スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー : インタビュー

2004年11月16日更新

1930年代のニューヨークを舞台にしたSFアクション・アドベンチャー「スカイキャプテン」は、新人監督のケリー・コンランが、俳優以外を全てCGIで描くという独特の手法で生み出た映像が話題になっている。そんな本作で自ら製作も買って出たというジュード・ロウに、小西未来氏がその意気込みを聞いた。

ジュード・ロウ インタビュー

「難しい映画だからこそ、挑戦してみたいと思ったんだ」

小西未来

7月にサンディエゴで開かれたComic-Conで 本作の会見に臨んだジュード・ロウ
7月にサンディエゴで開かれたComic-Conで 本作の会見に臨んだジュード・ロウ

――とにかく独創的な映画ですが、企画を持ち込まれたとき、どのような印象を持ちましたか?

「企画にとてつもない情熱を持った人と出会えたときは、いつだってエキサイティングなんだ。彼らは決して多くを語らないけれど、目を見ればその熱意と自信がわかる。『スカイキャプテン』のときも、ジョン(プロデューサーのジョン・アブネット)は、『この映像を見てくれ』と言っただけで」

――それは、ケリー・コンランが作った短編映画ですね。

「うん。で、そのクリップを見たら、ジョンがものすごい潜在能力を持った監督を抱えていることがわかってね。あんな映像をいったいどうやって作りあげたのか、当時の自分にはまるで見当がつかなかったけど、ぼくは興奮して、『脚本があるなら、ぜひ読ませてよ!』って。で、『スカイキャプテン』の脚本を読ませてもらったら、ケリー・コンランが、映画という芸術形態を完璧に理解しているクリエイターだってことがわかった。SF映画だけれど、素晴らしい人間関係があって、そのキャラクター関係だけを取り出して他のジャンルの映画に当てはめてみても、十分成立するほど素晴らしいものだった。とてつもないほどの想像力がありながら、力強くてファニーなストーリーを作る才能があるんだよ」

――あなたは出演者としてだけでなく、プロデューサーとしても参加していますよね。スカイキャプテン役だけでなく、裏方まで務めることになったのはなぜでしょうか?

「リプリー」以来、2度目の共演となる グウィネス・パルトロウ(左)とジュード・ロウ
「リプリー」以来、2度目の共演となる グウィネス・パルトロウ(左)とジュード・ロウ

「この映画なら、ぼくが貢献できるかもしれないと思えたからなんだ。『スカイキャプテン』は、1930年代の『ロケッティアーズ』や『バック・ロジャース』『フラッシュ・ゴードン』なんかをモデルとしているんだけど、それってまさにぼくが子供のころ好きだった世界なんだ。だからこの映画の企画を聞かされたときも、その世界を一瞬で把握することができた。それに、難しい映画だからこそ、挑戦してみたいと思ったところもある。困難に挑戦するのは、いつでも大好きだからね」

――具体的にはどんなことをしたんですか?

「役割分担をせず、すべてはコラボレーションだったんだ。だから、ぼくがこれをやって、ジョンがあれをやった、なんて簡単に語ることはできないんだよ。それぞれのコネクションを利用して、キャストやスタッフを集めて。ぼくのほうは、グウィネスと一度仕事をしたことがあったし、アンジェリーナとも知り合いだったから、クリエイティブチームの一員として、キャスティング作業に率先して加わった。唯一、ぼく自身の貢献として胸を張れるのは、ブルースクリーン撮影のとき、いろんなアイデアを積極的に出したことかな。ケリーは、それぞれのショットについて明確なビジョンを持っていたんだけど、そこで求められているもの以上のものを提供しようと、さまざまなサジェスチョンをした。より良い映画にするためにね」

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