「後半のアクションシーンの内容がおかしい。 スーパーマンの魅力はその...」スーパーマン リターンズ なしのてさんの映画レビュー(感想・評価)
後半のアクションシーンの内容がおかしい。 スーパーマンの魅力はその...
後半のアクションシーンの内容がおかしい。
スーパーマンの魅力はそのパワーだ。
そしてその対戦を大きく分けると、やり返してこない無機物と
やり返してくる対人(ロボ・怪人含む)がある。
その点では前半の飛行機のシーンは無機物への無双を見せてくれて
非常に楽しい。
ところが、後半の一番の見せ場の「大地持ち上げ」は前半と丸かぶりの
ネタの上、誰も困ってないので内容的にスケールダウンさえしている。
反撃はクリプトナイトやそれによる体調不良だし。
これが一番の見せ場と言われると困ってしまう。
しかも、その後はダラダラと病院のシーンが続いて、何の映画見てるんだか
分からなくなる有様。トドメにルーサーは完全に放置。
一作目はクリプトナイトでやられた後にミサイルとの追っかけっこ
人々の救出、地割れ修復、線路修復の見せ場の後にロイスの死があり
そこで更に盛り上がった後、時間逆行という最大のカタルシスに
至っている。
アクション内容はバラエティに富み、そしてどんどん気分が上がりその内容はスーパーマンの能力を見せてくれており
「スーパーマンを観たのだ」という気分にさせてくれる。
もちろん、ルーサーへのオチもついている。
リターンズの場合、この部分がそっくり
「海から助けられるスーパーマン、地面持ち上げるだけ、病院、ルーサー孤島へ」
に入れ替わっている。
これで盛り上がるわけがない。
リターンズが1へのオマージュが強いのは知られたことだが、こと
この後半のシークエンスに限ってはその流れではない。
だから、もしオマージュを続けるとなれば次のような展開が良いと思う。
クリプトナイトにやられつつも何とか脱出したスーパーマンは(あの犬女が
飛び込んで助けるパターンだろう)何とか脱出した後に街に行き人々を
救出し、大地を修復した後にロイスと息子が(あの男はいらないだろう)
何らかの形でルーサーに捕まり、スーパーマンがそこに乗り込み
ルーサーと戦いながら(クリプトンの科学技術あるんだから、クリスタルの
怪物くらい作れるだろう)あの大地は空中に持ち上がり、ロイスは
落ちそうになって子供が何らかの力を示し助かる。
そして、ロイスと子供が落ちていくところをルーサーを
倒したスーパーマンが助け大地は破壊、大爆発を逃れて脱出の三人。
そして船の残骸の中の簡易牢屋にルーサーが閉じ込められそのまま
刑務所に置き去りにされる。もちろん、スーパーマンは
「次の裁判には必ず出ます」とコメントして引き渡す。
そして、ロイスと子供と一緒に空を飛んで帰っていく。
まぁ、例の男の所に帰るかどうかまでは描写しなくてもいいだろう。
そして、エンディングフライト。
1のオマージュならこんな感じが基本路線だと思う。
だからこそ、どうしてああなったのか全くわからない。
予算的に尽きたのではないかという疑問すらある。