殺しのドレスのレビュー・感想・評価
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0199 そんな背の高いババアがいるか。婆さんその水を飲んでみろ。
1981年公開
デパルマ師匠最高傑作!
本格推理小説ファンからすれば
ムダな描写が多いとか登場人物少ないのですぐわかるとか
美術館追っかけまわしとか逢引の場面要るの?とか
ナンシーアレンが地下鉄で追われるシーンって
時間かけすぎのミスリードとか
そんなもんは雰囲気を味わうのにどうでもいい。
意外な犯人が論理的に説明されているだけで満足。
エレベーター内の惨殺シーンもこんなに美しく撮れる監督
他にいるか?
オチも二番煎じであるがGOOD!
しかし被害者の男の子はパジャマ姿のお姉さんに
迫ったりしないのか?
ともあれ大好きな映画です。
100点
テレビ初鑑賞 1983年1月10日『月曜ロードショー』
ヒッチコック監督『サイコ』(1960)へのオマージュがふんだん
目黒シネマさんにて「~ブライアン・デ・パルマ 傑作選~」にて『キャリー』『殺しのドレス』『ミッドナイトクロス』の初期傑作3作品上映(2024年8月11日(日)~17日(土))
『スカーフェイス』(1983)『アンタッチャブル』(1987)『カリートの道』(1993)『ミッション:インポッシブル』(1996)と傑作・名作豊富ですが今回は初期~中期の傑作3本立て。
『殺しのドレス』(1980)
デ・パルマ監督が師事しているヒッチコック監督『サイコ』(1960)へのオマージュがふんだんですが、美術館のステディカムの演出、分割画面を活用するなどデ・パルマ監督らしい演出も見どころでしたね。
前半はアンジー・ディキンソン、後半はナンシー・アレンがとにかく魅力的。
特にナンシー・アレンは『ロボコップ』(1987)のルイス巡査の勇猛なイメージが強いですが、当時はデ・パルマ夫人として監督のミューズでしたね。
デ・パルマ版「サイコ」‼️
ブライアン・デ・パルマ監督、1980年製作のエロティック・サスペンス‼️性的フラストレーションに悩む人妻アンジー・ディッキンソンが精神病院からの帰り、エレベーター内で惨殺される。事件を目撃したコールガール、ナンシー・アレンも犯人に狙われる・・・。スタイリッシュさと下品さが混在して独特の世界観を構築している作品ですよね‼️冒頭のシャワーシーンやヒロインが途中で殺される点、犯人の行動原理など、隅々までヒッチコック監督の「サイコ」を思いっきりモチーフにしているのは明白‼️デ・パルマ監督お得意のスローモーションや長回しもメトロポリタン美術館のシーンなどでその威力を発揮してます‼️シャワーシーンからエレベーターで殺害されるまでの人妻の恐怖感の描写もホント素晴らしいです‼️ただ全編を通して粘っこすぎて疲れます‼️もうちょっとユーモアがあってもいいような気がしますね、ヒッチコック作品みたいに‼️
『殺しのドレス 4Kレストア版』(初Blu-ray化)でまた観た
初見は日本初公開の映画館(1981年、池袋)、その後何度も観ているが、本日は『殺しのドレス 4Kレストア版』(初Blu-ray化)で鑑賞。
かなり綺麗な映像になっているが、最初に映画館で観た時よりも、全体的に画調が明るくなった感じがした。
しかし、何度観ても面白い!
