劇場公開日 2005年1月22日

オーシャンズ12 : 映画評論・批評

2005年1月5日更新

2005年1月22日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー

さすがソダーバーグ先生の実験映画

画像1

「オーシャンズ11」の続編企画が本格始動したと聞いたとき、釈然としない気持ちになったことを覚えている。あの凡庸なヒット映画の続編を作るなんて、ぜんぜんスティーブン・ソダーバーグ監督らしくない行動だからだ。さぞや「ソラリス」の失敗――個人的には大好きな映画なのだけれど――が尾を引いているに違いない、などと勝手な勘ぐりをして自分を納得させていたのだが、そんな杞憂も映画を鑑賞して吹き飛んだ。

前作では抑え気味だったソダーバーグ監督も、「オーシャンズ12」ではインディペンデント精神を爆発。フリーズフレームからノンリニア編集までありとあらゆる映画手法を用いて、まさにやりたい放題なのである。大ヒット映画の続編だからこそ出来るこの贅沢。ハリウッドスターの全面支援と、メジャースタジオの巨額予算を利用して、究極のインディペンデント映画を作り上げてしまったのである。こんな実験映画が全国チェーンでかけられるのだから、愉快極まりない。さすがソダーバーグ先生である。

小西未来

Amazonで今すぐ購入

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む
「オーシャンズ12」の作品トップへ