「トビー・マグワイア×サム・ライミの真骨頂…!!!」スパイダーマン3 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
トビー・マグワイア×サム・ライミの真骨頂…!!!
さて、このメンタルボロボロシリーズ映画もついにラストの3作目だ。
前作の1,2のレビューを読んでない方は先に是非。
前作で遂にピーターとMJが交際を開始し、MJは正体を知り、それでも近くにいる事を決める。
映画のスタートは、このシリーズにはかなり珍しく、明るい展開から始まる。
スパイダーマンは市民に愛されまくり、MJの舞台も見に行ける余裕も。大学だって成績優秀。こんなに上手くやれるなら2でどうして出来んかったんや笑
そんなことはともかく、ピーターは絶好調。
今までに1番有頂天である。
だが、ピーターの正体を知るもう1人の友人ハリーは、復讐の炎に燃えている。
さて、場面は変わり、とある脱獄囚マルコのお話。
彼は娘の病気を治す為に、強盗を繰り返し、なんと殺人まで犯してしまったらしい。
警察の目を潜り抜け、娘の顔を見るその表情は、心が苦しくなる。
妻には手紙すら受け取り拒否されており、犯罪者なんてー!って感じ。まぁそりゃそうだ。
それでも、普通に稼いでいてはきっと娘の病気を治せないのだろうし、どんな事をしてでも愛する人を守りたいという気持ちは、スパイダーマンとそんなに大差は無いのかなと思う。
マルコは警察に追われ、逃亡中に化学実験施設に落ちてしまい、サンドマンとなる。
体が砂になり立てない歩けない、そんな中娘から貰ったペンダントを見て、自らを奮い立たせ、立ち上がる。
やり方は良くないのかもしれないが、その姿は自分にはカッコよく見えた。
一方、ピーターとMJはラブラブ。
その陰から暗雲が立ち込めていることも知らず。
ピーターはMJにプロポーズする事を決心し、メイおばさんに報告しに行く。
そして、メイは言う。「男は女の人を立てて、どんな時でも力強く支えていける優しさが必要なのよ。出来る?」と。
ピーターはあぁ出来るよと即答する訳だが、これはそんなに簡単な事ではない。彼はそれを後半痛い程わかるようになる。
メイからベンおじさんに貰った指輪を渡される。
重い。半端な気持ちじゃ渡せるようなものでは無い。
帰りしな、ピーターはハリーに襲われる。マジで殺す気だ。
ピーターも、何とか説得しようとするが、全然聞く耳を持たない。
結果ハリーは頭を打ち、都合良く記憶を失ってしまう。
ピーターは複雑ながらも、ほっとしてしまう。
ハリーは見舞いに来たピーターとMJを見て、「親友なんだ。命だってあげてもいい。」と言う。
記憶を失っているので、本心か微妙に見えるかもしれないが、自分としてはあれは間違いなく心の底から本心だと思う。
そんな中、MJの主演舞台は酷評。こういう時の女性は、純粋に共感して欲しくて話すわけなのだが、The有頂天の彼は、「大丈夫大丈夫!心配ないよー」と何もわかってない0点の返しをする。からの事件解決の為にどっか行ってしまう。
こういうすれ違いって、別れる原因になりがち。
結果的にMJは舞台をクビに。辛い。芸能界は残酷だ。
からのピーターはグェンを事故から救い、警察の娘なもんだから表彰される。
表彰式で調子に乗りすぎピーターは、周りに煽られなんとMJの前でキスしてしまう。
最低ですね。
まぁあんだけチヤホヤされちゃったら男は特に調子に乗りますわな。
だが、サンドマン襲来。
スパイダーマンは倒しに向かうが、こいつが強いんだまた。
スパイダーマンは結構してやられる。
そんな中、ベンおじさんを殺害した男がピーターが殺した奴ではないことを知る。
しかもその相手はあのサンドマン。
