「スターウォーズシリーズ究極の作品 哲学まで考えて」スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐 トーレスさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スターウォーズシリーズ究極の作品 哲学まで考えて

2011年7月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

知的

大体シリーズものは初期がいいと最後の作品は期待しすぎて期待ハズレというのがよくあるが、このシリーズは全くの逆で圧倒的に3がよかった。なぜなら色々な部分で考えさせられ興奮する内容だからである。真面目に修業し自分を曲げずに過ごし平和を維持できているマスター達に対し、自分の能力を過信して真面目な態度をとらないアナキンは悪に落ちぶれる。そして4 5 6でダース・ベイダーの能力を過信しルークに滅ぼされる。これはプラトンのイデア説 無知の知と全く同じである。
そしてアナキンの優しくて弱い心が自分を陥れるはめになる。そんなアナキンは戦闘能力が高いが故に混乱の世に銀河系が変化していく流れがよくわかる内容。そして旧3部作でのダースベイダーは実はこういう思いを秘めていた(当初、暗黒面に入ったきっかけは愛するパドメを死から救いだすためだったが、結局自分がパドメを殺すはめになってしまう。そうなると暗黒面に寝返る、ダースベイダーでいる意義がなくなってしまう事を自分でもわかっていながら帝国をシディアスと共に作り上げていく。)、などがわかる。
最後の40分間のアクションも今までとは違って明らかに迫力が増していた。これまでのアクション(特にエピソード6)はあまり激しくなく、長い時間やっているシーンは少し眠たくなってしまう感覚に襲われたが、3のラストシーンは固まりながら凝視してしまい鳥肌がずっと立っていて、まるで5分くらいのようにすぐ終わった感じがした。後からわかったことだが、アクションシーンは3になってスピルバーグが監督をしていたらしく、妙に納得できた。
そして極めつけは最後のアナキンとパドメの順々に変わるカメラワーク。真っ白な背景に真っ白な服を来て将来世の中を平和に変える期待の子供を産む共和国側のパドメ、そして真っ暗闇の背景に真っ黒のダースベイダーのパーツを装着されるこれから帝国を作り上げていく帝国主義側のアナキン。色の対比が見事マッチしていた。
色々な点で感動するこの映画を見た後しばらく余韻に浸った。

トーレス