ザ・インタープリター

劇場公開日:2005年5月21日

解説・あらすじ

アフリカのマトボ共和国出身のシルビアは、現地のクー語の通訳として国連本部で働いている。ある日、彼女はマトボの大統領暗殺計画に関する会話を偶然聞いてしまう。それ以来、危険がつきまとう彼女の身を守るため、シークレットサービスが送り込まれる。そのうちの一人、ケラーはシルビアの言動に疑惑を持ちはじめ……。暴力の連鎖の悲劇を描いたポリティカル・サスペンス。

2005年製作/118分/アメリカ
原題または英題:The Interpreter
劇場公開日:2005年5月21日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5【”命を懸けて調べた死亡者リスト。そして解放者の自伝。”今作は、アフリカ小国の祖国解放者だった今や虐殺者になった大統領と、小国出身の白人通訳者と彼女を護る捜査官の姿を描いた社会派サスペンスである。】

2025年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■アフリカの小国、マトボ共和国の通訳として国連本部で働くシルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は、国連で自らの罪を隠蔽するためにスピーチに来るマトボ共和国大統領暗殺計画に関わる囁きを耳にした、と言い通報する。
 彼女の通報でやって来たのは、妻を不倫の果ての交通事故で失ったばかりのトビン・ケラー捜査官(ショーン・ペン)。だが、ケラーはシルヴィアの言動に疑念を抱き、彼女の若き頃の写真や出自、家族構成を調べて行くのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・作品設定が巧い。アフリカの小国、マトボ共和国の若き頃は、理念に燃えていた男が大統領になった途端に自分の理念を妨害する人たちを虐殺する構図。
 容易に、ウガンダのアミン大統領を想起させる。

・その大統領に反対する同じ民族のゾーラとクマンクマン。大統領は彼らを暗殺しようとし、様々な悲劇が起こるが、その中にはシルヴィア・ブルームの兄、サイモン・ブルームが居り、更にケラー捜査官はシルヴィア・ブルームが、若き頃は大統領を信奉していたが、大統領の強権政治に抗議した両親と妹を地雷で失った事を調べていく過程。

・国連に大統領の側近として入って来る男達が実は、大統領の暗殺を見かけだけ行おうとし、大統領の罪を隠蔽しようとする流れを見破るシルヴィア・ブルームが、自らも暗殺の危機に会いながらも、最終盤大統領と対峙するシーンはナカナカである。

<今作は、アフリカ小国の祖国解放者だった今や虐殺者になった大統領と、小国出身の白人通訳者と彼女を護る捜査官の姿を描いた社会派サスペンスである。>

■全然、関係ないが今作では、サイモン・ブルームの仲間のカメラマン、フィリップをイヴァン・アタルの野郎が演じている。嫌だなあ。理由は書かないよ。じゃーね。

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NOBU

4.0シドニー・ポラックらしい上質な娯楽作品

2025年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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mac-in

3.5通訳

2024年4月29日
iPhoneアプリから投稿

もっと通訳の特性を活かす脚本があったはず。後半はそれを忘れた内容だった。

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takantino

4.0当時のサスペンス巨編

2024年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

この映画は、今となっては古さは否めないものの、舞台を国連に置き、本部のあるニューヨークでアフリカのとある小さな国の大統領が演説をするというスケールの大きさは、サスペンスの舞台として申し分ない。
この国は民族紛争が盛んで、通訳が偶然国連の事務所に忘れ物を取りに来た際にシステムが会場の音を拾っていることに気づくが、その内容はその大統領暗殺計画に関するものだった。
ニコール・キッドマン演じる通訳の主人公がその内容を聞き取ってしまったことがこの物語の原動力となる。
彼女を護衛するショーン・ペン演じるシークレットサービスは、わずか1週間前に妻を自動車事故で亡くしているという設定だ。
また主人公は過去に反戦活動に参戦していたが、その大統領が自分の地位の保全のために様々な悪事を行っていることを知り、足を洗う。
しかしながら彼女の兄は現在も戦い続けていて行方がわからない。
アメリカ政府は、国内で他国の大統領の暗殺など行われれば立場がないと言って警備を厚くする。
このような状況下でバスの爆弾テロが発生、大統領の命の危険が危惧される。
この映画のややこしさは、
誰か複数人が、大統領暗殺について話していたことを聞いてしまいましたという、ニコール・キッドマンのアナウンスから始まる。
彼女には過去も含め、母国や大統領に関し様々な思いがあったことが話をややこしくさせている。
アフリカの小国何の民族紛争については、アメリカはあまり興味を持っていない。
公安はタッグを組みながら捜査する。
にも関わらず、国連の演説会で暗殺が実行されようとするのは、昔ながらのサスペンスのあり方なんだなと感じた。
結局ニコール・キッドマンは国外退去命令となるが、兄のことも大統領のことも、自作自演暗殺パフォーマンスに関わった輩もすべて解決していまう。
あとに残ったのは彼女の家族全員がテロによって死んでしまったという事実と、ショーン・ペンの妻が事故死してまだ23日だということをお互い話して映画は終わる。
そこに勝手な正義など微塵も描かれていないところが、まあ良かったと言えるのかもしれない。
人気取り作戦で計画された大統領暗殺未遂事件は、自作自演だったというのがオチだが、実際に身内を失くすということがどういうことなのか? 大きな権力に対する明確な言及的言動が欲しかった。

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