「ラリーは続く」ピンポン とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

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ピンポン

劇場公開日 2002年7月20日
全44件中、6件目を表示
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ラリーは続く

インターハイをベースにした体育会系部活の映画なのに、”卓球”でなく、『ピンポン』。
 どこか、温泉地の”ピンポン”を思わせる。
 ギャグ映画かと見まがうような、こてこてのキャラクター。でも、ギリギリのところでギャグ映画ではなく、”青春”映画を満喫させてくれる。
 そんなぬけ感と絵にかいたような熱血のバランスが心地よい。

今でこそ、スポコン系のアニメも多く、様々なキャラが登場するが、この頃はまだ『エースをねらえ!』や『ドカベン』の変形バージョンが多かったように記憶する。
 そんななかでの、このへんてこりんなキャラ=ぺこが面白い。窪塚氏善戦。ギャグ映画的キャラとみると、もっと振り切ってもいいようにちょっと中途半端な面もあるが、これ以上アクを強くすると、”青春”映画からはみ出してしまう、という微妙な役どころを好演。

と、窪塚氏を絶賛したいが、その上をいく、ARATA氏と大倉氏と荒川氏。

 ARATA氏も、大倉氏も、これまた一歩間違えれば、薄っぺらい役に成り下がるけれど、この二人の存在・活躍がこの映画を印象深いものにしてくれている。
 スマイルの、熱くなりたい気持ちを隠したクールさ。「先に行くよ」は、演じ方によってはどうしようもない人物になってしまうのに、ドライでクールなのにどこかウェット。「ヒーロー」復活を待ち望む姿にうまくつながる。
 悪魔も、彼の存在があるから、勝負事の厳しさに対峙しながらも、卓球=ピンポンが好きで好きでたまらない気持ちを掻き立ててくれ、あのラストの感動に共感できる素地を作ってくれる。
 漫画5巻を映画一本にまとめたとか。だからか、人物の背景(なんで愛称が”悪魔”なんだとか、どういう生い立ち・家族をもっているんだかとか)や、気持ちの変化などは丁寧に描かれていない。要所要所を描く。なのに、描かれていない時間をこの二人がどう過ごしてきたかがなんとなく想像できてしまう。
 なんてすごい役者なんだ。

 それに比べると太田キャプテンは最初から最後まで、人のいいキャプテンでほとんど変化がない。でも、あのぬぼーとした透明な存在がいたからこそ、作りこまれたベタなキャラクターが浮かずに、映画の中に納まる。そんな存在感を出せる役者。希少価値!

 もちろん、ドラゴンとかおばばが脇をがっちり占めているから、成立する映画でもある。

 何気に、チャイナとそのコーチが、解説者の役割を果たしてくれて、彼らのおかれた位置をわかりやすし、物語を引っ張って行ってくれる。

 竹中氏が出てきた時点で『シコふんじゃった』『shall we ダンス?』と重なり、存在を封印したい気持ちになる。他の役者はいなかったんだろうか?尤も「バタフライジョー」なんて、竹中氏を充て書きしたのかもしれない。

いじめにあっていたというスマイル。
窮地を救ってくれるだけがヒーローじゃない。
そんな自分の相手を一生懸命してくれるぺこ。そして悪魔。
そこが居場所だった。

でも、なれ合いにはなれずに、それぞれがそれぞれの道を行く。
少年は、いつか青年になり、外の世界に飛び出す。

「この星の一等賞になりたいんだ」
とはいうものの、
打ち負かすための”卓球”ではなく、
どんな変化球でも悪玉でも打ち返してくれる相手がいて続くラリー。
そんなラリーを楽しむための”ピンポン”。
永遠に続くような気がした。

東京国際映画祭で無料屋外上映にて鑑賞。
 英語字幕付き。日本語と英語表記ニュアンスに「そうくるか」と、そこも面白かった。
 仕事帰りに、さわやかな映画をありがとう。

とみいじょん
さん / 2018年11月19日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  笑える 楽しい 幸せ
  • 鑑賞方法:-
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