シュレック : 特集
「シュレック」の日本公開に合わせて、日本のジャーナリストを〈ドリームワークス〉のアニメ・スタジオに御招待! この、生唾ゴックンの美味しいツアーが実現したのは11月半ばのこと。スピルバーグ大先生に、「シュレック」のプロデューサー、ジェフリー・カッツェンバーグ、フィオナ姫の声を演じたキャメロン・ディアスにもお目もじできるという豪華かつ有意義なツアーであった。(取材・文:森山京子)
ドリームワークス探訪レポート
さて、ビバリーヒルズから車で40分ほどのグレンデールにあるドリームワークス。同時多発テロ以来、ゲストの入館チェックがとても厳しく、ゲート横の建物で全員パスポートをチェックされる。このスタジオは主に2Dアニメの製作をしているところ。広い敷地に2、3階建ての建物がいくつか建っていて、建物と建物の間は、緑と花の庭。錦鯉が泳ぐ小川や噴水、ドリームワークスのタイトルでお馴染みの、三日月に座った少年の形に作られた植え込み(写真)などがあり、会社というよりリゾート・ホテルと言いたい抜群の環境だ。
建物の中で見学したのは、コンピューターによる編集室。職員の机の上や窓枠には、可愛いキャラのフィギュアやグッズが置かれている。その中にはおもちゃ屋で売っていないものも。どこで手に入るのか後で聞かなくてはと心を残しつつ、次の作品、西部に生きる野生の馬の物語「スピリッツ」の初めの部分を見せてもらった。所内の廊下には、製作中のキャラクタのデザイン画がたくさん貼ってある。その中のひとつ、「マダガスカル」が面白そう。ニューヨークのセントラルパークの動物園が閉鎖され、飼われていた動物たちが故郷へ帰る途中、嵐で遭難してマダガスカル島に漂着。文明生活に慣れ切っていた動物たちが、ジャングルでの生き方を学習する物語だ。
特別に準備して見せてもらったのが「シュレック」の小道具や建物のデザイン画とストーリー・ボード。ここで判明したのが、ストーリー・ボードを描いたアーティストが、ジンジャー・クッキーマンの声で出演していたこと。こんな所にも自由な社風が感じられる。
翌日はフォー・シーズンズ・ホテルで記者会見とインタビュー。キャメロンの可愛さに、全員ノックアウトだ。彼女曰く、「この映画から、まず自分を受け入れなくては他の人を愛することはできないというメッセージを感じたわ」「アニメのコツが分かったから次はもっとうまく出来る」とパート2に出演が決まったことも話してくれた。
スピルバーグは、「ドリームワークスは小さい会社だから、何ごとも決断が早い。新入社員が直接僕にアイデアを話に来てもいいし、そのアイデアから映画が作られるまでの過程がとても短いんだ。日本の「リング」をリメイクすることも、すぐ決まった。それから「インデイ・ジョーンズ4」も先週、脚本家と契約した。2年以内に出来るよ」と上機嫌。実は最初彼が考えていた社名は〈バンド・ワゴン〉。誰も賛成せず、ボツになったんだって!