ミスティック・リバーのレビュー・感想・評価
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運命では片付けられない運命の悪戯
過去に縛られた3人の心の闇との葛藤を描いた作品。
かつて幼馴染みだった拭えない過去を持つ3人の男の運命が1つの殺人事件を通して複雑に絡み合って行く様を的確な心情描写で描いている。
この映画は、「孤独」と「愛情」の本質を浮き彫りにしている。
メインの3人の演技が素晴らしくよいこととイーストウッド作品に多い静止画のような無言のカットが作品に深い余韻を与えている。
人の友情は、こんなにも脆いものなのか…
ある意味ニューシネマ的で考えさせられる作品。
だるい
その後の黄金期のはじまりにして、頂点にある作品
はじめて劇場で観た時、あまりにも無慈悲な結末に、「これがあのイーストウッド? まるでギリシャ悲劇じゃないか」と思った。現代ハリウッドでは滅多にお目にかかれない重厚な感動を味わったのは事実だが、同時に、容易には解消しがたいダメージを受け、その濃密すぎる体験ゆえ、僕の中で長い間見返したくない映画No.1がこれだった。久しぶりに観て気付いたのは、こうした感想に見合った古典的な風格だ。現にこれだけ物語の骨格がしっかりしている作品も珍しい。
3人の少年は、かつて起きた誘拐事件のトラウマを抱えたまま大人になり、まったく別の事件をきっかけに再会を果たす。愛する娘を殺されたジミー(ショーン・ペン)、事件前日に娘を目撃したデイヴ(ティム・ロビンス)、殺人課の刑事として事件に関わるショーン(ケヴィン・ベーコン)。彼らは今となってはそれほど親しい間柄ではないが、娘の殺人犯を捜すうちに、運命の糸が再び手繰り寄せられていく。この3人を中心とした複雑な人間関係(ジミー=前科者。殺された娘は亡き前妻との子であり、今の妻アナベスとの間に2人の子どもがいる。デイヴ=かつて誘拐犯にさらわれた被害者。妻はアナベスのいとこ。息子が1人いる。ショーン=妻に子どもが生まれるが別居状態にある。ほかにジミーの舎弟である3兄弟(アナベスの兄でもある)、娘の恋人とその家族、ショーンの上司の刑事などが登場)が隈なく描かれ、主要人物の性格を極限まで掘り下げた悲劇が展開される。
時代を隔てて用いられる符号の扱い方がたいへん見事で、本作はそうした点も特筆に値する。少年時代、3人はストリート・ホッケーをして楽しく遊ぶが、のちに殺人犯が凶器に用いたのはホッケーのスティックだと判明する。また誘拐犯の1人が車中で振り返るショットは、やがて舎弟の兄弟によって動作が反復され、デイヴが二度と戻らないことの暗示となる。しかも前者の人物がはめている十字模様の指輪は、ジミーの背中に彫られた十字架の黒いタトゥーを想起させずにはおかない。
このように結末に向けて、効果的に符号を配しているところも、まったくもって古典劇=運命のドラマと呼ぶにふさわしい。ブライアン・ヘルゲランドの脚本、イーストウッドの演出ともに、その能力を遺憾なく発揮した最高峰の作品と言えるだろう。
3人の男の葛藤
11歳の少年、ジミー、デイブ、ショーンの3人は、
ボストンの下町に住んでいました。
ある日、路上でいつものように遊んでいた3人は、
通りがかった警官風の男にいたずらをしていた事を叱られ、
デイブだけが車で連れ去られます。
デイブが戻ってきたのは4日後。
監禁され、暴行を受けたデイブ、
車で連れ去られるデイブを見送るしかなかったジミーとショーン。
彼らの心に深い傷が刻み付けられます。
そして、25年後。
彼らは思わぬ形で再会することになります。
娘を殺害された父親として、
事件を捜査する刑事として、
そして、事件の容疑者として・・・。
一人の少女の死をめぐる、サスペンス映画ではありますが、
それ以上に、登場人物達が抱える心の傷をめぐる人間ドラマでもあります。
ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンの3人の
演技と存在感がとにかく凄いです。
その迫力にグイグイと引き込まれていきます。
2時間以上の上映時間が、
終わってみれば、本当に短く感じられました。
いい意味で重くて、濃い作品だと思います。
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