劇場公開日 2002年11月23日

ハリー・ポッターと秘密の部屋 : 特集

2002年11月18日更新

まだまだ続くこのシリーズ、順調に「2」を終えたところばかりだが、現時点でシリーズの未来に不安を抱くのは我々だけではないだろう。そこで、先々心配なポイントをちょっとおさらいしてみたい。

ココが気になる！今後のシリーズ展開

（編集部）

■監督が次々に交替する……かも？

「1」「2」のクリス・コロンバス監督は製作に回り、新監督はアルフォンソ・キュアロンに。その抜擢の理由はおそらく3つ。まず、これまで「リトル・プリンセス」「大いなる遺産」と、英国の古典文芸作の映画化経験があること。次に、新作「天国の口、終りの楽園。」で「3」のハリーやロンたちに近い年頃の、10代の少年俳優たちを演出していること。そしてもうひとつは、コロンバスとまったく異なる作風をもっていること。つまり、これまでの路線を踏襲しながらも、シリーズに新たな風を投入するための人選だと思われる。

そもそも原作は、毎回、決まった枠組みももつ作品。同じ学校、同じ1年間、毎回「闇の魔法に対する防衛術」の新たな先生がやってきて、例の球技クィディッチの試合がある。そこで新味を出すには監督交代がてっとり早い。キャストもILMも同じなんだから。しかしキュアロン監督は、南国風の光線と色彩で魅力を発揮する作風。彼があの英国式の寄宿舎世界をどう描くのか、かなり大胆な選択な気も？　「リトル・プリンセス」も悪くないが英国っぽくはなかったんだよなあ。コロンバス版もかなりお子さまな英国だから、ま、いいのか（もしヒットしたとして、「4」の監督は続投なのか、また新監督を起用するのか、製作陣の決断にも興味津々）。

■上映時間は、ますます長くなる？

「1」は455ページで2時間32分、「2」は506ページで2時間41分。「3」はもっと厚く568ページだから3時間になる？　しかも原作は長くなる一方で「4」は上下2巻、つい先頃書き上がった「5」はやはり「4」より少し長いとか。映画は原作と長さを合わせる必要はないが、伏線のために落とせないサブキャラが増加、もともと細かいエピソードを重ねる構成の作品だけに、省略するのはむずかしい？　そもそも「1」の上映時間からしてファミリー・ムービーとしては長すぎ。これ以上長くなったら、小さなお客さんはトイレが心配？

■キャストが続々と変わっちゃう？

子供3人は「3」まで契約済み。「2」の撮影中には「成長したから『3』には似合わないかも」と発言していたラドクリフ君もその後、続投を公式発言。しかし、彼の成長ぶりを見ても、その不安には説得力がある。ファンが彼らの成長ぶりに違和感を覚えないかが心配ポイント。

ダンブルドア校長のリチャード・ハリス（右から2番目）とスネイプ先生役のアラン・リックマン（右端）

そして、亡くなったダンブルドア校長役のリチャード・ハリスの代役俳優はまだ未決定。この物語世界の「善」の象徴ともいうべき存在だけに、キャスティングは重要。だからって「ロード・オブ・ザ・リング」で役割が同じ、ガンダルフ俳優をもってくるてな発想は、ちょいと安直すぎるってもんでしょ？

もうひとりの重要キャラ、スネイプ先生役のアラン・リックマンも「2」の撮影中に「もう出たくない」発言をしたというウワサ。確かに、原作のスネイプは、彼の演技力を発揮する余地のある複雑なキャラクターなのだが、映画のスネイプにはそれがまるでなし。これが不満につながっても無理はないと思われるが、続投はさて？　また、「3」で新登場するキャラには、シリーズ全体の重要キャラもいる。原作「1」で言及されたシリウス・ブラック、「1」「2」にも出てきた（と言ってもいい）ピーター・ペティグリューのキャスティングも気になるところ。

■“真夏の”ハリー・ポッターに？

「1」「2」は全米秋公開、日本では正月映画、原作者が英国人、舞台が北国英国を思わせるせいもあって、なんとなく寒い時期の映画のイメージが定着。ハリーたちの制服も北国仕様、あのケープとマフラーがポイントでしょ。これが「3」は日米ともに夏休み映画になる予定、ハリーたちも夏服に？　シリーズのマンネリ化防止には効果がありそうだけど、これまでのファンがイメージが違うとか言いそうな気もするが？

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