ブロークバック・マウンテンのレビュー・感想・評価
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魂の物語
大好きな作品で、十数年振りに再鑑賞しました。2006年の公開当時、同性愛はまだまだゲテモノ扱いで、同性愛を扱う作品は一部の映画マニア位しか鑑賞していなかったと記憶しています。しかし、今作の公開を境に、その後同性愛の作品が沢山公開され今となっては一般的な作品になりました。今作はジェンダーの変革期に多くの人に受け入れられた作品であり、時代を変えた作品とも言えると思います。
イニスとジャックが出会った1963年は、カウボーイがアメリカで廃れ消えゆく時代。逆にアメリカ国家は、経済的な繁栄を迎えます。時代に逆光するかの様な地味で貧しいイニスとジャックの生き様は、不器用ですが純粋です。イニスの様な口下手な人間よりも、口が達者なセールスマンがもてはやされる時代が幕を開けても、男らしさという古い価値観には縛られたまま。社会から必要とされなくなった男達の孤独な魂は、どんなに反社会的であってもお互いを惹きつけて離れられなくなってしまった。だから、今作は恋愛や友情という関係に収まらない純粋な魂と魂のぶつけ合いの物語。公開から十数年経っても観る者を魅了するのは、この魂に私達が惹きつけられているからだと思います。
これも愛
ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールの2人がそれぞれ妻子がありつつ長年にわたって愛し続けたお話し。羊って平地にいるイメージだったけど、山岳でも放牧するのを知りました。映像が綺麗ですね。アン・ハサウェイもいい味出してます。
辛い恋だなぁ、不器用な人だなぁ、そして真実の永遠の愛
人恋しさ、というパズルのピースが調度隣同士で、あの夏のブロークバックマウンテンでマッチングした、と感じた。
そりゃあ、何があろうと離れられない
死が二人を分かつまで、とはこういうことでしょう
長い長い時間、逢えるのはわずかで、ホント、辛かっただろうな
背徳感も半端ないだろうし
ジャックの真っ直ぐな愛にイニスは救われていたんだね
イニスが9歳の時にパパからあの嫌悪感、世間の感情を見せられてなければ、また二人の世界は変わっていたのかも。
生涯愛し得る人と出会えて、愛し、愛されていた時間があって、辛かっただろうけど幸せだったと思う。
ブロークバックマウンテンしかなかったようですが、イニスにとってかの地がいかに癒しの地だったか、よく伝わりました
ジャックとイニス、それぞれの本気な思いがそこかしこに散りばめられいて愛おしいと思いました。
真っ直ぐで不器用で辛いことこの上ないけど、真実の永遠の愛をつかめて良かったの
ラストのジャックのパパママが素晴らしく、だからジャックがあんなにも素直な真っ直ぐさんに育ったのね、と納得
ただ、遺骨の破片でいいからブロークバックマウンテンに埋めてあげてほしいなぁ
と思いました
イニスがパパの9歳で見せられた世間の感情、嫌悪感が、なければ
音楽、映像、演出が織りなす一体感
美しい映像の中、単音でクリアに鳴り響くギター、行ったことはない場所なのにその場に居るような雰囲気を与えてくれる、まさにこれこそ映画!というような作品だった。話には全くハマらなかったけど・・・。大きなスクリーンや音響で体感しなければ、真の良さは伝わってこないかもしれない。
内心を曝け出す事の葛藤
主人公二人の距離が縮まるのが余りに唐突過ぎてついて行けない感覚のまま序盤は進むものの、その後の感情のぶつけ合いと、本当の自分と向き合う2人の葛藤が見事に描かれ、思いを曝け出す難しさに共感を抱いた。
ムーンライトと似たテーマだが、こちらの方がよりストーリーに厚みがあり、良い映画だと感じた
四人四様
居場所なく育った者が辿り着いた平安が社会的には場所が用意されていない。その苦悩を携えるヒースレジャー、訛ったボソボソ感や刹那に彼が暴力に走る姿が痛々しい。
冒頭のジェイクギレンホールはヒースより男らしいが、それが一年経て山に帰ってきた時に一変。同じく可愛い花嫁、ミシェルウィリアムの変貌ぶりも目を引く。内面の不安が滲み出る表情。こちらも素晴らしい。
過去の禁じられた逢瀬に引きづられて人生を過ごす者の話は多く、それを同性愛に当てはめている。受け入れることのままならなさ、秘めて心に住まわせる。
羊の群れや大自然の風景の中でこの話が綺麗に縁取りされる。対照的なラストカットのトレーラーハウスから窓で切り取られた外の風景が美しく心に残る。
同性愛の感動映画ではなくただの不倫映画...