ブライアン・デ・パルマ監督の映像美、ピノ・ドナッジオの効果的な音楽、ラルフ・ボードの素晴らしい撮影、ジェリー・グリーンバーグに至っては「よく、こんな複雑なテンポで、こんな見事な編集ができるんだ!」という驚きの編集……とにかくスタッフが一流ぞろい。
冒頭の部屋を覗き見るカメラ移動→2人の男女→女のシャワーシーンと続く。
息子ピーターの発明部屋での母親ケイト(アンジー・ディッキンソン)との会話→ケイトがドクター・エリオット(マイケル・ケイン)の所に行ってカウンセリングを受けて、夫との夫婦生活の不満を言うが、結末を知っているので、いろいろと伏線が張られているのが分かる。
美術館でのめくるめく追いかけっこ、タクシーからの手袋での「おいで、おいで」、タクシー内でのカーセックスとデ・パルマ監督らしい描写が続いたところで、エレベーターでの殺人事件。
………と物語は続いていくが、やはりこの映画、名場面が多々あり、何度観ても面白い。
デ・パルマ監督さすがである。
やはり、デ・パルマ映画におけるスローモーション、画面分割、セリフ無しの映像だけで物語を進めるシーンなど、みどころ多数。
若干、物語が破綻しているorあの件は無視?……みたいなところもあるが、個人的にそういうのは無視!(笑)
映画本編は105分であるが、このBlu-rayは特典映像がすごくて約190分もある。
本作プロデューサーのジョージ・リットーが作品が生まれた経緯を語れば、ナンシー・アレンは女優として元妻として裏話を語り……とメイキングなどを含めて(DVD未収録の映像特典含めて)、映画製作の裏話を知ることができるのは楽しい。
本作は出会った頃からずっと大好きで、今後もリピートするブライアン・デ・パルマ監督の傑作!
視線の解剖
当時50歳弱だったアンジー・ディキンソンのシャワーシーンではじまります。
(ディキンソンは存命で現在(2022年)91歳です。)
不可解な絵でした。
映画がはじまると、すでに若くない女が、思いっきり扇情的にシャワーを浴びているからです。
カメラがトップへ寄ると明らかに違うぞ──なボディダブルになります。
ケイト(アンジー・ディキンソン)の裸身を、舐め回すように見せますが、ちぐはぐなボディダブルが示す通りじっさいは彼女の内なる妄想です。
ケイトは欲求不満を抱えた有閑マダムです。
満たされることのない性的飢餓が彼女に白昼夢を見せている──のがこのシャワーシーンでした。
さいしょに殺しのドレスを見たのはテレビの洋画劇場だったと思います。
殺しのドレスを「親と見る裸の気まずさ」と併せて記憶している人は多いはずです。
VODに入ってきたので30年ぶりに見ることができました。
大人になって見ると欲情したぶざまな年増をたくみに演じたディキンソンに感心します。
この映画のディキンソンにいいところはひとつもありません。
欲求不満に身悶えしながらシャワーを浴び、カウンセラーに不倫を迫り、美術館で会ったワンナイトスタンドのお伴に性病をうつされ、結婚指輪を置き忘れ、あげくに剃刀で切り刻まれます。
にもかかわらず、殺しのドレス(Dressed to Kill)の外販用ティーザー、VODのサムネ、プロモポスター、メディアの装丁にディキンソンの裸は使われていません。使われているのはすべてナンシー・アレンの下着姿です。
ディキンソンが演じたケイトは、ようするに、やりたくてしかたのないおばはんでした。かつ自身も要所で脱ぎながら、もっていくのはぜんぶナンシー・アレンです。踏んだり蹴ったりな役回りのディキンソンの根性につくづく感心したわけです。
──
改めて見ると(昔の)ブライアンデパルマは謂わば「視線の解剖」だったと思います。
