「微笑ましい気持ちになりつつもかなしい」アバウト・ア・ボーイ いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
微笑ましい気持ちになりつつもかなしい
彼には夢があったはずです。
部屋中を埋め尽くすCDやギター、音楽のポスター、そこにある様々なものが示す事実は
『彼もミュージシャンになりたかった』ということ。
それを忘れたかのように全て趣味だ、と言い除けてしまう。
すべてを諦め、親の印税で暮らす。
仕事はしない、毎日自分が決めたルーチンワークをするばかりの人生。
その人生には経験がなく、空虚でがらんどうであり、
「あなたには何があるの?」
「いいや何も持っていない」
言葉の通りなにもありません。
だけど何もなくても、何も持っていなくても、
これから何かをすることはできる。
そういう気持ちにさせてくれる映画。
久しぶりにいい映画。
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