「観たかった度△鑑賞後の満足度◎ ニューヨークが舞台の映画がマンネリ化していたウディ・アレンが心機一転ロンドンを舞台に演出力が衰えていない事を証明した久々の傑作。人の世の皮肉を炙り出す視点も健在。」マッチポイント もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観たかった度△鑑賞後の満足度◎ ニューヨークが舞台の映画がマンネリ化していたウディ・アレンが心機一転ロンドンを舞台に演出力が衰えていない事を証明した久々の傑作。人の世の皮肉を炙り出す視点も健在。
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①冒頭のテニスコートのネットに当たったボールが向こうに落ちたら自分の勝ち、此方に落ちたら相手の負け、という映像を見せておいて、クリスが投げたリングが川岸の欄干に当たって此方に落ちたからクリスの負け、と観客をミスリードする脚本は巧い。
②エンタメ志向の人には、「勧善懲悪ではない」「悪事が最後に暴露されて破滅しない」等でスッキリしないだろうと思う。
ただ、悪が罰せられない、必ずしも勧善懲悪とはならない、というのも世の中の真実ではあるので、こういう映画もあって然るべきだとは思う。
③我が愛する『チャイナタウン』もそうだが、ハッピーエンド或いは勧善懲悪で終わらないアメリカ映画はホラーを除いてアメリカ映画の本道から外れていると言えるのかも。
そういう意味で、ウディ・アレンがアメリカでこういう映画を撮らなかったこと、新天地ヨーロッパで初めて撮った映画がこういう内容だったということを考え会わせると面白い。
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