ピンポンのレビュー・感想・評価
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【”ヒーロー見参!” ペコもスマイルもチャイナもドラゴンもアクマもイメージ通りのキャスティングに驚いた作品。息詰まる卓球映画の傑作でもある。】
松本大洋の”ピンポン”は当時、偶に読んでいた。私は、松本大洋の作品が好きなのである。
で、その実写版が公開されるという情報は知ってはいたが、当時、窪塚洋介もARATA(現在の、井浦新さんね。)もアイドル的存在で(ARATAは少しポジションが違ったかな・・。)、逡巡したが公開後暫く経ってから鑑賞することに。
宮藤官九郎が脚本なので、かなりストーリーを独自解釈してくると思ったら、意外や意外、原作に忠実に物語は進んでいく。
各キャラクターも
・ペコ(窪塚洋介)
・スマイル(ARATA)
・チャイナ(サム・リー)
・ドラゴン(頭をそり上げた中村獅童:怖いです・・。)
・アクマ(大倉孝二:余りに原作のアクマに似ていてビックリ。”劣等感と諦観を抱えながら、ペコ、スマイル側に立ちつつ、ドラゴンの葛藤にも心情を寄せる男の姿にである。個人的に大倉さんのベストアクトの一つである。”)
が、原作と絶妙にマッチングしていて、非常に面白く観賞した。
更に、映像にも当時の邦画としては、効果的なVFXが使われていて、実に面白い。(特に試合シーン:今作の監督、曽利文彦氏は、ジェームズ・キャメロン監督の”タイタニック”でCGを担当したそうである。(当時の資料より。))
”右ペン、表ソフト”を使うペコが、高く飛翔してスマッシュを決めるシーンや、バタフライジョー(竹中直人)の回顧シーンでの美しき緑色の羽などで特にそれを実感出来る。
公開日から大分ずらして劇場に行ったので、”黄色い嬌声”は落ち着いており、作品そのものをじっくりと堪能した作品。
<今作後、ARATAは井浦新と役名を変え、今や邦画を支えるポジションを築き、窪塚洋介も様々な分野で卍LINE名義で活躍していたが(”へルター・スケルター”では下衆な役が合っていたね・・。)、マーティン・スコセッシ監督の”沈黙-サイレンスー”に抜擢された(態度が悪くて、一度落ちているそうだが・・)辺りから、映画界でも再び本格的に活躍しはじめたのは、嬉しい限りである。>
<2002年8月 劇場にて鑑賞。その後、2度程度DVDにて鑑賞。
松本大洋の原作は、頻繁に読破。(すいません・・)>
いい出来。原作も是非読んでください!!
子供の頃から一緒に卓球をやってきた、ペコ、スマイル、アクマの3人が、高校卓球でそれぞれの道を行き、成長する話。そこに圧倒的な実力を持つドラゴンが混ざってくる青春ドラマ!!
やっと、観られた。
ペコとドラゴンに関しては、いい出来だねー
二人の試合の終盤は、窪塚さん、中村さんの表情を筆頭に、原作のいいところを、かなり描けていると感じた。
最後の試合では、ペコがドラゴンを、これまでよりも一段と高いところへ連れて行っている感じが、実際に出ているし、ドラゴンの「ここは、いい…」というセリフも見事に決まっている、(歌舞伎俳優は、決めゼリフは、やはり上手だ!)
ただ、2時間の映画に集約するために、それ以外はかなりを圧縮。かろうじて、スマイルの覚醒を描き切っているくらいか。
それだけに、この映画を観た人には、是非、原作も楽しんでほしい!
映画では、時間の制約から入りきらないエピソードの数々を読んで、作者である松本さんが描き出す、敗者への静かな思いを、感じとってほしい。
脇役が負ける、そうした時のちょっとしたエピソードにこそ、原作者松本さんの優しさは溢れている!! ぜひ、原作マンガ全5巻を、お楽しみください。
一例だけ挙げよう。スマイル(月本)にスコンク(0点で負けること)で敗れた無名の男の、「海、行くか…」というセリフ。ぜひ、この味わいを経験してほしい。
一言も描いてないのに、「そうだよな。どんなヤツも、自分なりに一所懸命やってきたんだよな」と思い起こさせるこのシーンは、主役からは、遠く離れたワンシーンでしかないけど、松本さんの真骨頂だと思う。
繰り返しになるけれど、このシーン、残念ながら映画にはありません。
他にも、アクマの努力とどうしようもない苦悩、バタフライジョー(コーチ)の天才しか味わえない悩み等、全編に愛があふれかえってます。
そして、それなりにイカツイのに、最初から最後までずっと冷たくてかつ頼りないキャプテンが、最後の試合の前にかける最高のセリフ! こればかりは、原作漫画を読んだ人だけが味わえる至福の体験だと思う。
さあ、みんな、原作を読もう!
