ロード・トゥ・パーディションのレビュー・感想・評価
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父親のブレない心
マイケル・サリバン(トム・ハンクス)の殺しの現場を息子が見てしまったこと、それをコナー・ルーニー(ダニエル・クレイグ)に見つかってしまったことからこの物語が始まる。
この息子の勝手な行動が原因となって弟と母親が殺されてしまう。
しかし、父親のマイケル・サリバンは息子を叱らない。この一点だけでも見る価値があると思う。昨今のDVのはびこる日本でぜひ父親はこれを見て見習ってほしい。
さらに息子を守りぬく決意がひしひしと伝わってくる。
たとえ反社会的組織であっても、親子の絆の素晴らしさが表現されている。
逆に、ジョン・ルーニー(ポールニューマン)の息子に対する振る舞いは息子を最初は叱るが結局は溺愛していてスポイルしている。この二人の父親像のコントラストが一層マイケル・サリバンの息子に対する態度が素晴らしいものに見えてくる。
俺は父親になったことはないが、このような父親像をしっかり記憶しておきたいと思った。
優しいギャング映画
ギャング映画というと男臭くハードボイルドな世界を
想像するのだけど、
ロードトゥ〜はとにかく優しい。
みんなただ悪いだけじゃなく、
優しさや滑稽な可愛さを秘めてるように感じる。
カポネの金を盗んで逃げるシーンや、
ジュードロウのキャラ、
銃撃戦の軽やかさや
殺害後のエグさの排除からそう感じた。
大人も観れる子どものためのギャング映画という感じ
がするのは、
やはりこれはギャング映画であり
父親と息子の映画だからだと思う。
サム・メンデスが子どもに見てもらうのを意図して
撮ったんじゃないかなと想像した。
とにかく息子に自分と同じ道を辿らせないために
戦うお父さんの姿に特に後半感動する。
それを受けて、
父親は父親でしかないと父親の意志を汲んで自分の
道を進む息子にもグッと来る。
ジュードロウのキャラクターも異質でとても良かった。
また息子と観たい作品。
ギャング父と子の物語
感動とかではないけど、気づいたら見入ってしまうような作品
妻と子どもを仲間に殺されて復讐するといった物語だけど次々に人が殺されすぎて、終盤は驚かなくなる
最後父であるトムハンクスが殺されてしまうシーンは
やっぱりな感はあるけど、そのまま息子と幸せに暮らしてほしかったなあ。
でもそのシーンは背景含め素敵な世界観でした。
血は金より濃い
ギャングの世界に生きる父子関係を、豪華な俳優陣で美しく描いた作品。
生活のためにギャングに入ったという設定だからTom Hanksが起用されたのでしょうか?そもそも皆そうだと思いますが…。到底凄腕ガンマンにも殺し屋にも、残酷な取立屋にも見えませんでした(^^;)。長男の手を血で染めたくない、その一心で最期までJrを守り抜く父親を演じていました。
ギャングファミリーにおける義父とも言うべきボスをやむなく殺すのも、そのボスが危険を承知でバカ息子を守るのも、所詮ビジネス上の家族は、実の家族を上回ることはないということですね。
Jude Lawの不気味さが良かったです。
豪華役者陣の競演
父と子の絆を描く
I'm glad that's you. サム・メンデスが描く美しすぎるギャング映画
ギャング映画に美しいという表現は正しいかどうかわかりませんが、それでもこの映画は美しい。そういう気持ちにさせてくれる作品です。原作はアメコミっというのが信じられない!!
