劇場公開日 2000年9月2日

「メンヘラかわいそう」17歳のカルテ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0メンヘラかわいそう

2012年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 精神を病んでいる人の話かよ~きついなと思いながら見始めたのだが、登場人物の思いや感情が丁寧に描かれていて同情した。また、60年代の精神病院がどんな様子だったのかとても興味深かった。

 顔がフレディのような火傷でただれた女の子がパニックになった際にドアの向こうから歌を歌ってなぐさめる場面、たどたどしいギターと歌がとてもよかった。

 アンジェリーナ・ジョリーのような悪ぶっていたり強ぶっている人は中身が弱々しいと非常に痛烈に語っているのもよかった。結局精神病院にいる時点で悪ぶったり強ぶったりしてもあまり意味がないように思ったし、とても気の毒だった。

 自殺したいとか言う人は「そんなんだったらさっさと死んじゃえばいい」と短絡的に思うことがあるのだが、想像と現実は遥かに違うということをありありと思い知らされる場面があった。まったくうかつな事を考えるべきではないと痛感した。

吉泉知彦