シリアナのレビュー・感想・評価
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娯楽じゃないけど面白かった
ハリウッド独身貴族で、とにかく女性からモテモテらしいジョージ・クルーニー。たしかに作品選びのセンスからして、毎度というか、この人の作品を見るごとにほんとかっこいい人だと思います。その作品のすべてが面白い訳ではないのですが、なんというか、この人には一貫しつつも柔軟な哲学を感じるんですね。同じ男として憧れます。
本作は、石油をめぐっての中東とアメリカの政治的駆け引きがジャーナリスティック視点で描かれています。情報工作、暗殺、交渉、駆け引きなど、外交の世界で実際にあるであろう要素がふんだんに詰め込まれ、結果だけがすべての世界で生きる人々がドライタッチで描かれている。
アメリカという超現実主義国家が、ラストで下す矛盾を突き抜けた決断が実に恐ろしい。でも、政治ってこういうものなんだろうなと思いました。並みの神経じゃ政治の世界では生きていけません。「普通」から見放された人々を理解しようとしてみるには、この映画はいいです。単純な政治家批判の映画ではありませんし、日本の民放ニュース(とくにあの番組)を見るよりよっぽど健全だし、勉強になります。
ただし、あまりにもストイックかつドライな展開なので、観る人を選ぶ映画ではありますね。典型的な娯楽じゃないけど、仕事に情熱もやす人には一級の娯楽であります。問題のラストに、わたくしの胸には実に冷ややかで、ちょっと危険な爽快感がありました。
社会派映画!アメリカって・・・って感じ
難解。
2006年アカデミー最優秀助演男優賞受賞(ジョージ・クルーニー)、ゴールデン・グローブ賞最優秀助演男優賞受賞(ジョージ・クルーニー)受賞作品。元CIA諜報工作員ロバート・ベアの著書「CIAは何をしていた?」を下に作られた。ベアは、CIAの中東地域による作戦本部の幹部を務めており、その頃の経験を著書に描いている。
CIA、石油産業、産油国の王族達・・・、様々な要素が複雑に絡み合い、それらは全てアメリカの利益に繋がるように導かれています。言って見れば、『汚い』話です。設定は911以降であるが、911以降の世界情勢を踏まえると、非常に興味深い内容になっています。
映画自体は、特に大きな物語があるわけでもなく、上記の様な様々な要素が絡み合って複雑な様相を呈しながら、結末に向かって集約していきます。ああ言う結末とはね。
ジョージ・クルーニーは、役作りのため約13.5Kgほど体重を増量し、中年を迎えたケースオフィサーを演じている。でもねぇ、カッコいいんだよねぇ、やっぱり。
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