復讐心が滾る。それは、ある意味隙とも言えるだろう。
シンビオートは、誰の中にもある人間の邪悪な部分につけ込み、利用する。
ピーターの陰にずっと潜んでいたその「悪」が、遂に彼の体を蝕み、「ブラックスパイダーマン」が誕生する。
めちゃくちゃカッコいいよなぁ。
本当にカッコいいし、こういうヒーローや主人公の心の中にあるヴィランが引き出される展開は、自分の性癖ぶっささりである。
復讐の虜になったピーターは、MJの心配なんて気にもかけず、サンドマンを殺す事しか頭になくなる。
遂にブラックスパイダーマンVSサンドマン。
ブラックスパイダーマンの魅力は、その冷酷さにある。
復讐心がそれに油を注ぎ、サンドマンを殺した後、彼はざまぁみろとニヤつく。
その自分の変わり様に自分でもびっくりしてしまう。
メイおばさんに、サンドマンが死んだ(実際には死んではない)事を報告。
勿論彼女は驚き、喜びもしない。
復讐を果たしてスッキリしていたはずが、メイおばさんにそれは寄生虫のようなもので、危険だと言われ、その心は恐ろしいものだったということに気付く。
そして遂にMJにプロポーズ。
フランス料理店でフランス人ウェイターと意気投合し、プロポーズ大作戦はバッチリ。
ただ、MJはそれどころでもない所だけが唯一の欠点。
おまけにキスしたグェンまで出くわし、雰囲気は最悪。
MJは出ていき、最悪の空気で用意していた彼女の初主演舞台の曲がバイオリンで生演奏。
最初の良い雰囲気が嘘のよう。まぁこのシリーズはこうでなきゃ。笑
傷心のMJはジャズバーでウェイトレスをすることに。
もうボロボロなので、ピーターなんかではなく友人として支えてくれていたハリーに連絡。良い雰囲気に。
うっかりキスして気まずくなる。
そんな中、ハリーは記憶を取り戻してしまう。
そしてゴブリンのやり方である「相手の肉体ではなく心を攻撃する」事を実行する。
ハリーはMJを襲い、ピーターを守りたいなら振れと脅す。
あんな事があった後だから、ピーターはガチ凹み。
そこに追い討ちとして、ハリーは自分がMJを奪ったのだと告白。
ピーターは怒り心頭。
恐ろしくて封印していたブラックスパイダーマンのスーツを取り出し、また復讐の権化となりハリーと2度目のバトル。
今度は前回と違い、お互いがお互いを憎み、殺す気だ。
ブラックスパイダーマンはゴブリンJrをボコボコにして、投げられた爆弾を返して大勝利。
そこからブラックスパイダーマンに身を包んだブラックピーターが誕生。
めっちゃめちゃカッコいい。1や2とのトビー・マグワイアのピーターとは最早別人。
彼の演技力には脱帽だし、これぞトビー・マグワイア×サム・ライミの真骨頂だなと感じる。
彼の前髪が垂れている時は、黒ピーター。視覚的にもわかりやすく見せてくるのは、より作品を面白くしている。
コナーズ博士からシンビオートの怖さを電話越しに女の子とイチャイチャしてクッキーを食べながら聞く。
話はズレるがこの子可愛いよなぁ。何ならこの子がヒロインでも良い。
ピーターから仕事を奪い、グェンにプロポーズする為に記事を捏造したエディブロックを摘発し、彼の人生を終わらしたり。まぁこれはエディが悪い。
JJJの秘書とイチャつくシーンも好きなんよなぁ。
街中をカッコつけて歩く姿は、何度か見た時はぷぷっだせえし恥ずかしいwww
なんて思っていたが、見れば見るほどこのクズっぷりに惹き込まれるし、めちゃくちゃカッコよくて魅力的だなと思う。
彼がスーツを身にまとっているのも、通りすがりに女性にアピールするのも、かなり魅力的。
そしてグェンをMJの働くジャズバーに誘い、見せつけていくのもクズクズしまくってていい。
MJの歌を奪い、ジャズピアノを弾きこなし、ダンスで会場を虜にする彼は、本当にクズでカッコいいよなぁ。
