ラブ・アクチュアリー : インタビュー
「ラブ・アクチュアリー」は出演した俳優たちもハッピーだった 森山京子
エマ・トンプソンは夫の浮気に気づいて悩む主婦を演じている。
「リチャードは最初から、私とアラン(・リックマン)に当てて夫婦の役を書いてくれたのよ。候補俳優リストのトップに自分の名前があるなんて初めて。アランもそうよ。彼はいつも候補の後ろの方で、同点10位がいいとこなんだから(笑)。とにかく長いつき合いの友だちだから、簡単に夫婦の雰囲気が出せたわ。リチャードはそういうことすべてを計算した上で、キャスティングしたと思う」
エマ扮するカレンの弟でイギリス首相を演じたヒュー・グラントも、カーティスとは長いつき合いだ。
「この映画には、シンデレラ・ストーリーみたいなファンタスティックな要素があちこちに仕掛けられていて、そこにリチャードの楽観主義がよく出ていると思うな。彼は愛を肯定したいんだ。そして、結局それが、僕たちみんなが求めているものなんだよね。だけど困ったのは、監督になったら権力を振りかざしちゃって、僕がイヤだというのに無理矢理ダンスのシーンをやらせるんだ。2人の仲は、明らかに悪化したね」
と、いつものシニカルなジョークで笑わせるヒュー。愛を確信して有頂天になった彼が、官邸の廊下や階段でディスコダンスを踊り狂うシーンがあるのだ。
「大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて、ようやく撮り終えたんだけど、スタッフはニヤニヤ笑うし、後でモニターを見たら最悪。あの時のダメージからまだ立ち直っていないんだ。死ぬまで2度とダンスはやらない」
そんなヒューの心配をよそに、このシーンの彼は最高に可愛いと大評判。どうやらこの勝負、カーティス監督の大勝利のようだ。