「大成長!!劇的ビフォーアフター。 シリーズは一気にダークな展開へ…🌑」ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
大成長!!劇的ビフォーアフター。 シリーズは一気にダークな展開へ…🌑
魔法ファンタジー映画、『ハリー・ポッター』シリーズの第3作。
魔法界の監獄「アズカバン」から、殺人鬼シリウス・ブラックが脱獄する。
混乱する事態の中、ハリーの両親の死の真相が徐々に明らかになってゆく…。
前2作で監督を務めたクリス・コロンバスが降板。
代わりに監督を務めるのは、『大いなる遺産』『天国の口、終わりの楽園。』の、後のオスカー監督アルフォンソ・キュアロン。
○キャスト
ハリー・ポッター…ダニエル・ラドクリフ。
ロン・ウィーズリー…ルパート・グリント。
ハーマイオニー・グレンジャー…エマ・ワトソン。
セブルス・スネイプ…アラン・リックマン。
ミネルバ・マクゴナガル…マギー・スミス。
原作はJ・K・ローリング。
新たなキャストとして、脱獄囚シリウス・ブラックを演じるのは『レオン』『ハンニバル』の、後のオスカー俳優ゲイリー・オールドマン。
「占い学」の教師、シビル・トレローニーを演じるのは『日の名残り』『ラブ・アクチュアリー』の、オスカー女優デイム・エマ・トンプソン,DBE。
😖「スリザリンは嫌だ…。スリザリンは嫌だ…。」
🎩「ほぉ。スリザリンは嫌かね。それほど嫌だというのなら…。ア ズ カ バ ンンンンん !!!」
😨「………………(゚ω゚)………。。。」
というネタでもお馴染み、「アズカバン」。
『アズカバンの囚人』というタイトルではあるが、別にハリーがアズカバンに収監される訳ではない。
いつもの通り、ホグワーツが舞台である。
これをマンネリと捉えるか、安心と捉えるかは貴方次第です。
『ハリポ』ファンの間で最高傑作と名高い『アズカバン』。
確かに原作小説は『アズカバン』が一番面白い!
シリウス・ブラックやディメンター、狼人間など、これまでを遥かに凌ぐホラー要素と、次々と提示される謎and謎。
そして、クライマックスで明らかになる驚愕の真実…😳
この『アズカバン』によって、『ハリポ』が児童文学という枠を超えた、世界を揺るがす新時代のビッグ・カルチャーである、と世間が認め始めたような気がします。
原作の中身はめちゃくちゃ濃い。
それを一本の映画に纏めようとしているため、本作はこれまで以上にダイジェスト感が酷い🌀
特に冒頭、マグル界のシークエンスは明らかに説明が足りていない。
何故ハリーが「漏れ鍋」というパブへ向かおうと思ったのか、何故そこに魔法省大臣のファッジが居たのか。
そのあたりのことを省略しすぎていて意味不明になってしまっている。
また、原作小説はたしかに面白いのだが、お話の内容は過去作と比べると遥かに地味。
巨大な怪物をやっつける訳でもなし、ホグワーツに隠された秘密を暴く訳でもなし、ヴォルデモートと対決する訳でもなし…。
小説なら地味なお話でも問題ないんだけど、やっぱり映像媒体である映画になると、とりわけ本作のような娯楽映画になると、もう少し派手なアクションシーンを求めてしまう。
絵面や物語の地味さは否めないが、それでもなお本作が観客の目を惹きつけるのは、ルックがバキバキにカッコ良いからっ!✨
デヴィッド・フィンチャーの『セブン』を思い出すような、陰影のくっきりとしたダークな画作りがめちゃくちゃカッコ良い!しかもそれが映画のトーンとピッタリ。
ファミリー映画ど真ん中な『賢者の石』や『秘密の部屋』では、こういう画作りは出来なかったでしょうね。
誰が監督をクリス・コロンバスからアルフォンソ・キュアロンに変更したのかは不明ですが、これは名采配としか言いようがない👏