わたしたちがなにかを見るとき、たんにそれを見るだけですが、デパルマの映画では、元にあった目の位置から舐めるように追って(長回して)最終的に見ようとしていた対象にたどり着きます。
視線は映画の登場人物のときもあり、観客のときもあります。
同時に見せたいときは画面分割して追いかけます。
そのような視線の解剖──なにかを見ようとしている主人公や観客のアイ・トラッキング(視線軌道)を呆れるほどの下世話さで再現する──のがデパルマです。
話は言ってみれば変態に襲われるだけの他愛ないものですが、デパルマは映画製作というものが本質的に視覚的なストーリーテリングであることを実証してみせます。
この方法論はサイコのようなものです。
世界中の映画ファンが賞賛するサイコ(1960)ですがストーリーを覚えている人はどれほどいるでしょう。
サイコは見せ方だけの映画でした。
殺しのドレスも見せ方だけの映画であり、見せ方(スタイル)だけで視覚的にストーリーテリングしてしまいます。
上品なヒッチコックタッチに下品なダリオアルジェントの俗気を足したような印象で、長回しをもてあそびながら、なんてことない話を興味津々に語ってしまうのです。
ただブライアンデパルマもやがて普通の映画監督になっていったように、こんにちではスタイル(撮り方)に腐心する監督や映画はなくなりました。デパルマ自身スプリットスクリーンなんて二度とやらないでしょう。
だからこそ久しぶりに見た殺しのドレスはどきどきするほど新鮮な映画でした。
独特の色使い。構図。 サスペンスと言うより、ホラー。
『MI』の監督作品。
『MI』も、そのスタイリッシュな色合いに惹きつけられた。
『MI』と色合いは違うけれど、白と灰色。そして赤、群青色が印象的。その配分がすごい。
ヒッチコックさんの影響を受け…というレビューをよく目にする。監督ご自身もそういうコメントを残されているらしいけど、色使いの独特さはキューブリックさんの『2001年宇宙の旅』あたりも彷彿させるかな。まったく同じというわけではないけれど、映像の無機質感がありつつも生活感も若干加味されているところとか。
あからさまに見せるシーン。残虐さ。血糊はバレバレなのに、この痛さ。剃刀って、あんなに大きかったっけ?
闇に隠されているものと光によってみせられているもの、鏡によって炙り出されるもの、ちょい見せ。雨降りによる曇りガラス。双眼鏡や隠しビデオによる撮影、画面二分割によって、剃刀を際立たせたり、登場人物をはっきり見せなかったり、予期不安を煽る演出。胸が早鐘のように鳴り響く。
有名な美術館のシーンとかエレベーターのシーンとか、カメラワークもすごい。
へたをすれば、あんな長回し、退屈になる間延びした場面なのだけれども、眼が離せない。手袋を使ったエピソードで、あの追いかけっこに必然性を与えてしまうすごさ。手だけの演出で、恐怖感も煽り、目が離せなくなる。漫画のコマのような思い出し場面も秀逸。
エレベーターのシーンも残虐なだけにもなりかねないのに、鏡を使って怖がりな私でも眼を離せなくなる。鏡だけではない。剃刀。手だけ。部分をアップした図と全体を見せて、観客をあっと言わせる図の兼ね合い、緊迫感。
リズとピーターが、レストランで会話しているシーン。隣の席の二人連れや、ご婦人がしっかりと映し出され、その表情にも目が行ってしまう。意図ある演出だと思うが、そんな本筋とは関係ない?ところもまた、作り込んでいる。退屈させない工夫とみるか、散漫とみるかは人によるであろう。
物語は。…。エロの部分もあり、ちょっとついていけないところも。
怖くて、さっと見てしまったからか、整合がとれていない、ツッコミどころも。どうして、そこに剃刀女が?どうしてそこにピーターが?
