劇場公開日 2006年2月4日

「スピルバーグ、さすがの底力」ミュンヘン αさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5スピルバーグ、さすがの底力

2010年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

イスラエルとパレスチナの対立や政治的背景に詳しくなく、彼岸の火事のように感じてしまっている自分としては、その渦中となっている問題について、真に迫ってくるものがない。とはいえ、復讐の連鎖が生み出す悲劇を暗示するかのように、ニューヨークの“あの場所”が映し出されるシーンには、ハッとさせられのだが。

70年代の雰囲気を再現した町並みや衣装、小道具、彩度を落とした乾いた画面がいい感じだし、娯楽作品と割り切ってみるのは気が引けるけど、それでも娯楽性とストーリー性、テーマ性を高いレベルで融合させ、164分という長尺を飽きずにみさせる緊迫感・緊張感は見応え十分。こういうものをたった半年で作り上げてしまうスピルバーグとそのスタッフたちの底力はさすが。

α