリーナ・ジョリーの演技だけが注目を浴びているようだが、ウイノナ・ライダーも負けていないと思った。しかし実年齢が役柄とかなり離れていてタイトル通りの年齢には見えないのは残念。
メンヘラかわいそう
精神を病んでいる人の話かよ~きついなと思いながら見始めたのだが、登場人物の思いや感情が丁寧に描かれていて同情した。また、60年代の精神病院がどんな様子だったのかとても興味深かった。
顔がフレディのような火傷でただれた女の子がパニックになった際にドアの向こうから歌を歌ってなぐさめる場面、たどたどしいギターと歌がとてもよかった。
アンジェリーナ・ジョリーのような悪ぶっていたり強ぶっている人は中身が弱々しいと非常に痛烈に語っているのもよかった。結局精神病院にいる時点で悪ぶったり強ぶったりしてもあまり意味がないように思ったし、とても気の毒だった。
自殺したいとか言う人は「そんなんだったらさっさと死んじゃえばいい」と短絡的に思うことがあるのだが、想像と現実は遥かに違うということをありありと思い知らされる場面があった。まったくうかつな事を考えるべきではないと痛感した。
精神を病むということ
精神科病棟を舞台にした骨太な作品。
文句なしの名作です。
作品紹介にもある通り同じく精神科病棟が舞台の
「カッコーの巣の上で」と比較されがちというのは良く分かりますが、
登場人物の患者達が若い女性たちということで
やっぱり全く別のアプローチになっていると思います。
主演2人の噂に違わぬ熱演ぶりは本当に凄い。
観ているこちらも久し振りに真剣に対峙して観賞した作品になりました。
特にアンジェリーナ・ジョリーの迫力にはアカデミー賞受賞も納得です。
精神を病むということ…。
専門家でなければ定義が非常に難しいことだと思いますが、
誰しもが少なからず悩みを抱えている現代社会。
病棟にいる患者たちと僕たちの明確な境はないんだと思います。
「カッコーの巣の上で」にしても本作にしても
入院は患者の自由意志による決定とのこと。
社会に出て大きな障害に突き当たり
本気で思い悩んだ経験のある多くの方にとって
作品中の主人公の心の動きには共感する部分が少なくないはず。
少なくても僕個人にはシンクロする部分が多くありました。
深い題材を見事な作品に仕上げた作り手側の熱意に拍手。
ぜひ多くの方に観てもらいたい社会派作品です。
※他サイトより転載(投稿日:2008/10/01)
ドロシー、何を学んだの?
映画「17歳のカルテ」(ジェームズ・マンゴールド監督)から。
舞台は女性のみの精神病院。
当然いろいろな出来事が起こるが、
そんな中、なぜかテレビで「オズの魔法使い」が流れている。
「ドロシー、何を学んだの?」という問いに
主人公ドロシーは「夢は見るだけではダメということ」と答える。
ストーリーには関係ない台詞なのかも知れないが、
どうも私の心に引っかかりメモをした。
「夢はしっかり掴みなさい」ということか。
「夢を目標に変える努力をしなさい」ということなのだろう。
頑張ってみたい・・・。
なんだか、映画「クワイエットルームへようこそ」(内田有紀さん主演)と、
似た感じの作品だったな。
「オーストラリア」にも「オズの魔法使い」が挿入されているし、
影響力が強い物語だということを実感した。
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