性的な願望をあからさまに取り上げた作品。時代を感じる。心に悩みを抱えて苦しんでいる方々やその家族、LGBTQの方々からは、クレームがきそう。
ラスト。犯人が捕まってからの流れは何なんだ。
サスペンスとしてみると冗長・蛇足。
でも、ホラーとしてみると…。余韻が消えない。
どこからどこまでが、夢か現か…。日常に滑り込んでくる恐怖。
印象的な作品であることは間違いない。
(昔、大学での上映会にて鑑賞)
very interesting ‼️
一度だけ訪れた事のある時代のニューヨークがとても懐かしく思い出されました。
殺人サスペンスの古典は色褪せなくとても面白かったです。ナンシー・アレンがvery cute でした。
サイコです
サイコに触発されて作ったということですが、サイコです。
そう思って観ちゃうんで、比較せざるをえない。
何でもそうですが、最初に観たのが基準になるから、二番手は分が悪いですね。まあ、パルマ君はそんなことわかった上でヒッチを超えるなんざ百年早いって思ってるだろうから、これはこれで十分面白いです。
でも、始めの方の美術館で出会った男性は筋に関係ないようですが、小説では何かしらの関連があるんでしょうね。そこのところを映画では省いているようなので、シナリオとしてはそこが欠点です。
しかし、ケイン君は何やらせても達者ですね。
あと、あの女優がロボコップの人とは驚いた。
最初の方の美術館を彷徨うシーンの音楽とカメラワークがフランス映画みたいで面白かった。
ナンシーアレンは米製坂口良子だ。
濃厚なデパルマ臭を楽しんだ。
特に美術館からエレベーターに至る序盤。
バーホーベン臭最濃ロボコップとナンシーアレンが共通なのだなあ。
好きだ、米製坂口良子。
デパルマ臭に餓えたらまた再見しよう。
焦ったいデ・パ〜マ
美術館での長い件からタクシーでゴールイン、斬新で今観ても衝撃的なエレベーターのシーン、ナースを脱がせて映画が終わっても逸品、ラストは夢でも緊迫感MAXな潔さ。
欲求不満な熟女、手袋からパンティから指輪まで忘れっ放し、女としての悦びから一変、ショックな事実とショッキングにtheEND。
助っ人は「クリスティーン」で「ゴーストバスターズ」の市長が切り札、とにかくデ・パルマの変態的なエロさが存分に発揮された映像と演出描写に驚かされる。
ヒッチコックが作品では観せない部分を敢えて撮るところが監督の挑戦であったと思います 現代的解釈というべきかもしれません
実質的にヒッチコックのサイコの現代的リメイク
単にシャワールームの惨劇だけのことではありません
不倫の情事から始まって、主人公がバトンタッチする構造が同じです
サイコ犯もひねってあるが、根本的には同じと言えます
カツラと衣装のオマージュもしっかりとあります
外面と内面が違う
これは序盤の美術館からしてそうでした
外側はメトロポリタン美術館、しかし内部はフィラデルフィア美術館です
殺しのドレスという題名はこれを意味しています
それをデ・パルマ監督らしい映像で撮ってあります
ヒッチコックが作品では観せない部分を敢えて撮るところが監督の挑戦であったと思います
現代的解釈というべきかもしれません
ラストシーンの二度目のシャワールームの惨劇は夢落ちかい!となりますが、考えてみればあの男の子はまだ高校生1年か2年位、つまり16歳か17歳
これ淫行です
未成年者と娼婦の情事です
40年も前のことですからかなりモラル的にヤバいシーンです
正常とされる側の人間のモラル崩壊の方が恐ろしいことなのではないのか?
これを異常と思わない方が恐ろしいことではないのか?
現代ではこのようなモラル崩壊がどんどん広まっている
外面と内面が違う
殺しのドレスをまとっているのは我々普通の人間かも知れない
その問題意識の提示だったのだと思います
それが監督のメッセージです
21世紀の現代においては、もはやどこが問題なのか気づくのも難しくなっているかも知れません
なにしろコミケに行けばショタの薄い本を普通の女性が描いて自ら売って、それを普通の女性が争って買い求める時代なのですから
デ・パルマ
男との情事。シャワーを浴びるシーン。ピンク色の綺麗なバストトップ。すると男が後ろからって、また『サイコ』なのか・・・デ・パルマさん。
夫とのセックスに満足できなかったケイトは美術館で行きずりの男のマンションへ向かう。なんとタクシーの中でもう始めちゃってた。困るんだよね・・・昼間から。情事が終わり、男とは1回こっきりだと思いつつ、彼の診断書を見てしまうケイト。そこには性病アリと・・・
エレベーターでの殺害はカミソリによるもの。これがまた痛々しくてゾッとする。鏡に映っていたのは背の高い金髪女だったが、観客にとっては男が女装したものだとすぐにわかる。そしてハリー・ポッター似のピーターがエリオット医師(ケイン)のクリニックで調べた結果でエリオットだろうと予想がついてしまうのだ。タクシーや地下鉄でのサスペンスはあるけど、全体的に小粒な仕上がり。女刑事も尾行してたのはわかんないけど・・・
デ・パルマの最高傑作!