グェンとダンスまでして見せつけて、どうだとドヤ顔。
グェンはすぐに気付き謝罪し帰宅。これは普通の反応。
そしてMJにわざわざ話し掛け、挑発し、警備員をぶん殴り店で大暴れ。
とっさにMJも殴ってしまい、やっと我に返る。
MJから「あなた誰?」と聞かれて、「わからない」と答えるピーター。それが本心だよなぁ。自分が最早誰かわからなくなっていた。それがシンビオートの恐怖。
ピーターはその恐ろしさに気付き、教会でシンビオートを引き離そうとする。
運良くシンビオートの弱点である鐘の音(厳密には高音)により、何とか引き離せた。
その下になんとエディがおり、新しいヴィランであるヴェノムが誕生しているとも知らずに。
ピーターは自分のした事を恥じて、メイおばさんに指輪を返す。「僕はMJにプロポーズする資格はない。」と。
そこでこの映画の真のヒロインは、素晴らしい回答をする。
これを読んでいる方々も、誰かに酷い事をしてしまい、自分を責め、嫌になる事があったらこれを思い出して欲しい。
「一番難しい事をしなさい。自分を許すのよ。」
自分はこの言葉がとても心に刺さった。
めちゃくちゃいい言葉だなぁと思う。
そしてヴェノムは、ピーターに復讐する為、サンドマンを煽り、2人でスパイダーマンを倒すことにする。
今シリーズ3回目のMJ誘拐。
それを知りピーターは、ハリーに助けを求める。勿論ハリーは応じなかったが。
その後秘書のバーナードに真実を伝えられ、やっとピーターの言葉を信じられるようになった。遅いよー。信じられない気持ちはわかるけど。
バーナードの「私はあなたのお父上を愛しています。勿論あなたの事も。それはきっと親友である彼も同じなのでは?」という言葉は胸が熱くなった。
スパイダーマンは単身MJを助ける為に罠に飛び込み、案の定ボコボコに。
MJも3度目の落下をしそうになり、絶体絶命。
そこにゴブリンJr登場。ホントに鳥肌!!!!
サンドマンにいつもの爆弾が刺さり、ゴブリンのテーマが流れる。めちゃくちゃカッコいいよなぁ。宿敵が協力するベジータ的展開はほんとに熱い。
親友としてタッグを組み、ナイスコンビネーションでサンドマンを倒していったが、ヴェノムがやはり強い。
何とか倒そうとするも、スパイダーマンはヴェノムに捕らえられ、ゴブリンJrのグライダーに貫かれそうになる。ここでハリーがそれを庇い、父と同じように自らのグライダーで死んでしまう。
怒りのピーター。ヴェノムの弱点に気付き、何とかエディからシンビオートを離し、討伐。
ハリーの死に際は何度見ても泣いてしまう。
ピーターと友達だろ?親友だ。の掛け合いは本当に熱かった。
サンドマンからは事件の真実を伝えられ、許す優しさをやっと身につけられたピーターの成長も見られて良かった。
終わりにてMJと仲直りして、ハリーを失った悲しさを乗り越えていくのだと感じ、切ないながらも応援したくなった。
賛否両論あるシリーズであり今作だったわけだが、個人的にはめちゃくちゃ好きな作品だった。
ブラックスパイダーマンのかっこよさは勿論、長年の宿敵であるゴブリンとの共闘。
三部作のラストに相応しい作品だったと感じる。
長々と書いてきたこのシリーズのレビューも最後だが、2週間後に公開されるスパイダーマンシリーズの最新作であるノーウェイホームの為に見返した。本当に楽しみだ。
これを読んでる方々は同じように楽しみにしているか、もう見た後なのかはわからないが、個人的にはこのシリーズのヴィランだけではなく、他のキャラクターも共演する事を心待ちにしている。
最新作の中身がどうであれ、この素晴らしいシリーズのヴィランが出てくれる事を心から喜んでいる。
以上、長文失礼致しました。
最後に、NWHめちゃくちゃ楽しみ!!!