「人間の業を背負いなさいという、説法臭い恋愛映画」エターナル・サンシャイン ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
人間の業を背負いなさいという、説法臭い恋愛映画
全部記憶を消しても、何かが残っているような気もするし、
やっぱり覚えてはいないし、
そもそも価値観や性格は変わってないのだから、
同じような行動原理を取ったりするし、
以前のように再び惹かれあったりするし、
記憶を消した事すら忘れているのだけれど、
消したという事実は薄っすら物理的に残ったりはしているので、
記憶を消した事実は事実として認識はするのだけれど、
なぜ消したのかと言えば、失敗したから消したわけだけど、
再び失敗すると予感はありつつも、
それでも、まあ、いっか。
と開き直るお話。
過去について後悔はしているから、「ファーストキス 1ST KISS」のように、
タイムリープしてやり直し修正するわけでもなく、
治療と称した装置による記憶消去という手段。
つまり、前世と今世の「記憶」の繋がりを断絶するようなことを、
今世の一定期間のうちに断絶を施行することなので、
同じような事を繰り返すかもしれないし、
別の事をするかもしれない。
特に、過ちを繰り返す可能性は極めて高く、人間の業についてのテーマであり、
その業を容認しなさい、業を背負いなさいという話であるから、
因果応報の話である。
この作品の中では、業を解放するわけでもなく、
運命を素直に受け入れる形を、行動の答えにしているので、
業が深い人が観た場合、かなりしんどいラストになると思った。
嫌いとか、受け入れ難いと感じる観客視聴者も、相当いるのではないだろうか。
スッキリはしないし、厳密にはハッピーエンドというよりは、
真理に対する悟りを意識するお話だった。
コメントする