まずはじめに申し上げておくと私は「同性愛」について賛成であり世の中でもっと認知されることを願っている。私自身は同性愛者ではないが友人では何人かおりその人たちの心からの幸せを願っている。
だが....それを踏まえてもこの映画には感情移入できない。
今よりもずっと彼らにとって住みにくい時代だったとはいえ(映画でも過去の回想で残忍な殺され方をした同性愛者が登場する)、妻や子供との時間を作らず彼との愛を育むことが美化されて良いかは疑問だ。
実際にイルマーは妻と離婚するが離婚後の関係が良かったとは言えず、新しい恋人との関係も蔑ろにする主人公に腹が立つ。
愛する彼氏との関係も一緒に住むことを拒んだり、同性愛者と言うことを認めることができないなど、自分をわがままで結果的に最愛の人は死に遺灰は持ち帰れず1人悲しく死んでいくバッドエンドだ。
繰り返して言うが、同性愛には賛成だが...不倫を美化し感動をそそるのは滑稽である。
セクシャルマイノリティが
差別される世の中って当事者には生きにくい世の中なんだろうが、この映画で見る彼らに同感できるかと言われるとうーんとなるのは、マジョリティだって本当に愛した人と結ばれるのはほんのひと握りだからと思っちゃうから。
そんなに周りの人まで不幸にしちゃいかんじゃない?
なんて事を考えさせられた映画。
アルマ目線で再視聴
アルマ目線で再視聴。イニスとジャック2人の関係は確かに美しく描かれています。ゲイに差別や偏見が厳しい時代であり思い通りにならない苦労は理解出来ますが、イニスは特にカッとしやすいし自分勝手だと思いませんか。育児と仕事を真面目に頑張ってきた奥さんのアルマが可愛そうでなりません。私が奥さんだったら人生を返して欲しいですね。
男同士の愛おしくも切ない愛の物語
お互いが惹かれ合う、そこを時間をかけて丁寧に描かなかったがために物語に深みがかけてしまったのかと思った。2人のあのテントのシーンは流石に急すぎるかなと思った。そこから物語自体は淡々と進み、2人が再会してからはブロークバックマウンテンでお互いの気持ちを確かめるように2人の時間を過ごす。本当の自分は社会に受け入れられず自由を手にすることができない。そして、恋人までも失ってしまう。なんとも不条理で悲しい物語だった。
四人
観てて辛くなる。もっとうまく生きていくことができなかったのか。役者陣の熱演で余計にやりきれなさが募る。
アン・リーはもう『恋人たちの食卓』や『ウェディング・バンケット』みたいなユーモアを交えつつ、人の心の機微を描き出す様な作品は撮ってくれないのかな。個人的な思い込みではあるが、それが私の好きなアン・リー。
同性愛は取り残された差別のフロンテアなのだ
美しい風景を独特の空気感で
自分の恋愛対象のリミッターを超えた先にある世界を見せる
しかし自分には宇宙人を見るような主人公の嫁の目で男同士のラブシーンを見るしかなかった
愛される対象が女性でないことは女性にとってはどういうことか?
その意味を見せる嫁と離婚後の彼女の二人の女性
子を産まない女なら抱きたくない
子を育てられない男なら射精を受け入れたくない
男女の本音がぶつかりあうシーンは心にささった
では男同士の恋愛の本音は何なのか
単に肉体だけの快楽なのか
精神の強い結び付きなのか
男女の夫婦は子を作り育てることが目的なのか
ならば子育てを終えたら何が残るのか?
つまり男同士の恋愛はより純粋ということなのだろうか?
男女の間であっても本作のような世界はある
夫婦でありながら別の存在を密かに愛し続けることも
永遠に結ばれないとわかりながら家族になれないとわかっていながら胸に秘めて死ぬその日まで
こういう形の恋愛もあるのだと提示する事が 、本作のテーマなのだろう
同性愛者が大勢の男性にリンチを受けるシーン
かって南部で黒人が白人達から肌の色が違うというだけでリンチを受けていたのと何程の違いがあるといえるのか?
むしろ黒人達は公民権運動を経て差別は表面的には解消されていったのが本作と同じ20年の年月だ
同性愛は取り残された差別のフロンテアなのだ
それが本作を観たことによって自分に伝わった事だ
ヒ-スレジャーは役を生きた
同性愛だからって簡単に殺してしまう、当時の価値観には驚きました。
雄大な自然と羊飼いの旅、気のあう仲間、心が解き放たれて、とても幸せだったのでしょう。
生涯最も幸せな時というのも理解出来ます。
ヒ-スレジャ-は役を生きた。
それが切なくて悲しい。
もどかしい
求めているときに相手は求めていなくて、でも心の奥底では互いを求めていて。普通じゃないから秘密にしているから故に燃えて。歴史についてはわからないけどゲイなのが認めらていない時代に愛しあってしまった結果が辛すぎる。
BLが生々しいけどそこに気持ち悪さがないのは何故だろう。それくらい良い映画!
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