「ここから始まった。」スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐 クリッターさんの映画レビュー(感想・評価)
ここから始まった。
まだ中学生だった当時、旧世代だった親父と遠出して観に行ったのをよく覚えてる。初めて洋画を映画館で観たのがこれだった。
初めて映画館で観た洋画がこれでほんとに良かったと思う。
母の死を目の前で味わって以来、最愛の妻の死の予知夢を現実にはさせんとアナキンはダークサイドの誘惑に手を染める。
最も切なく感じたシーンはジェダイ評議会の命令でアナキンは残り、オビ=ワンがグリーバス将軍討伐に向かう際に交わした「ジェダイ」としての最後の会話。
「自分は決して賢い弟子ではなかった。」
傲慢な自分を恥じるアナキンにオビ=ワンは
「お前は強くて賢い。私の自慢の弟子さ。」と優しい言葉を投げ、戦地に赴く。
この後の展開を考えると何気なく切ないシーンに仕上がっているのが感じ取れた。
もう1つはアナキンがムスタファーに赴き、分離主義者達を皆殺しにした後、ムスタファーの風景を涙を流しながら静かに見つめるあの姿。
いけないと分かっていながらもかつての同胞達を皆殺しにし、ダークサイドに手を染めた自分に「もうやるしかないんだ。後戻りは出来ないんだ」と悟る、決意と後悔の涙に胸がいっぱいだった。
その後に続くパドメとの会話、オビ=ワンとの悲しき決闘の後にオビ=ワンがいい放った台詞に何度観ても涙が止まらない。
二人共アナキンを愛していたんだ。
ヨーダとパルパティーンの頂上決戦は短めだが何度観ても最高に燃え上がる。
物語自体はどうしようもなく暗い。暗いのに心が洗われる気持ちになる。それはなぜか。
「新たなる希望」を示すタトゥイーンの二つ星が最後に現れたからだ。
こんな最高のラストシーン、他にないと個人的には思ってる。
劇場を出た後、最初の作品をリアルタイムで観ていた親父がニコッとしながら「最初のスター・ウォーズに続くんだよ。」と言ったのを今でもはっきり覚えている。
それから何度も何度も全6作を繰り返し観た。ほんとに凄い映画だと観る度に思った。
気づけばすっかりこの映画の虜になってた自分がいて不思議な感覚にもなったりしたけど、
ファンになるきっかけを与えてくれたこのエピソード3と、人生の伴侶をかけてシリーズを作り上げた偉大なジョージ・ルーカスに感謝と敬意を表したい。