「あえて言うなら「ピーター、しっかりしなさい」」スパイダーマン3 Kadwaky悠さんの映画レビュー(感想・評価)
あえて言うなら「ピーター、しっかりしなさい」
アメリカ人には比較的ウケがよかったようだが、
ぼく的には期待度が高すぎたのと、
求めていたものが違ったため
評価的にはいまひとつだった。
たぶんエンターテインメント作品としたらよくできてると思う。
あれだけの複雑な内容をよくひとつの脚本にまとめたものだと思うが、
ややこじつけ的にも取れてしまうのが難である。
今回の「3」が「1」「2」と違っていたのは、そこに非常に
濃いテーマを持ってきたからである。ストーリーは非常に重たく、
軽快さはなくなってしまっている。
それなのに、非常にコミカルな表現もあり、
逆にシニカルに見えてしまう。
総評としては、
「バッドマン&ロビンを彷彿とさせる重厚なエンターテインメント」
「スターウォーズを彷彿とさせるダークサイドに葛藤するスパイダーマンの物語」
「ゴーストを彷彿とさせるサンドマンとスパイダーマンの赦しの物語」
「キリスト教の贖罪をテーマとした濃密なアメリカ神学の映画」
「アメリカンヒーローの真の存在証明」
「ピーター、しっかりしなさい」
ぐらいに留めておくとしよう。だんだんわかんなくなってきたんで…
ただぼくの嫌いなシーンもある。
例えば、スパイダーマンとグウェンのキスシーン。
これはストーリー上必要だとしても、ピーターやっちゃいかんだろ、って感じ。
ダークスーツ着てないのにこれじゃダメダメくんですよね。
それから、エディの最期。
あれはなぜなのか今でも疑問。殺す必要が本当にあったのか、よくわからない。
でも名シーンもいっぱいある。
だから、エンターテインメントとしてはちゃんと仕上がっているA級作品と言えるだろう。
ただ、前回、前々回にも増してVFXシーンのカメラワークが細かく複雑になっており、
ある意味ジェットコースタームービーと化している。
スクリーンを直視し続けたら酔う人もいるんじゃないかな