劇場公開日 2003年10月25日

「前後編形式で公開したのは正解かも」キル・ビル うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5前後編形式で公開したのは正解かも

2022年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

というのも、後編を見る気にはなれなかったし、前編の予告編で見たいと思う気持ちが盛り上がって、劇場に足を運ぶまでがピークの映画だから。そこからは徐々にテンションが下がっていくのが自分でもわかるほどに覚めていった。

タランティーノにとって、低迷期を脱した久々のヒットで、「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ~繋がれざる者」の傑作を生みだすのだから、この映画も十分に意味のあった作品と言えるでしょう。ユマ・サーマンの衣装がブルース・リーっぽかったり、武器が日本刀だったりと、まともなアクション映画ではありませんが、タランティーノの世界観を楽しめるひとならある程度のクオリティを超えていることが分かるはず。

最近は、ユマ・サーマンとプロデューサーのワインステインの確執というか、セクハラ行為の告発が話題になっていますが、それを黙認してしまったタランティーノの行為も含めて、もうこの座組で映画が製作されることは無いと思えば、フィルムに宿るユマ・サーマンの表情に、演技以上の怨念がこもっている気がするのは考えすぎでしょうか。

2018.2.5

うそつきカモメ