2046のレビュー・感想・評価
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映像美
得体の知れない香港映画
トニー・レオンと木村拓哉
主人公(トニー・レオン)は香港の小説家で、恋愛遍歴を回想しながらSF小説を執筆する。
小説の中では、ホテルの大家の娘が愛している日本人の男(木村拓哉)の姿をしている。
主人公を取り巻く女性陣はコン・リー、フェイ・ウォン、チャン・ツィイー、マギー・チャンなど豪華な顔ぶれで、美しい映像に酔う。
【”破綻の美学及び抑制したエロティシズム・・。”今作を観ればウォン・カーウァイ監督が築いて来た唯一無二の美学が横溢する世界観に浸れます。今作にストーリー展開を求めてはイケマセン・・。】
ー 昨年末にウォン・カーウァイ監督が製作した、「恋する惑星」「天使の涙」「ブエノスアイレス」「花様年華」及び今作「2046」が4Kリマスターが公開された事は、ウォン・カーウァイ監督の作品を愛するモノであればご存じの通りであろう。
ああ、観たよ。ある一作を除いて、レイトショーで観たよ。
で、手元には当然、ー”今、ふたたびそれそれの<時>が鮮やかに動き出すーという魅力的な惹句が書かれたフライヤーがあるのである。-
◆感想
・今作のストーリーは、様々な要因故に破綻している。木村拓哉さんが演じるタクの位置づけも不明瞭であるし(決して、彼の責任ではない)近未来を描いた作品設定も巧く機能していない。
・だが、私が今作を指示するのは、主演のチャウを演じたトニー・レオンの圧倒的な存在感が屹立している点と、パイ・リンを演じたあの、「初恋の来た道」を演じた可愛らしすぎるチャン・ツィイーが哀しくも凛とした娼婦を演じている点である。
・更に言えば、今作では比較的に引いたアングルが多い、ウォン・カーウァイ監督の全作品のキャメラを担当したクリストファー・ドイルの画や、梅林茂氏の哀切なるメロディーが効いている点である。
ー 私の個人的な感想であるが、梅林茂氏の劇範が、一番効いているのは、故森田芳光監督の夏目漱石の「それから」であると思っている。
興味がある方は、ご鑑賞頂きたい。私などは、DVD購入は当たり前で、サントラも購入している・・。話が反れた・・。-
<今作は、故に難解な点もあるかもしれないが、(当然、「「ブエノスアイレス」「花様年華」に比べると分かりにくいであろう・・。)私は、今作に横溢するウォン・カーウァイ監督が一貫して描いて来た”破綻の美学及び抑制したエロティシズム”を激しく支持したいのである。>
60年代の香港 SF小説 アンドロイド
天人五衰
最上位の存在でもその兆候に気を病むということなのか。。。
確か公開当初は日本での話題先行の割になかなか掛る映画館が少ない記憶があり、それこそ日本の芸能界とアジアの映画界との軋轢が取り沙汰された状況だけは朧気に記憶にある。ジャニーズが何で香港映画?ってな疑問だ。監督が指名したのか?それとも金城武のスケジュールが合わなかったのか? まぁそんなミッシングリンクを埋めるべく鑑賞したのだが、意外にも興味深い内容であった。SFの部分はあくまでイマジネーション的挿絵で、そこまで重要ではないが、但し場面展開的にはとても効果を発揮している。靴底のイルミネーションのCGなんて今でもアイデアは斬新だ。そして、そのSF小説を私小説に見立てて執筆するというプロットもアイデアの勝ちである。男と女の正に"演歌"的な情念を表現してみせた監督に今更ながら脱帽である。キムタクの出演シーンが増えてしまった点は、それ程マイナスとは捉えていないけど、確かにSFシーンのみに限定していれば、"ミニ金城"的登場で良かったとは思うのだが・・・(別に演技そのものはいつものキムタク節なのでそういうものだと認識しているのは日本に住んでいるからなのであろう)