My Favorite Movie「殺しのドレス」が遂にBlu-ray化。
4Kレストア版で。
公開時にカット修正された映像がレストアされているが、特典映像で修復前後比較があって面白い。
感涙ものだ。
特典映像のインタビューは2012年のものだが、キース・ゴードンの老け方にはビックリ。
私の一つ歳上。
彼は、これはフェミニスト映画なのにそれが理解されなかった、と残念がっていた。
何度も何度もこの映画は観たけれど、やっぱり素晴らしい。
美術館のシーンはデ・パルマの仕事の中で最も多くの賛辞を得たのではないだろうか。
しかし一方で、冒頭のボディダブルによるシャワーシーンやエレベーターでの惨殺シーンは批判すら受けている。
ヒッチコックの下品な模倣というわけだ。
ヒッチコキアンから批判されるのは、女性に対するサディスティックな 描写と直接的なエロティシズムからだろう。
「サイコ」のシャワー室での惨殺シーンと、本作のエレベーターでの惨殺シーンが比較されることがあるが、
ヒッチコックの、刃物を振り下ろす殺人者と悲鳴をあげる被害者を細かいカット繋ぎで見せ、排水口に吸い込まれていく血と殺された女性の眼のクローズアップで惨劇を観客に伝える表現は、実に素晴らしい。
一方デ・パルマは、被害者の手や首をカミソリで切り裂き、血にまみれた女が力なく助けを求めて手を伸ばすところを真正面から捉えるなど、ストレートに残酷だ。
ヒッチコックのような上品さは、確かにない。
が、これはヒッチコックがやらないから敢えてやっているとも思える。
しかも、見せ所は惨殺の瞬間ではなく、ナンシー・アレンが血まみれのアンジー・ディキンソンを発見してからのカットだ。
アレンへのズーム、ディキンソンへのズーム、アレンの目に射すカミソリの反射光、凸面鏡に写る犯人と被害者と目撃者の位置関係、これらのカットをスローモーションで見せ、最後に犯人が落としたカミソリを閉まりかけた扉の隙間から素早く拾うところを通常スピードに戻して見せる。
この物語の最も重要で、且つディキンソンからアレンに主人公が交代することを示す瞬間の、見事な演出。
こんな撮り方をヒッチコックはしない。
女性の描き方においては、ヒッチコックとは対局にある。
ヒッチコックが撮るヒロインは、紗の向こうにあって、あくまでも美しく清楚。
逆にヒロイン以外の女性を引き立て役にしてしまう冷徹さもある。
(ヒロインにだけ紗をかけるのは、この時代あたりまえの手法ではあったが)
対するデ・パルマの女性はとことんセクシー。
本作のアンジー・ディキンソンもナンシー・アレンもそうだが、無惨に絞め殺される精神病院の看護婦まで、セクシーだ。
そのセックスアピールの描写はストレートで、奥ゆかしさはない。
ヒッチコックもデ・パルマも女性好きなことは同じだが、つまりデ・パルマは「スケベ」なのだ。
正直、ここがデ・パルマに心酔する要素のひとつだったりもする。
この映画は、デ・パルマのオリジナルストーリーの中では、最も説得力があって筋が通っている。
それまでの作品で試してきたテクニックの集大成的な位置付けにもなっていて、ひとつの到達点と言って良いと思う。
そして何より、当時の妻君であったナンシー・アレンの魅力が突出していて、次作「ミッドナイト・クロス」と本作の二本が彼女の最高作だ。
映像だけで魅せるエンタメサスペンス
夫人ケイトのシャワーシーンで始まり、娼婦リズのシャワーシーンで終わる。エレベーターのボビーによるカミソリでケイト殺害、手を切りつける痛さ満点のシーン。精神分析医エリオットとリズの2画面のデパルマカット。エリオット=性倒錯者ボビーの犯行。機械、犯罪オタクの息子ピーターが盗聴やら撮影装置の開発など犯人捜索にリズと手を組み活躍。
夫婦生活に不安を持つケイトの不貞にまつわる話かと思いきや、殺されたケイトの第一発見者のリズが犯人に間違われたことから真犯人を探す話になっていく面白さ。
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