最後雨の中、自分を殺しに来たトム・ハンクスに向かってポール・ニューマンが「お前で良かった」というセリフにギャングの世界で生きてきた男を感じました。泣きそうな顔をしながら引き金を引くサリヴァン、心に残るシーンです。
ジュード・ロウの演じる殺し屋が不気味過ぎます。その存在感が半端ないです。そしてダメ息子を演じているのが007前のダニエル・クレイグ!!この映画で観ると演技の上手さを感じる事ができました。
なんだかんだと汚れた仕事を請け負ってきたサリヴァン、最後はああなるしかなかったのでしょう。
単なる暴力的なギャング映画とは一線をかす美しいギャング映画。是非多くの人に見てもらいたいもんです。
淡々と親子
てっぱん
ギャングもの、父と息子、ロードムービーとくれば、面白くないはずがない。ダメ息子役が、007スカイフォールで今をときめくダニエルクレイグとは驚き。主人公の息子役の少年がうまくて泣ける。最後はジュードロー演じる新聞記者?と主人公が殺し合い、少年は一人、昔お世話になった農場夫婦の家へ向かう。
親子と「ファミリー」の・・・
トム・ハンクスに加えてポール・ニューマンやジュード・ロウ、
それから最近になって思い出した(笑、ダニエル・クレイヴなどなど・・・
豪華な面々ですが知名度は今ひとつな気がします。
トム・ハンクスの演じるマイケルの優しさ、哀愁がすごく出ていると思います。
個人的にはこういったギャングモノはすごく好きなのですが、日本で言う武士に似ているのかなとも思います。時代モノもすごく好きです。
印象的なのはボスであるジョン・ルーニー(P・ニューマン)がマイケル(T・ハンクス)
に対して言った言葉「Open your eyes!」です。
実の息子のように、というか実の息子より可愛がっていたんじゃないかというマイケルを
消さなければならないことと、やはり実の息子に手を下すことはできないという葛藤の中で彼が発したこの言葉は非常に感情的で複雑な心情を映し出していると思います。
後は終始哀愁があるだけでなく、親子でお金を集めるシーンなんかは
トム・ハンクスのコミカルな部分が出てて非常に好きです。
それから感情と情景を映し出す演出が非常にマッチしていて美しい映画とも思いました。
マグワイア(J・ロウ)が初めに出てきた時の電車が過ぎるシーン、
雨の中マイケルが決着をつけに行くシーン、
そして砂浜の家で窓から外を見るシーン
などあらゆるシーンが美しいです。
こういう父子モノには弱いんだよなぁ・・・。
冥府魔道を行く父子
美しいがこんな紳士的なギャングいないだろう
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 75
映像も物語も美しく描かれている父子の逃避行。追跡してくる暗殺者に警戒を怠ることなく命懸けの反撃を試みるのは、全て子供への愛情ゆえ。普通の場面だけでなく殺しの場面ですら美しいし、それを実現した撮影も見事。全体的に刹那的な物悲しい雰囲気に満ちている。
だがトム・ハンクスは凄腕のギャングには見えない。それどころかこんな紳士的な人はなかなかいないだろうと思う。荒くれ者たちを相手にするためには、例え演技でも自分も荒くれ者を演じなければ相手に舐められてしまって仕事にならない。たとえ本来の性格は家族思いの紳士的な人であって自ら進んでギャングになったのでなくても、その世界に長い間どっぷりと浸かれば通常は環境が人を変えてしまうもの。恐らく脅迫・金の回収・殺しなどたくさんの荒っぽいことをしてきたはずのトム・ハンクスであるだろうに、何か綺麗に描きすぎていて違和感がある。もしこんな紳士的で家庭的な人物が、いったん家庭を離れると平気で脅迫や金の回収や殺しをやっているのなら、むしろ相当な異常者だろう。その設定が駄目。
彼は家族を殺された被害者でもあるが、その前までは加害者でもあった。だから最後は当然ああなるべきかと思う。映画では被害者ふうに描かれているけれど、彼もギャングの世界に生きて恐らく過去にもたくさんの人を殺しているのだから、自分だけ生き延びられないでしょう。それに子供を守ろうとする父親という意味で、この世界から息子との関係を完全に断ち切る意味でも重要なのだと思います。だから納得の結末でした。
面白かった
ギャング映画久々の傑作
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