おまけ、というか実はこっちが本編かも!!
アニメも観たよ!
まず素晴らしいのは、ちゃんと原作を彷彿させる絵!
そっか、アニメ、湯浅政明監督なのか。
原作、もちろんすごいが、アニメもすごい! 湯浅監督の表現と松本先生(大洋)の絵が、表現が混ざり合って、なんとも素晴らしいものになっている。こんなこと、できるんだね。
今まで、これを知らずに来た俺が恥ずかしいわ!
海行くかの兄さん、ちゃんと海で働いてたんだ。ここら辺が、松本先生(大洋)が、原作にはなかったけれど入れたかったというエピソードなんだね。
松本先生、やっぱこの兄さんのこと、好きなんだね。
そしてやはりすごい、アクマの、月本との、退部も辞さない勝手な対外試合。すごい。すごいばかり書いているのはわかっているが、それでもやはり、凄い。これだけ強烈に語ってくる話と絵と動き!!!
原作が動いてる!! アニメは、もちろん5.0!!
中村獅童さんの存在感!
前ふりパートとはいえ前半は退屈な展開だったかな。最初の大会に負けて以降のストーリーはなかなかおもしろかったです。やっぱり、人がなにかに懸命に打ち込む姿は、心に響きます!最後のペコvsドラゴンの試合は、見応え満点でした。試合の中で、心境が変わって行くことを、表現、セリフ、動作でバッチリ表現していた中村獅童さんは、スゴい役者です。高校生には見えないけど(笑)
その他のキャストの方々はまあ普通かなと。取り立ててスゴいと思う人はいなかったです。窪塚洋介さんの表情の演技は良かったけど、声がなんかフィットしてなかったかな。井浦新さんは、スマイルのキャラのせいもあってあんまり演技してなかったし(笑)オババの夏木マリさんは良かった!
どこを批判すればいいのか
色褪せることのない傑作
役者さんたちの演技が素晴らしい。癖の強いキャラクターたちを見事に演じきっている。特にペコを違和感なく演じている窪塚洋介は凄い。映像や劇伴も2002年公開の作品ながら全く古臭く感じない。王道の要素がふんだんに盛り込まれていながら他とは一線を画す異質な青春映画。
「漫画実写化は駄作」の常識をぶっ壊した作品
「漫画実写化の成功例」とネットで見かけ、鑑賞しました。
「ピンポン」は原作漫画もアニメも見たことはありませんが、おおまかなストーリーだけ知っているという程度の予備知識でしたが、予備知識無しでも、この映画単品として十分成立するほどにクオリティが高かったためまったく問題なく楽しむことができました。
他のスポーツ漫画にありがちな「友情・努力・勝利」みたいなものが後半の一部を除けばほとんど存在せず、努力を惜しまず勝利に邁進するという一番スポーツ漫画の主人公っぽいことをしていたのがライバルの佐久間(アクマ)だったというのも、「斬新だなぁ」と感じました。
アクマの「努力」がスマイルの「才能」の前にことごとく打ち砕かれる様子はスポーツ漫画としてはタブーみたいな感じもしますが、学生時代にスポーツに打ち込んだ人であれば誰もが圧倒的な「才能」に対して自分の無力さを感じてしまったことがあると思いますので、厳しくてリアルな高校スポーツの描写として非常に良かったです。
キャスティング最高w
いいキャスト結集
今見るとさらに、面白いかも。
見たいなあ、でも何となくコメディっぽい気もするし・・・。と長い間迷っていました。
あれから16年(そんなに経つのか!)。今見ると「あ、この人出てる!」と、新しい発見もありました。
まずは内容。高校の部活で「個人戦」がメイン。なんとなく「ちはやふる」でのかるたとり姿と、今作のラリーの応酬が重なって見えました。
登場人物もクールなスマイルは、ちはやの太一っぽい気が。
試合に負けていろんなことに腹が立ち、ラケットを床にたたきつけて退部するペコ。その挫折からいかにして立ち上がるか。ちょっとスポ根物っぽい後半からが、がぜん面白かったです。
スローモーションを多用したラリーシーン、ルール知らないのに手に汗握りました。
卓球練習場の店主オババの夏木マリさんや、高校顧問の竹中直人さん。濃すぎ(笑)。ナイスサブキャラ。
他にもさらっと、私が大好きな津田寛治さんや佐藤二朗さん。
