劇場公開日 2005年10月1日

「髪の毛フサフサのブルース・ウィリス」シン・シティ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0髪の毛フサフサのブルース・ウィリス

2025年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

萌える

 全編モノクロをベースにパートカラーを加えた映画。トレイラーやカンヌレポートなどによって、ヴェールはかなり剥がされていたが、大スクリーンで観るとやはり迫力に圧倒される。原作者でもあるフランク・ミラーとロドリゲスの作品に対する夢と情熱が上手い具合に絡み合って、人気俳優たちも自然と集まってきた。

 本来ならばオムニバスのような構成なのですが、タランティーノも絡んでいるので、『パルプフィクション』のように時系列を無視した三つのエピソードの再構築と、ジョシュ・ハートネットのプロローグとエピローグによって、映画全体を引き締める。共通項はストリップ・バーの“ケイディ”「俺もワルだけど、おめーらもワルよのぉ」とでも言いたげな三人三様の表情がお見事!バーを一旦離れると、シン・シティに潜む“悪”はどこまでいってもなくならない、正義なんて存在しないんだという世界観が胸に突き刺さるように感じてしまう・・・狭心症になっちゃいそうだ。

 俳優に関しては予習をしていかなかったためオープニングのクレジットを見るだけで、覚えきれないほど有名俳優の多さに驚いてしまった。まず、ミッキー・ロークのメイクアップは信じられないほどの迫力。これには、体だけマイケル・クラーク・ダンカンを合成してあるのかと疑ってしまいました。そして、ベニチオ・デル・トロだっていつもと違う雰囲気だし、イライジャ・ウッドにいたっては眼鏡の白さだけが目立っていたし・・・俳優をコミックの世界に溶け込ませている手腕にも魅せられてしまった。男優陣では、ブルース・ウィリスが久しぶりにいい演技をしていたように思う。もう、タラ・ロドコンビとずっと行動を共にすればいいのに・・・

 注目していたのは、もちろん女優陣。殺人兵器ミホ役のデヴォン・青木のアクションとナンシー役のジェシカ・アルバにはもうめろめろ状態です。続編も3作目も作られるようだけど、彼女たちはまた登場するのだろうか。ちょっと楽しみ。

 この映画は好き嫌いがはっきり分かれる映画です。実際、何人か途中退場してました。残虐、グロ、人の死や痛みを全くわからない奴らばかりが登場するのです。暴力をスタイリッシュに描くことなんて許されません。子供には見せたくありません。有名俳優たちが出演していなかったら観なかったかもしれません。だけど、ちょっと好き・・・俳優のおかげ。

【2005年映画館にて】

kossy