クリス・コロンバスは間違いなく名匠だが、やっぱりファミリームービーメーカーだからどうしても映画が明るくなっちゃう。
『アズカバン』はもはやファミリー・ムービーとは言い難い暗さを持った映画なので、クリス・コロンバスとは相性が悪かったのだと思う。まぁクリス・コロンバスが作った『アズカバン』も観てみたいけど。
『ハリポ』を観ていて強く思うのは、シリーズ全体のヴィジョンが明確だな〜、ということ。
近年の大作映画は、明確なヴィジョンを持たないまま、ものすごく場当たり的にシリーズを展開させていく傾向がありますが(『SW』とか『ジュラシック』とか…)、『ハリポ』は違う。
クライマックスまでの道筋をきちんと思い描きながら、映画制作を行なっている。
例えば、「暴れ柳」。
これは本作のキー・アイテムである訳だが、ちゃんと前作『秘密の部屋』で、さりげなく登場させている。
また、ハリー・ロン・ハーマイオニーの関係性も、きちんと続編のことを考えられた描写がなされている。
バックビークの処刑を知り、涙を流すハーマイオニーがどちらの肩に寄り添ったのか…。この何気ない描写で、今後この3人がどういった人間関係に落ち着いていくのかが暗示されている。
スネイプ/シリウス/ルーピンの関係も、明らかに過去に何かがあったことを匂わせるような描写がなされている。
スネイプがハリーに向かって言った「お前の父親も傲慢で威張り腐っていた」という発言。
ハリーは当然この発言を(生意気な口調で)否定する訳だけど、これも後々にちゃんと活きてくるやりとりですよね。本当に先のことまで考えて映画を作っている。
偉い!!👏
もちろんこれはJ・K・ローリングという絶対的な原作者がいるからこそ成せることなんだろうけど、これは映画の制作サイドがちゃんと原作者を尊重し、彼女にも映画制作に深く関わってもらっているからこそ。
良くも悪くも原作とはまるで違う物語になってしまうことは、映画の世界ではよくあることですが、本シリーズに関しては原作の世界観/ストーリーを完璧に再現していると思います。
まぁそのため、少々息苦しさを感じるのもまた事実ですが…😅
とまぁぶつくさ言ってきましたが、本作の感想を正直に述べるとただ一言。
「みんな大人になっとるーーーっ!!!💦」
前作まではちびっ子だったハリー達が、本作ではもう完全に青年。
ハリーもロンもめっちゃイケメンになってるし、ハーマイオニーなんてとんでもない美人になってる✨
ダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンは当時15〜16歳くらい。そりゃあこのくらいの色気は出てくるかー。
『賢者の石』の頃とはもうほとんど別人っす。
個人的にはクリス・コロンバスが監督をやっていた頃の、牧歌的なファミリー映画路線が好きなんだけど、この映画も決して悪くない。
後にオスカーを獲得するアルフォンソ・キュアロンが監督をしているし、ゲイリー・オールドマンやエマ・トンプソンと言ったレジェンド級の名優も出演しているので、『ハリポ』には興味が無いような硬派な映画ファンにも観て欲しい一本。
※タイムトラベルを可能にするトンデモアイテムを、軽々と生徒にあげちゃうマクゴナガル先生って一体何者…?
魔法世界では逆転時計ってそれ程珍しくないのか?
いやいやいや、誰も彼もがこんな激ヤバアイテム持ってたら世界がおかしくなっちゃうし。
うーむ…。やはりタイム・トラベルについてはよくわからないし、考えたくもない🌀
監督が変わった象徴が、3人が制服着てないって事で、私服にこだわったらしいです。でも私は(日本人だからか)制服の3人が好きです。学校と外の生活のメリハリとしても今後学校の外が多く出て来て学校メインがなくなって来るから尚更制服着て欲しかったと思うのです。