スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー : 映画評論・批評

2004年11月15日更新

2004年11月27日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

ここまで趣味を現実化できるというのも現代なればこそ

今年続々と現れた<実写/CG>の融合映画は、この一作の前にすべて滅ぶ(「マインド・ゲーム」除く)。モーション・キャプチャーのような動きの不自然さを排しつつ、望む世界を完璧に創造するには、実写さえも徹底的に素材と捉えてアニメートしてしまえばいいのだ。……そんなことは誰でも考えつくって? しかしここまで作りこんだ長編映画は今まで存在したことがなかった。

さらに本作は、「スター・ウォーズ」以来の潮流であるクラシック回帰映画の新しい里程標である。なにしろ現代的であろうとする意志がほとんどない。メカ・デザインは戦前のSFパルプ雑誌そのまま。宮崎駿も「天空の城ラピュタ」で拝借した、フライシャー兄弟版「スーパーマン」のロボットも現れる。全体の色調や構図も40年代フライシャー的(ということはドイツ表現主義と未来派の影響が露骨)。ジュード・ロウは陰のまったくない天真爛漫な二枚目だが、バーバラ・スタンウィック的モダンガールのグウィネスと、アイパッチした女宇宙海賊アンジェリーナ(じゃないんだが、そんな感じ)のあいだでスクリューボールじみた女性上位的台詞の戯れに興じる。過去を愛でてりゃいいってモンでもないが、ここまで趣味を現実化できるというのもやはり現代なればこそ、なのだ。

(ミルクマン斉藤)

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