劇場公開日 2002年9月14日

「微笑ましい気持ちになりつつもかなしい」アバウト・ア・ボーイ いずるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0微笑ましい気持ちになりつつもかなしい

2013年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

幸せ

彼には夢があったはずです。
部屋中を埋め尽くすCDやギター、音楽のポスター、そこにある様々なものが示す事実は
『彼もミュージシャンになりたかった』ということ。
それを忘れたかのように全て趣味だ、と言い除けてしまう。

すべてを諦め、親の印税で暮らす。
仕事はしない、毎日自分が決めたルーチンワークをするばかりの人生。
その人生には経験がなく、空虚でがらんどうであり、
「あなたには何があるの?」
「いいや何も持っていない」
言葉の通りなにもありません。

だけど何もなくても、何も持っていなくても、
これから何かをすることはできる。

そういう気持ちにさせてくれる映画。
久しぶりにいい映画。

いずる