「【”罪と罰。運に左右される人生は不安だ・・。”冒頭のテニスのラリーのコードボールのシーンと再後半の愚かしく身勝手な男が、自分の行為を隠すために放り投げた老女の金の指輪のシーンの対比が見事な作品。】」マッチポイント NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”罪と罰。運に左右される人生は不安だ・・。”冒頭のテニスのラリーのコードボールのシーンと再後半の愚かしく身勝手な男が、自分の行為を隠すために放り投げた老女の金の指輪のシーンの対比が見事な作品。】
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■高級テニスクラブのコーチになった元プロテニス選手のクリスは、そこで大企業の令嬢クロエと出会いトントン拍子で結婚。
彼女の父が経営する会社に入り、社会的地位を獲得する。
しかし一方で、クロエの兄の恋人ノラ(スカーレット・ヨハンソン)に一目惚れした彼は彼女に魅了され、関係を切れずにいた。
◆感想
・人間としては、身勝手なクリスのノラ及び何の罪もないノラの隣人の老婆に対する殺人行為は当然の如く、許し難い。
・普通は、”クリスの犯罪が暴かれて彼は人生の破滅する。”というパターンだと思うが、ウディ・アレン監督はそこを敢えて、クリスの強運故に殺人罪を逃れるというラストの設定にした事が実にシニカルビターである。
・クリスは、妻に念願の子が出来ても一人、憂鬱な顔をしている。
ー そりゃ、そーだ。-
<クリスは一生、自身が犯した罪の意識に苛まれながら生きていくのであろう。
ある意味、彼の人生は外面から見ると幸せなのかもしれないが、彼自身は死ぬまで地獄を見ながら過ごすのであろうな、と思ったウディ・アレン監督のシニカルビターな作品。
作品構成は見事であると思う。>
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