戦場のアリアのレビュー・感想・評価
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ああ無情
いつも争いの映画を観ると思ってしまう。
どうして殺しあわなくてはならないのか?答えが出た試しない。
実話を基にした映画だそうで。
日露戦争当時も日本兵とロシア兵が遺体を収容しながら和やかに会話することがあったそうだ。お互いの顔が見えた時代の戦争だった。
ということは、敵も人間だと認識しながらの戦いということになる。
どれだけ恐ろしいか。どれだけ背負うものが大きく感じることか。
また、わかりあえる相手にもなっちゃうわけだ。
ましてやこの映画では言葉は違ってても同じ神を信じて同じ賛美歌を歌う同士だ。神に疑問を感じたっておかしくない。同じ神の子で何故争わなければならないのか?敵と味方と何が違うっていうのか?
神がいるのなら是非答えてほしいと思ったことだろう。
敵将校の子どものことを、将校に教えようとして撃たれるものがいる。
これは悲しいだけじゃあない。死んだ兵士の母親はそのことを聞いたらいったい何を思うだろう。
現代はスイッチ一つ、ミサイルで何十万、何百万という人間を殺せる。
人間の命の感覚は、この映画当時より軽くなっている。
休戦できるなら止めちゃおう
第一次大戦下のクリスマスに実際に起こった物語。バグパイプで盛り上がるスコットランド兵たちをよそに、フランス兵は偵察を送る。ドイツ軍の塹壕ではクリスマスツリーが飾られるのだ。ニコラウスが「きよしこの夜」を歌い、スコットランドのバグパイプが伴奏をつける。やがて1日限りの休戦を提案する両軍だった・・・
前線各地で英独仏の兵士が親交を結んだ。イブだけではなく、翌25日にも遺体を葬ったり談笑したり、サッカーに興じたりと奇跡は起こったのだ。司令部の意志に反して、前線の兵士はあくまでも人間的。激しい戦争の中でのひと時の休息ではなかったようだ。敵が悪魔であるかのように攻撃を続けるのは敵を知らないから・・・相手も同じ人間なのだと彼らは知る。国のために無理強いされているだけの一兵卒なのだから。
聖夜を交歓するシーンがメインになる映画だと思っていたけど、ちょっと外れてしまった。英独仏の言葉が飛び交い、意思疎通できる者もいれば、言葉が全く通じない兵士もいる。キリスト教というひとつの宗教のおかげかもしれないが、現代の異宗教国家の戦争だったらどうなるんだろう?安息日に攻撃する酷い奴らもいることだし・・・
戦争をテーマにした映画はどれも本当に心に響くものが多いですね。戦争...
戦争をテーマにした映画はどれも本当に心に響くものが多いですね。戦争とは何か?トップの決定で国全体がおかしくなることもあるし、お国のために命を落とす兵士の無念さは見ていて辛い。まだまだたくさんやりたいことがあっただろうになと思うと、戦争とは何なのかを本当に考えさせられます。
ダイアン・クルーガーはドイツ人
第1次大戦時のクリスマス、前線の兵士たちが休戦し、敵味方を超えて友情を育んでいたという実話の映画化。
戦争映画で敵味方が通じ合うという物語はよくあるけど、これは実話だということに加えて、彼らはヒーローでもなんでもない、一兵士たち。その集団が片言の外国語で挨拶を交わし、酒を酌み交わし、歌を歌う姿は素朴であるがゆえに、戦争の愚かしさを訴えるには十分といったところ。
そんな彼らは当然、クリスマスの休戦が終わっても再び銃を向け合うことはできず、軍の上層部からは厳しい処分を受けるわけだけど、そこには悲壮感というよりも、“人間”であることに誇りをもつ前線の兵士たちの潔さと、戦争という行為の虚しさが同居した不思議な味わいが…。
重要な役割を果たすオペラ歌手の歌声が、明らかに吹き替えなのがバレバレで、若干興醒めしてしまうのが残念ですが……。それにしてもダイアン・クルーガーってドイツ人だったんだよなと改めて思い出した作品でした。フランス映画界から出てきた人だから、ついそう思いがちですが。
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