オーシャンズ12 : インタビュー
ハリウッドの豪華スターが再結集した「オーシャンズ12」の面々を小西未来氏がインタビュー。リラックスしたムードのリビングルーム形式で行われた取材は、まるで同窓会でふざけあう仲良しグループそのもの。でも実は、それがこの映画の一番の魅力だったりするのかも。
ハリウッド・スターの同窓会
出席者:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、ドン・チードル、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ 小西未来
――「オーシャンズ11」は、「オーシャンと十一人の仲間」のリメイク映画で、「オーシャンズ12」はその続編となるわけですが、ハリウッド映画の場合、続編やリメイクは駄作の代名詞のようになっていますよね。今回はその悪い兆候が2つも重なっていますよね。
マット・デイモン:「確かに。でも、リメイクの続編映画は、まだだれも作ったことがないんじゃないかな」
ジョージ・クルーニー:「いや、ほら、『猿の惑星』の連中が手がけた、モンスター植物の映画があったよ。なんて、名前だったっけ」
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ:「『リトルショップ・オブ・ホラーズ』じゃない?」
クルーニー:「そうだ、『リトルショップ・オブ・ホラーズ』! ロジャー・コーマンの映画版が最初で、のちにミュージカル化されて、その後、ミュージカル映画化されて……」
ドン・チードル:「で、そのすべてがそれなりに良い出来なんだよな!」
クルーニー:「え、そうかあ?」
チードル:「あ、もちろん冗談だけど(笑)」
――良質な続編にするために、どんなことを心がけましたか?
クルーニー:「それは、やっぱりいい脚本を用意することから始めたよ。うん」
チードル:「さすが、さすが!」
クルーニー:「まあ、いい続編を作ることにかけては、おれよりマット様に聞いたほうがいいよ。なにしろ『ボーン・スプレマシー』では、続編にありがちな失敗を見事に避けて、大傑作にしてしまったんだからな」
チードル:「そうそう」
デイモン:「そんなこと言われてもなあ。いつもは『いい脚本がなによりも大切』って言ってるんだけど、『オーシャンズ12』に関しては、脚本も読まずに出演オーケーしてしまったし(笑)」
――(笑)
デイモン:「スティーブン(・ソダーバーグ)が監督して、みんなが戻ってくるなら、きっと楽しくなるってわかっていたし」
クルーニー:「真面目な話、続編を作るうえでもっとも大事なことは、『オリジナルのリメイク』にしてしまわないことなんじゃないかな。ほら、みんな前作で受けた要素を残して、ストーリーもないのに映画を作ってしまう。でも、おれたちの場合はちゃんとストーリーがあるし、スタイル的にも違う。前作は70年代映画を意識してやったけど、今回は60年代調なんだ」