劇場公開日 2006年4月8日

リバティーン : インタビュー

2006年4月7日更新

ジョニー・デップが「後にも先にも生涯一度しかめぐり会わない作品」と言い、脚本を読んで出演を即決したと言われている「リバティーン」。そんな本作にかけたジョニー・デップの思いを語ってもらった。さらにデップの代表作「パイレーツ・オブ・カリビアン」に関する気になる発言も!?(聞き手:小西未来

ジョニー・デップ インタビュー
「ロチェスター伯爵は革新的で素晴らしい詩人だ」

ロチェスター伯爵に扮したジョニー・デップ
ロチェスター伯爵に扮したジョニー・デップ

――あなたが演じたロチェスター伯爵って不思議な魅力を持った人ですよね。

「ぼくも脚本を読んだとき、ページをめくる手を止めることができなかったんだ。彼が次にどんなことをしでかすか、気になって仕方がなくてね。ロチェスター伯爵って、歴史上の人物のなかでもかなり興味深いアーティストなんだ。その後、オスカー・ワイルドに引き継がれる独自のスタイルを生み出したのに、残酷とも言えるほど過小評価されている。風刺作家とかポルノ作家だなんて揶揄されることが多いけれど、実際は革新的で素晴らしい詩人だと思うよ」

――あなたが役作りをするときには、たいていモデルがいますよね。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のスパロウ船長はキース・リチャーズ、「チャーリーとチョコレート工場」のウィリー・ワンカは、子供向け番組の司会者とか。今回は誰をベースにしたのでしょうか?

天才と呼ばれながらも正当な評価を 得られなかった ロチェスター伯爵
天才と呼ばれながらも正当な評価を 得られなかった ロチェスター伯爵

「今回は伝記映画だから、モデルは実在したロチェスター伯爵その人だよ。きっちりとリサーチして、彼の名誉を汚さないように、忠実に演じることを心がけた。ただ、彼のことを知れば知るほど、ぼくが好きな作家と共通点が多いことに気づいたのも確かだね。例えばジェック・ケルアックとブレンダン・ビーアンとかフランソワ・ビヨンとか。つまり、ロチェスター伯爵の伝統はきちんと受け継がれているってことなんじゃないかな」

――映画のなかで特に刺激的だったのが、ロチェスター伯爵がサマンサ・モートン演じるエリザベスを演出するシーンでした。簡単な指示を与えるだけで、見違えるほど演技が上達しますよね。演技の秘密を垣間見させてもらった気がしました。

「ありがとう。でも、ぼく自身、演技の秘密なんて何もわかってないんだけど(笑)」

――見事に実践されているじゃないですか(笑)

エリザベスを演技指導するロチェスター
エリザベスを演技指導するロチェスター

「ありがとう。実は、ぼくもあのシーンが大好きなんだ。いったん台詞を読んだエリザベスに対して、ロチェスターが言うよね。『もし男を本気で愛したことがあるなら、もっと後悔の念を込めて言うんじゃないのかな』って。で、その後、彼女は自分の経験や感情を、演じる役柄に当てはめていった。このプロセスこそが、まさに役者の仕事なんだ。つまり、役者の仕事とは“真実”を見つけることなんだよ。これってかなり矛盾した話だよね。ストーリーもそこに登場するキャラクターも架空のものなのに、そこに正直でリアルな感情を持ち込もうとするんだから(笑)」

――先日、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーさんに取材したとき、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新3部作を作る企画があると言っていたんですが、ご存じですか?

「えっ! ほんとに?」

――ええ。「パイレーツ4・5・6」を作りたいと。ぜひあなたには続投して欲しいそうですが、正直どうですか?

「うーん、いま初めて聞いたからなあ。ただ、スパロウ船長を演じるのは本当に楽しくて、あんなのが仕事になるなんて、ほとんど犯罪だよ。いつかこの役とお別れしなきゃいけない時が来るとはわかっているけど、まだその日が来てほしくないと願っている。あとは、脚本を読んだとき、そこになにかしら惹かれる要素があるかどうかだね」

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