V フォー・ヴェンデッタのレビュー・感想・評価
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未来を予見し、現代に警鐘を鳴らす〜時折必要な映画
2006年公開、英米独3カ国合作。
【監督】:ジェームズ・マクティーグ
【脚本】:ラナ・ウォシャウスキー、リリー・ウォシャウスキー
【原作】:アラン・ムーアとデヴィッド・ロイドによるコミック『Vフォー・ヴェンデッタ』
主な配役
【イヴィー・ハモンド】: ナタリー・ポートマン
【V】:ヒューゴ・ウィーヴィング
【エリック・フィンチ警視】: スティーヴン・レイ
【ゴードン・ディートリッヒ】: スティーヴン・フライ
【アダム・サトラー議長】: ジョン・ハート
1.作品の設定自体は有りがちなものだが。
◆第三次世界大戦
◆未知のウィルスの拡散(作中で、人為的な操作であったことが露見する)
◆混乱に乗じた独裁者の出現
◆体制維持のための圧政
ここに文句を言いだしたら、
観るべきSF作品がなくなってしまう。
2.俳優たちの熱演と音楽
革命のシンボル「V」は、全編マスク姿だ。
イーヴィを演じたナタリー・ポートマンと、
フィンチ警視役のスティーブン・レイの比重が大きい。
おそらくだが、
製作費はあまりかけられない中で、
俳優たちの熱演と、劇中に挿入された音楽によって、
緊迫感を出している。
3.まとめ
この種の映画は、なくしてはならない。
反体制、疑問に思う心、反骨心、
飼いならされた猫になるなよ、ってことですよね?
良作だと思う。☆3.5
復讐
肉体ではなく理念
過去に、レンタルで観ました💿
ナタリー演じるイヴィーが、スキンヘッドにされたり拷問されたり、散々な目にあいますが…😥
実はそれはVが仕組んでいて、明るみになったとき、彼女はVの元を去ります。
1年後、Vが革命を予告した日が近くなったとき、彼女は再びVの元を訪れます。
確か、ダンスをしてましたよね。
どことなく悲しかったような。
Vは革命の為に命を落としますが、ある意味救いのある結末だったと思います。
表情を見せないままVを演じきったヒューゴ・ウィーヴィングと、ナタリーの役者魂に感服しました🫡
理念は死なない
近未来を予見した作品?
「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が製作・脚本を手がけただけあっての作品。陰謀論に明るく、ニューワールド・オーダーのグレート・リセットを意識したかの作品。国家を思うが儘にするためには、国民を恐怖のどん底に陥れ、従順になるように統制を強めれば、権力者の権力と富は増大するという現在の国際社会を予見したかの作品。バイオテロ、戦争、内乱、分断を通して、気が付いたら身動きが取れなくなっているという現実を、仮面の男をヒーローにし、彼に感化されていく一人の女性と国民を描いていた。ウォシャウスキー兄弟の思考は、一貫している。真の自由と正義を目指し、男性性と女性性の統合を理想とする。
国民が本当の意味で覚醒し、立ち上がらなければ、その支配体制は変わらない。何かおかしいと感じていることに、疑問を向け、調べ、行動しなければ。そんな強いメッセージを感じた。マトリックスが、あまりにも譬え話になっていたので、より分かり易く、直接的に描こうとしたのであろう。
お気に入り映画のひとつ。
V様のかっこよさは圧巻。
何もかもが素晴らしく、自分史上、心の映画ベスト10の1位から揺るがない作品。
形は違えど、抑圧された暮らしに身を置いたことのある人なら、Vとイーヴィーの、また作品中に出てくる人たちの自由を渇望する、その炎が胸に刺さるはずと思う。
何度見たかわからない。そして何度見ても胸を打たれる。
セリフもアクションシーンもかっこよさに痺れまくりで、さすがウォシャウスキー姉妹監督とうなるばかり。しかしながら、わかる人とわからない人がいるらしくて、そこが少し悲しい。
真の自由とは何か。Vの怒りの根源は何か。10年もかけてたったひとりで戦いの準備を整えてきたVの執念と理念の真っ直ぐさとかっこよさ。
今、2023年。今の日本もまるで独裁国家のよう。Vのようなダークヒーローがいてくれたら・・・などと思ってしまう。また見ようかな。
独裁政権に立ち向かうヒーロー
・映像がとてもきれい。
・Vが誰なのか、何者なのかの謎解き要素
・Vの革命が成功するのかへのハラハラ
現実的かどうかはさておき、世の中の悪に対して立ち向かう理念や概念を描いた作品。
【自国ファースト及び全体主義が蔓延る現代でも十二分に伝わるメッセージを包含したアンチ独裁国家映画のエンタメ大作。400年経っても揺るぎない”V"の尊き”理念”が心に沁みる作品でもある。】
■独裁国家と化し、言論や思想が厳しく統制された近未来のイギリスが舞台。
外出禁止時間を破ったために秘密警察に拘束されかけた女性イヴィー(ナタリー・ポートマン:坊主頭になっての熱演である。)は、Vというマスク姿の男に助けられる。
独裁国家になってしまったイギリスを転覆しようとテロ活動を繰り返す彼に感化され、イヴィーも立ち上がるが…。
◆感想<Caution! 内容に思いっきり触れています。>
・ウォシャウスキー兄弟(後、姉妹)による脚本が秀逸である事は知ってはいたが、ここまで現代社会の行く末を見越した作品であるとは・・。脱帽である。
・1600年代、イギリスに実在した腐敗した国家を転覆させ、革命を起こそうとした英国では今やヒーローである”ガイ・フォークス”をキーとしながら、第三次世界大戦後の、独裁国家になってしまったイギリスを支配する愚かしきサトラー議長の姿を絡めながら物語は進む。
フェイクニュースしか流さない、国営放送。現代の幾つかの独裁国家と全く同じである。
ー 容易に想像が付くサトラー=ヒトラー。そして、絶対的権限を持つ彼の下で”甘い汁”をすすっていた政府の幹部たち。ついでに、現代ロシアを統べる愚かしき男を追加すべきであろう。-
・そこに、地獄から蘇った”V”が現れる。彼はサトラーに諂い甘い汁を啜っている政府幹部や、且つて自分を含めたウイルス実験に関わった者たちに、”血の報復”をしていく。
ー 政府により、人口増加を抑制するために、秘密裏に意図的にウィルスの実験が行われた中で、奇跡的に生き延びた男”V"。
劇中描かれる、ウィルス実験により死んだ人々を穴に放り込むシーンは、正にアウシュビッツそのものである。-
・両親を反社会的存在とみなされ、独裁国家に虐殺されたイヴィーが、煩悶しつつも徐々に”V"の思想に傾倒していく様。
ー それは、”V"が意図したものであったが、彼女が獄中で読んだ、同性愛者であるという理由だけで獄死した女優ヴァレリーの手記。
今作は、様々なマイノリティーたちへの思いを込めた作品でもある。-
<ラスト、”V"と同じ仮面を付けた多数の市民たちが、国会議事堂に集い、”V"が決死の思いで仕掛けた地下鉄爆薬により、旧弊の象徴であった、議事堂は崩れ落ちる。
今作は、娯楽大作としても一級品であり、且つ真の自由や正義を深く重く追及した、メッセージ性溢れる作品なのでもある。
ナタリー・ポートマンの熱演も含め、見事の一言である。>
面白かった!
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