ザ・コア : 特集
パニック映画の定番、「人類滅亡映画」の傾向と対策
(編集部)
「妖星ゴラス」(62年)
●傾向:地球の6000倍の質量を持つ(でも直径は地球より小さいらしい)遊星ゴラスが接近。地球衝突の危機迫る!
●対策:海水から取り出した重水素を燃料とした核融合ロケットで地球自体を動かし、よける。
●解説:本多猪四郎監督、円谷英二特撮による壮大なスペクタクル。南極にロケットつけて地球を動かし、こっちがよけるという東洋的発想がすごい。スケールも最大規模。日本SFの記念碑。
「さよならジュピター」(84年)
【DVD】¥7800(税抜)/発売:パイオニアLDC
●傾向:西暦2125年。地球に接近するブラックホールがあることが判明する……。残された時間はわずか。
●対策:木星を爆破し、ブラックホールの軌道を変えること。かくして、木星を守らんとするジュピター教団と地球政府の熾烈な戦いが始まる。
●解説:小松左京原作、日本映画界が総力を結集。「ゴラス」とちがい、なんと木星を破壊しちゃうという乱暴な危機回避。無重力セックスのほうが話題になった、ある意味和製SFの息の根を止めた作品。
知恵と勇気と荒唐無稽。「マジかよ?」「あり得ない!」なんて思いつつ、ついつい観ちゃう人類滅亡映画。かつて恐竜が絶滅したように、人類だっていつか絶滅するかも知れない。だとしたら、それはどんな風に訪れるのか? 究極の恐い物見たさと言えなくもない。世界の終わりを擬似体験させることは、エンターテインメントに課せられた永遠の使命なのである。
そして、「ザ・コア」だ。「地球の核<コア>停止。人類は、1年以内に滅亡する。残された唯一の方法は地下1800マイルに潜ることだった……」。1年以内なんていわれると「宇宙戦艦ヤマト」を思い出す方もいるだろう。分かっちゃいるけどやめられない、そんな人類滅亡映画がまたやってくる。さてさて、地球の運命やいかに? え、ザイオンの運命の方が気になる? その話は別の機会に。