アヴァロン(2000)のレビュー・感想・評価
全7件を表示
攻殻機動隊のラストと同じ構図だ!!(少し嬉しい)
フルダイブ型シューティングゲームの中に取り込まれた「戦友」を探す主人公の物語。
鬼才「押井守」初めての実写映画ですね。
フルダイブ型ゲームを舞台にした物語は多くありますね。アニメやライトノベルでは定番で、中でも「ソードアートオンライン」は高い人気を誇っていますし、ハリウッドでも「レディ・プレイヤー1」等が製作されています。でも、前者が刊行されたのは2009年。後者は2018年。
このアヴァロンは2001年に公開されていることに、押井守の先進性を感じざるを得ません。
モノクロ調とフルカラーの使い分けが良いですね。「ビューティフルドリーマー」の現実と夢。「パトレイバー2」の現実と虚構。押井守の世界観の描写が秀逸で印象的です。
ただ、評価はそれだけ。映画としては、恐ろしくつまらない映画です。
ゲームの説明をすることに一生懸命で、その説明が長く物語にテンポが生まれません。その説明があっても分かり難さを感じることが、なおさら致命的。
アクションも大したことはなく、面白い・・・と感じる要素がありません。
私的評価は極めて厳しめです。
すごく押井守監督らしい作品。仮想空間と現実世界と、虚構で虚構の世界...
すごく押井守監督らしい作品。仮想空間と現実世界と、虚構で虚構の世界を語る面白さ。
ただし入り込みづらく、なかなかのつまらなさ。
広大なネッワークの果てにあったもの
「攻殻機動隊」においては、広大なネッワークというフロンティアの果てに、新たなる可能性を見出していく。ラストにおいて草薙素子は不敵な笑みをたたえて「さて、どこへ行こうかしらね」と嘯く。しかし本作においては、広大なネッワークの果てにあるのは畢竟、陳腐な「終わりなき日常」でしかなかった、そういうある種の諦観が描かれている。
もっと面白くなる題材
初見のときは食事シーンが気持ち悪く嫌悪感が先立ってしまいましたが、押井監督の実写作品では最も普通に楽しめます。
ただ、ゲームの法則をリアルな世界に当て込んで、その矛盾と戦うというのは現実世界の神と人間との関係にも似て本当に面白い題材であり、もっと面白くなるのに!と残念にも思ってしまいます。
不興さが面白さを立脚させている、変わった映画。
常に画面に違和感があり、役者の演技が長たらしく、カット割りのテンポが悪く、カメラワークからは実写映画では重要な現実味が感じられない。そんな、退屈だった前半。
だが押井守を信じて「いつか面白くなるはずだ」と思いながら見続けると、あるシーンから、突然面白くなる。そこで気づかされた。「前半のつまらなさには理由があったのか!」
こんな感覚はこの映画でしか感じられないだろうと思う。
ただ、理由があるとは言え前半の退屈さは酷いので、全体の印象はあまり良くはない。
全7件を表示