劇場公開日 2007年5月1日

スパイダーマン3 : インタビュー

2007年5月1日更新

続いて、ピーターの伯父ベンを殺害したとされるフリント・マルコに扮したトーマス・ヘイデン・チャーチのインタビューをお届け。ふとした偶然から力を手にし、サンドマンへと変貌する過程は、グリーンゴブリンやドック・オクに通じるものがあるが、演じた感想を聞いてみた。(聞き手:佐藤睦雄

トーマス・ヘイデン・チャーチ インタビュー 「彼は感情的にはもつれているけれど、とても単純明快な男なんだ」

トーマス・ヘイデン・チャーチ トーマス・ヘイデン・チャーチ

――CGによるサンドマンを演じた自分をどう思われました?

「もちろん台本や演技があって、はじめてCGが生きてくると思うんだ。CGという技術が加えられて(僕の演技が)サンドマンになるわけだね。サンドマンについては自分の演技が、(イメージの)ベースになるはずだとは思っていたけど、CGで完璧に出来上がったサンドマンを見て、特に変身シーンのビジュアルのすごさには圧倒されたよ!」

――「自分は根っからの悪人ではなく、運が悪かっただけだ」というセリフが実に印象的で、中年の悲哀を感じました。

「中年の悲哀というよりも、父と娘の関係のほうを重視しているんだ。役づくりの上でサム・ライミ監督や脚本家たちと相当議論した。(フリントを)娘と離れてしまった悲しい心を持つ父親にしようということになったんだ。妻との関係はすでに壊れてしまって修復不可能な状況だけど、残念ながら手放さなければならなくなった娘だけが、彼のことを理解していると思っている。映画の前半で彼は脱獄囚で、追われる身の、孤独な男だ。その娘との関係を象徴するのが、首から下げているロケットの娘の写真なんだ。ピーター・パーカーの育ての親ともいえるベンおじさんの殺害現場に居合わせたことは、たしかに不幸な出来事だ」

フリントは基本的には単純な男 フリントは基本的には単純な男

――悪役を演じるという上で気をつけたことは? また、悪役の魅力は?

「『スパイダーマン』では必ず悪役が登場する。『1』ではウィレム・デフォーのグリーンゴブリン、『2』ではアルフレッド・モリーナのドック・オク。彼らも最初はピーター・パーカーにとって大事な、とてもイイ人なんだけど、何か予期せぬことが起こって、彼らはワルに変身する。フリントもたぶん悪い人ではないと思うんだね。娘を救うため、愛娘の手術代を稼ごうとして強盗をしてしまう。娘を守るという大義はあるものの、言い逃れできない犯罪に手を染めてしまったわけだ。そうした感情を単純に見せてもつまらないので、凶暴性や攻撃性を内に秘めるように演じてみた。また、フリント・マルコは行動や言動的にはとても単純明快な人間だと思う。セリフがインテリ臭いのはどうも似合わない。撮影中のある時点で、サム(・ライミ監督)から『スパイダーマンを“スパイディ”と呼ぶのはどうか?』と提案されたりもしたが、『フリントはそんなふうに彼をニックネームで呼んだりしない!』とキッパリとサムに言ったもんだ(笑)。彼は感情的にはもつれているけれど、とても単純明快な男なんだ」

ピーターにとって重要な人物となる ピーターにとって重要な人物となる

――今回のフリント役で、サム・ライミ監督から求められていたものは何だと思いますか?

「僕がこのプロジェクトに加わったとき、サム・ライミ監督やローラ・ジスキン(製作者、ソニー・ピクチャーズ会長)やアビ・アラド(製作者、マーベル・スタジオ会長)と話し合ったんだよ。そこで、ピーター・パーカーの物語が主流ではあるけれど、フリント・マルコと娘の関係性、ピーターとベンおじさんの関係性というふうに、常にツインで(さまざまな関係性が)複雑に絡み合って1つの筋が通ると解釈したわけだ。ピーター・パーカーとフリント・マルコという2人の人間性がドラマ上で重なり合うときドラマが生まれるんだね。人間性において2人とも、どうしようもない感情を抱えるわけだ。フリントは(感情面で)ピーターと対極にある、とても重要なキャラクターだと思う」

Warning!!!!! 以下の質疑は物語の結末に触れています。映画をご覧になってからお読みください!

伯父の仇を討たんとするピーターだが… 伯父の仇を討たんとするピーターだが…

――ラストのピーター・パーカーが言う「I forgive you.」(おまえを許す)というセリフがとても心に響きますね。スーパーヒーロー、スパイダーマンがワル(ヴィラン)を許す。それはつまり、ピーター個人の復讐が成し遂げられないことを意味します。そのセリフにどういう“含み”があるとお考えですか?

「大変いい質問だ。ピーターにとってベンおじさんは代えがたい大切な人で、それを奪われた悲しみはとても深いものだ。普通の人間で考えてみたとき、大事なモノを奪われたときにはどんな人間でも復讐心が湧く。第2作のハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)とピーターの関係性において、“復讐”が大きなテーマになっていたね。MJ(メリー・ジェーン)とピーターにおいても、恨みとかではないけれど複雑な人間関係があって、エディ・ブロック(トファー・グレース)とピーターとの間には奪(と)った奪(と)られたの関係がある。人は、他人との関係性において何か困難な局面に陥ったとき、“どうやって相手を許すのか”が大きなテーマになってくる。復讐心は誰もが抱いてしまう感情で、それが強くなると、なかなか捨てきれない。ピーターとフリントとの関係性において、ピーターの心の中では、許そうと思う気持ちと、恨みを晴らそうとする気持ちが相互にせめぎ合っている。そのセリフはそうした複雑な感情を示した重要なセリフだね」

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