恋人までの距離(ディスタンス)のレビュー・感想・評価
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【”僕の、私の傍に一日だけ居て欲しい・・。本当はもっと長く居たいけれど・・。”パリ行きの列車内で知り合った男女のたった一日の素敵な恋物語。】
ー アメリカ人の若者ジェシーを演じた若きイーサン・ホークとフランス人女性、セリーヌを演じたジュリー・デルビーが、途中下車したウィーンの街で交わす会話がとても良く、二人が相手に惹かれ合って行く姿も、観ていてとても自然で、素敵である。ー
◆感想
・初めて会った、ジェシーとセリーヌ。ジェシーが誘った食堂車で、交わす会話。
ー 普通だったら、初めて会う人と、あんなに意気投合出来ないよね。二人の相性が良い事が一発で分かる、イントロダクションである。ー
・ジェシーが”このままでは、一生後悔する”と、ウィーンで降りた際に、”君も一日だけ付き合わないか?”とセリーヌに声を掛け、彼女は快く応じる。
そして、二人は街を歩きながら、様々な場所に行き、様々な会話を交わす。
ー 恋、死、宗教、結婚観、人生観、神の存在・・・。
重いテーマを、愉しげに話す二人の姿。ー
・観覧車でのキス。夜の公園での抱擁。
ー ”明日には、別れなければいけない”という想いも切ない。
けれど、たった一日だから、相手に自分の本当の想いを伝えることが出来たのではないかな・・。ー
<翌朝、二人がお互いの想いを口にし、半年後に会う約束をして別れるシーンも印象的な、一日限りの素敵な恋物語である。
これは、「ビフォア・サンセット」と「ビフォア・ミッドナイト」も観ないとなあ・・。
リチャード・リンクレイター監督は、今作シリーズを制作した事で、「6才のボクが、大人になるまで」を制作しようと思ったのかな・・。>
序盤、この二人よく喋るなあ、と観ていたら
2人だけの創造物
ユーロ鉄道で出会った男女がウィーンの街中を会話しながら周るっていうだけ。夜明けまでの時間をひたすら話すってそれだけ。それどけなのになんでこんなに余韻を与えてくれるのか。
事件が起きるわけでもない、誰かが死ぬわけでもない、裏切りぎが起こるわけでもない、ただ2人が話しているだけなのに。
「親が放任主義だと子供には反抗心が育たない。逆に過保護でも自律心が育たない。」結局何でもいいけど、1番は夫婦が愛し合っていることなんだろなて。
ただ会話している中にも素敵なシーンが散見してるんだ。この映画では珍しい会話がない試聴室でお互い目線が合わないようにお互いのことを見るシーン。この映画では会話してないところが少ないからより印象的。
また個人的には電話ごっこでお互いの印象を伝えるシーン。真似してみたいね。
人は、生を受けた時から終わりに向かってスタートしている。終わりがあるから、今を大事にしようて思える。今日という日は二度と訪れないことを意識したらもっと貴重な1日になるよね。アバウトタイムでも同じようなこと言ってたな。今という時間を大切にしようって。
最初の口説き方も素敵だったな。
君は未来からタイムトラベラルできた。過去をやり直すために。今結婚している男との生活に不満を抱いている。過去に戻ってあの時の後悔を無くそうと。そんなときに今まで出会ってきた男を思い馳せる。あの時おりてたら、、って。もしつまらなかったらきっと今の男の良さに改めて気づくだろう。もし楽しかったら未来変わってるかもね。何も君にとって悪いことはないよ。
あとは、今という時間は2人の創造物だって。
最後に2人が話していた場所が朝の景色の中で映しだされる。でもそこは、夜に2人がいた頃の景色とはだいぶ違う。もちろん朝と夜の違いもある。けどそれ以上に、あの時間はあの2人がいて、2人の会話があって、醸し出す雰囲気や、音、そんな2人が創り上げている今という創造物なんだって。そんな事を意識したら少し素敵な時間を過ごせるのかしら。
誰かが言ってた。夫婦は大半の時間を会話して過ごす。会話しているだけで、自分が別人に思える人がいるんかな。この2人みたいに。
こんな出会いがあったら…
こんなことが現実で起きたらどんなにロマンチックか…
こんなことは夢見たい。映画だから。と思ってしまうほどにいい…
そして、今の時代では考えられない。携帯があるから、映画でも言っていた何回か連絡して終わり。になっていた。
もしかしたら電車を降りよう、一緒に降りようと誘おう!とさえ思わないかもしれない。
お互いのことをもっと知りたい、自分のことを知ってほしい、
相手の意見や想いもちゃんと聞く。
中身に惹かれるとはこういうことだなと思った。
