ミュンヘンのレビュー・感想・評価
全46件中、41~46件目を表示
ちょっと長くなるかも知れないが、3段落に渡って〜
3段落に渡って本作をレビューしたい。
先ず第一に。俺の問題なのだが・・
年取ったなぁ・・と感じた事だ。
今迄の映画レビュー。
俺は良く、映画偏差値とか映画経験値て造語を使ってきた。
似た言葉なんだけど・・
映画偏差値の方が頭で考える。
映画経験値の方が五感で感じる。
〜みたいなイメージになるか?
映画を見る、いや『観る』のはとても頭と五感を使うのだ。
後の二段落でも記するけど、そこは後回しで、先ず俺だ。
映画偏差値も有るハズだし、映画経験値も有るハズなのだが・・
160分のこの映画に、俺は付いて行けなかった。
純粋に、俺自身が劣化したんだ。と痛感させられた。。。
で?
そんな年寄り手前の俺だが、まだまだ若い者には負けられん!と、第二に本題の作品レビューを記す。
いろいろ?映画経験値よろしく、事前知識を先ず本作は、入れとかねばならないだろう。
・スピルバーグがユダヤ系である事
・公開年は05年/制作を思い立ったキッカケが01年であろう事
そして〜
・アメリカとイスラエルがかなりの友好国(友好国と言う言葉では片付けられない?)である事
〜社会や世界史の勉強をきちんとして、本作に挑む方が良いだろう。
事件や暗殺等が主題と思われがちだし、実際そうなのだろうけど。
年をとったからか?俺には、本作は家族愛の物語にも思えた。
実際どうなのか?は、観た人が決める事だろうが、女性はいつも偉大だ。
強く優しいのだな・・と本作で感じた。
映画経験値→高め(アーパー女子には向かない/世界史も学んどいた方が良いだろう、チャーチル二枚舌で検索だ!)
映画偏差値→高め、いや高めというか?硬めだ。そう硬い映画だ。
もう一回観る度→「0」
DVD買う度→「0」
重い映画で、二度と見たくは無い。
だが、それは決してこの映画が悪辣だ!とか・・つまらない映画だ!とか言う話では無い。
重く硬く様々な事を突き付けられるのだ。
三番目に、語りたいと言うか添えて置きたいのだが・・
映画ドットコムのプロの?ライターさん?の一文に『ラストに写る、あのビルが答えだ!』みたいな書き込みが有って・・
そこを見逃してて、ますます映画への衰えを痛感した俺でした。
平和だね。平和がやはり良いよね。・゜・(ノД`)・゜・。
忘れられる目標
きっかけはオリンピック村での殺戮で、その後にはやってやられての繰り返しである。どちらの陣営もしてることは同じで、情報を集め、近づき、殺す。
自分たちの国が欲しい。祖国を死守する、自分たちの権利が尊重される社会が必要だ。という真っ当な目標が、いつのまにか忘れ去られ、復讐の連鎖から抜け出せない。
個人としては家族を守るといった、また別の目的もあり、主人公にとっては第一目的であった。その目的も国家による大きな目標に飲み込まれ、彼自身が家族を傷つけてしまうことになるだろう。
作中に直接は大きく描かれていないが、アメリカに対する視点も感じられ、観客に疑問を投げかける作品だった。
テロ、正義、愛国心、人への愛、共通点と差異、多様性と差別、様々な観点からみることができる。
チームが任務を遂行する様はわくわくし、映画的に楽しかった。
当時のニュース映像を鮮明に覚えている。選手達が空港でテロリストに連...
テロリスト目線。
平和主義者スピルバーグの願い
1972年のミュンヘン・オリンピックで、11人のイスラエル選手がパレスチナ・ゲリラ“ブラック・セプテンバー”に殺された。イスラエルの諜報機関“モサド”は暗殺チームを組織し、首謀者たちを暗殺していく…。
実際に起きた悲劇の事件とその後の報復行動を描いたスティーヴン・スピルバーグの2005年の作品。
パレスチナ・ゲリラやモサドなどの描写が物議を呼び、数あるスピルバーグの作品の中でも屈指の問題作で、重くシリアスだが、一本の映画としては超一級品。
暗殺チームの面々にはそれぞれ得意分野があり、スパイ・サスペンス映画としての醍醐味も充分。
とりわけ秀逸だったのが、電話に爆弾を仕掛けるもターゲットの娘がその電話を取りそうになるシーン。スピルバーグならではの緊張感あるサスペンス演出に、さすが!と唸らされた。
祖国の為、同胞の為、非道なテロリストを討つ。
果たしてそれは、正義の行動か、人が人を殺める行為か。
やがて仲間や自分の身にも危険が迫り、精神的に追い詰められていく。
悲劇が報復を呼び、報復が更なる苦悩や哀しみを生む。
ここに、平和主義者スピルバーグの願いが感じられた。
スピルバーグ、さすがの底力
イスラエルとパレスチナの対立や政治的背景に詳しくなく、彼岸の火事のように感じてしまっている自分としては、その渦中となっている問題について、真に迫ってくるものがない。とはいえ、復讐の連鎖が生み出す悲劇を暗示するかのように、ニューヨークの“あの場所”が映し出されるシーンには、ハッとさせられのだが。
70年代の雰囲気を再現した町並みや衣装、小道具、彩度を落とした乾いた画面がいい感じだし、娯楽作品と割り切ってみるのは気が引けるけど、それでも娯楽性とストーリー性、テーマ性を高いレベルで融合させ、164分という長尺を飽きずにみさせる緊迫感・緊張感は見応え十分。こういうものをたった半年で作り上げてしまうスピルバーグとそのスタッフたちの底力はさすが。
全46件中、41~46件目を表示