出てるのを知らなくて「あら?」って発見もうれしい。
何気に当時子役の染谷将太さんとか。←気が付かなかった。
で、スマイル役がどこかで見たことある・・・。
エンドロールにARATAとあって。ググったら井浦新さんなのね。
役者さんの登竜門的な作品にもなったようですね。
気分すっきりな1作でした。今見てよかった。
ラリーは続く
インターハイをベースにした体育会系部活の映画なのに、”卓球”でなく、『ピンポン』。
どこか、温泉地の”ピンポン”を思わせる。
ギャグ映画かと見まがうような、こてこてのキャラクター。でも、ギリギリのところでギャグ映画ではなく、”青春”映画を満喫させてくれる。
そんなぬけ感と絵にかいたような熱血のバランスが心地よい。
今でこそ、スポコン系のアニメも多く、様々なキャラが登場するが、この頃はまだ『エースをねらえ!』や『ドカベン』の変形バージョンが多かったように記憶する。
そんななかでの、このへんてこりんなキャラ=ぺこが面白い。窪塚氏善戦。ギャグ映画的キャラとみると、もっと振り切ってもいいようにちょっと中途半端な面もあるが、これ以上アクを強くすると、”青春”映画からはみ出してしまう、という微妙な役どころを好演。
と、窪塚氏を絶賛したいが、その上をいく、ARATA氏と大倉氏と荒川氏。
ARATA氏も、大倉氏も、これまた一歩間違えれば、薄っぺらい役に成り下がるけれど、この二人の存在・活躍がこの映画を印象深いものにしてくれている。
スマイルの、熱くなりたい気持ちを隠したクールさ。「先に行くよ」は、演じ方によってはどうしようもない人物になってしまうのに、ドライでクールなのにどこかウェット。「ヒーロー」復活を待ち望む姿にうまくつながる。
悪魔も、彼の存在があるから、勝負事の厳しさに対峙しながらも、卓球=ピンポンが好きで好きでたまらない気持ちを掻き立ててくれ、あのラストの感動に共感できる素地を作ってくれる。
漫画5巻を映画一本にまとめたとか。だからか、人物の背景(なんで愛称が”悪魔”なんだとか、どういう生い立ち・家族をもっているんだかとか)や、気持ちの変化などは丁寧に描かれていない。要所要所を描く。なのに、描かれていない時間をこの二人がどう過ごしてきたかがなんとなく想像できてしまう。
なんてすごい役者なんだ。
それに比べると太田キャプテンは最初から最後まで、人のいいキャプテンでほとんど変化がない。でも、あのぬぼーとした透明な存在がいたからこそ、作りこまれたベタなキャラクターが浮かずに、映画の中に納まる。そんな存在感を出せる役者。希少価値!
もちろん、ドラゴンとかおばばが脇をがっちり占めているから、成立する映画でもある。
何気に、チャイナとそのコーチが、解説者の役割を果たしてくれて、彼らのおかれた位置をわかりやすし、物語を引っ張って行ってくれる。
竹中氏が出てきた時点で『シコふんじゃった』『shall we ダンス?』と重なり、存在を封印したい気持ちになる。他の役者はいなかったんだろうか?尤も「バタフライジョー」なんて、竹中氏を充て書きしたのかもしれない。
いじめにあっていたというスマイル。
窮地を救ってくれるだけがヒーローじゃない。
いじめられている自分の相手を一生懸命してくれるぺこ。そして悪魔。
そこが居場所だった。
でも、なれ合いにはなれずに、それぞれがそれぞれの道を行く。
少年は、いつか青年になり、外の世界に飛び出す。
「この星の一等賞になりたいんだ」
とはいうものの、
打ち負かすための”卓球”ではなく、
どんな変化球でも悪玉でも打ち返してくれる相手がいて続くラリー。
そんなラリーを楽しむための”ピンポン”。
永遠に続くような気がした。
東京国際映画祭で無料屋外上映にて鑑賞。
英語字幕付き。日本語と英語表記ニュアンスに「そうくるか」と、そこも面白かった。
仕事帰りに、さわやかな映画をありがとう。
(原作・アニメ未鑑賞)
いい映画~
試合のシーンは迫力があって滅茶苦茶アツくなれました! 窪塚陽介の可...
役者がハマっている
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