また好かれるために話しているのではない、というのがいい。お互いにかっこつけてないし、気を使いすぎていないところが理想的。
そしてイーサン・ホークがかっこよかった…でも所々不器用なのか映画でも言っていたように、大人になりきれていないが故なのかぎこちないところがある。
お涙の感動映画ではないけど、こんな出会い、恋がしたい、と夢を見させてくれる映画だと思う。
強いて言えばもっとウィーンの素敵な町並みがわかるようにしてほしかった。
“恋に落ちる”ってこういうこと!予想外の恋に翻弄される若きイーサン・ホークが最高
リチャード・リンクレイター監督が18年間にわたって描いた名3部作の1作目。列車のなかで意気投合した男女がウィーンで途中下車し、夜が明けるまでの14時間を一緒に過ごす様子を描いた会話劇。登場人物はほぼこのカップルだけの会話劇なので、徐々に距離が縮まっていくふたりの胸の高鳴りがダイレクトに伝わり、“恋に落ちる”瞬間を体感できます。
イーサン・ホーク演じるアメリカ人青年ジェシーが、ジュリー・デルピー扮するフランス人女性セリーヌに翻弄される姿がとにかく可愛いです。立ち寄ったレコード店で聴いた曲の歌詞がセクシーで目が泳いでしまったり、甘いセリフで口説こうとしたのに「私にキスしたいの?」とド直球に返されてしまったり。大人になりきる前の、“自分より一枚上手な女の子にときめく男の子”なホークは一見の価値ありです。
新感覚ラブストーリー
失った物が詰まってる
とても良かった。
会話劇、会話だけで90分保たせるって凄い。
何でだろうかと自分なりに考えてみたけど、
然るべき場所で然るべき会話が
されてるからなんだろうか?
たわいも無い会話だけど、意味のある会話の応酬で
聞いててだるくもないし飽きもしなかった。
そして2人の距離感に初々しさを感じて、
この映画の空気感や恋愛の仕方、好きな人との会話
全て僕は失ってしまったんだなぁと思った。
そのもう戻らない感覚と、
14時間後には別れないといけない2人の
今という時間がリンクして
とても貴重でかけがえのない体験のように思えました。
このまま別れて思い出の中で綺麗なままいる選択も
切なくて良かったけど、まぁ若い2人だからこの結末も
ありかなと思う。
特に良かったのはレコード店の試聴室での2人の視線の動きで2人の気持ちと距離感を表す演出がとても良かった。
会話だけで成り立つ美しい映画
恋する気持ちを思い出す映画。
人の心に神様がいるんじゃなくて
人と人との間に神様がいる。という言葉が印象的だった。人生は人との関わりの中で何かが生まれるもので、ひとりで出来ることってあまり無いような気がする。
初めて会った人なのに
言葉で表せないなにかを感じたり
もっとこの人と話したいなと思う時ってあるなぁ。
小さい頃の話や
自分は何が好きで何が嫌いか
自分の価値観の話をするとき
鬱陶しがらずに聞いたり
面倒臭がらずに話したり
それをお互いに出来る関係って素晴らしいなと思う。
自分のことをもっともっと知って欲しい。
もっと深く相手のことを知りたい。と思うのが
恋の始まりまりなんだと、今さらながら気づいた。
電車を降りるとき
後で後悔するよりかは、
振られても良いから誘おう。と決断したことや
お互いの負担になることは分かっていても
また会うための約束をしてしまうこと。
そのシーンを見た時、自分と重なった。
自分は真逆のことをしてきたから。
気になっているけど、
これから先もう会うことも無いはずだから
あんまり仲良くするのはやめよう。とか
こんなこと言ったら変だと思われそうだから
やめておこう。とか、
誘われた時もこの人の事は気になるけど
この行為は誠実では無いからやめておこうとか。
まだ決まってないことを
勝手に頭の中で決めつけて
数々の出会いを棒に振ってしまった。
ひとりの人に強烈な興味を持つこと自体が、
人生の中でそんなに起こる事ではないのに。。。
20代前半の自分にこの映画を見せてあげたい。
この純粋な恋心を。
微妙で絶妙な距離感がいい。
大好きな映画になりました
夜通し歩いて語り合う
恋をしたあなたに観てほしい。
恋に落ちるってこういうこと。それが限りあるものだから美化されたのだとしても。列車で出会った人と一夜を過ごすなんてばかみたいだけど。情熱的。
ひたすら二人が引かれあっていく様は誰にでも覚えがある瞬間で、自分を重ね合わせながらいつの間にか見入ってしまう。
友達に電話して本音を聞き出す。不安も本音で。嫌な部分を見ても嫌いにはならないのが本当に愛し合うことだけど、愛してるからこそ怖いから連絡先も聞かない。
出会ったばかりの質問タイムも愛しい。
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