それにしても、チャン・ツィイーの美しさは際立つことこの上ない。CMでの美表現が記憶に残る世代だが、こうして演技としての表現は目を見張るモノがある。あの駆け引きは同じアジア人として羨望の眼差しとして記憶に留めて置きたい。映像のスタイリッシュさ、鮮やかさ、室内セットの壁の質感等、鮮やかな色彩にも目を奪われる作品であり、今鑑賞して正解だったと強く感じた作品であった。
憎めない一本
花様年華のその後
イケオジになったトニー・レオンもとい主人公は、結ばれなかったあの女性との美しい思い出を忘れるべく(というか反動?)、派手に遊び暮らし、幾人もの女を泣かせている。
そこに初めて、体が目的ではなくただ一緒に時を過ごしたい女性が現れる。主人公が求めていたのは、あのひとと同じ、小説を愛する女だった。(他の女とは全く態度が違う。)
あの頃と同じように二人で物語を創り、あの時と同じように彼女の幸せを優先させて自分は独りになる。せめて物語の中では彼女と結ばれるハッピーエンドにして…。
雨や屋上のネオンを入れたシーンが特におしゃれだった。
そしてキムタクって、あんなエモい顔して泣くんだと思った。なかなかいいものだった。
これはさっぱり
評判より全然いいよ?
木村拓哉は木村拓哉じゃないとダメなんですね。未来とかSFの中では木村拓哉なんだけど、60年代の世界では浮きまくり、というか下手?なのか?
そう考えると(ズレますが)教場では大分上達したんだなぁと思いました。
映像美と音楽がファッショナブルで何となくかっこいい感だけで見れてしまうWKWの映画。2046だけは、創作と現実、過去と現在と未来?が交錯して面白かった。花様年華を先に見ておくと楽しめます。
狭小で箱庭の中華は
配役がすべて
人たらしで色気ある優しいトニー・レオン鑑賞
何度も見ようと思ってた映画です。でもある俳優さんが出て顔見て台詞聞くと見続けることがどうしてもできませんでした。でも今日は頑張った!
「恋する惑星」の女の子(フェイ・ウォン:大人っぽくなってた。鎖骨が凄い。痩せすぎ?)、アンドロイドの方も可愛くて適役だった。やっと幸せになれて(「恋する惑星」繋がりで)トニー・レオンとちゃんと面と向かって話せるようになって良かったね。コン・リーかっこよかったがいくら60年代とはいえヘアピースでか過ぎ。ても最初で最後の激しい別れのキスの後、互いの口許が彼女のルージュで赤くなってる映像はリアルで美しかった。チャン・ツィイーは最初と最後の重要ポイントで良かった。過去は大事、現在も大事、でも未来はボンヤリしてわからない。そして過去には秘密にしたいことがある。山の中の木に穴を穿ちどうたらこうたらで「花様年華」だと私でもすぐにわかりました。タクシー、緑と赤の室内、インテリア、ベッドリネンの可愛い色とチープな感じ、何度も出てくる地名シンガポール、カメラワーク、女性たちの襟の高いチャイナドレスに黒のヒール、男は真っ黒な髪にポマード。外出前に鏡を見ながら櫛で髪を整えるトニー・レオンの色っぽさ。新聞社的オフィスで彼は記者?作家?ギャンブラー?も「欲望の翼」「天使の涙」「花様年華」の反復。Cotext関係?自分の作品だからオマージュではないし。監督、自分の作品とはいえ意図があるにせよ過去人気作品の使い回しが多すぎる。未来へ別の世界へも挑戦して欲しい。
好き好きあると思うけれどカーウァイ監督の60年代の香港が舞台の映画で使われる女性の衣装、アクセサリー、ヘアメイクと音楽は好みです。この映画ではオペラがいい役割担ってました。そしてホテルや宿の部屋が並ぶ廊下の淫靡さがたまらない。
そして出るぞ、出るぞ、と待ちかまえていたのがマギー・チャン。「花様年華」の彼女がトニーと二人でタクシーに乗っているところ。出ました!ありがとう。この場面がなかったらがっくりでした。
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