少女はアンデスの星を見た

劇場公開日:2025年12月20日

解説・あらすじ

1980年代のペルー・アンデス地域を舞台に、古いしきたりと差別意識を背景に起きた少女の悲劇的な物語をモノクロ映像で描いたドラマ。

「夜明けに輝く星」という意味を持つ「ヤナワラ」と名づけられた少女。母親は彼女を出産して亡くなり、父親も落雷で命を落とした。落雷のショックでヤナワラは言葉を発しなくなったが、雄大なアンデスの山々と動物たちに囲まれ、祖父エバリストの愛情のもと健やかに成長した。やがて思春期になったヤナワラに教育を受けさせたいと考えた祖父は、新任の教師に読み書きを教えてもらおうと、共同体唯一の小さな学校に彼女を連れていく。それは生活を豊かにする機会に思えたが、教師から受けた暴力により、さらなる悲劇が起こる。祖父は愛する孫娘を恐ろしい運命から救いたい一心で、ある決断を下す。

主人公ヤナワラ役には、撮影地のコントゥリリ地区でスカウトされたルス・ディアナ・ママミを抜てき。2017年の長編デビュー作「アンデス、ふたりぼっち」が国内外で高く評価されたペルーのオスカル・カタコラ監督が長編第2作として制作を開始したが、本作撮影中に病気で急逝。オスカル監督と長年コンビを組み映画制作を続けてきた叔父ティト・カタコラが監督を引き継ぎ完成させた。

2023年製作/104分/PG12/ペルー
原題または英題:Yana-Wara
配給:ブエナワイカ
劇場公開日:2025年12月20日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16

(C)2023 CINE AYMARA STUDIOS

映画レビュー

3.5 モノクローム映像の鮮烈さ、力強さに引き寄せられる

2025年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

スクリーンを介して世界各地の様々な情景や文化や物語に浸れるのが映画の醍醐味の一つとするなら、ペルーから届いた本作も我々を原点に立ち返らせてくれる貴重な一作だ。時は1980年代。ゴツゴツした岩肌に囲まれ、山々がそびえ立ち、手を伸ばせば空がもうすぐそこに広がる。そんなアンデスの自然をバックにモノクロームで描かれゆく少女の悲劇的な人生は、時に心奪われるほど鮮烈で、時に夢かうつつか判別できなくなるほど幻想的。とりわけ強く浮かび上がるのは、主人公を極限まで苦しめる旧態前とした共同体のあり方や差別意識に他ならない。少女の名前「ヤナワラ」(原題でもある)とは夜明けに輝く星の意。まだ社会的な夜明けには程遠いが、本作には寡黙な少女の瞳を通じて観る者に「どうすべきだったのか?」と問いかける”ひたむきさ”がある。アンデスの地をひたすら彷徨い、なおかつ夭逝した監督が掲げる問題意識にも真向かえる意義深い作品である。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
牛津厚信

4.0 貧困や無知が関わる辛い物語だけど アンデスに伝わる昔話や民話のような不思議な趣きあり

2026年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

生まれて初めて観たペルー映画(たぶん)。

中南米って、ブラジルがポルトガル語で他はスペイン語でしょ、ぐらいの認識しかなかったから、聞き覚えのない言語が話されていて、けっこうびっくりしました。強弱のアクセントとか高低の声調とかがあまりなく平坦で一音一音がはっきりしてる感じ。さっそく検索してみたら「アイマラ語」とのこと。主に南米のアンデス地域に住む先住民族の「アイマラ族」が話す言語で、話者はボリビアに約120万人、ペルーに約30万人、その他、チリやアルゼンチンにもいてトータルで200万人ほどだそうです。面白いと思ったのは、このアイマラ語、センテンスの基本的な構造がSOV型で動詞が最後にくるところとか、活用や派生語の生成を語根と接尾辞の組み合わせで行なうところとかで、日本語と共通点が多く、日本人にとって親しみやすい言語だそうです(とは言ってみたものの、日本人のアイマラ語学習者の数は限りなくゼロに近いと思われます)。

ということで、この映画は、話者数で言えば新潟県や名古屋市の人口より少ない言語で語られている物語ということになります。そうすることの意義が大いにあったということなのでしょうね。物語の中心にいるのは、1980年代のペルー、アンデスの山あいの村落共同体で暮らすヤナワラ(「夜明けに輝く星」という意味を持つらしい)という名の、思春期を迎えた少女と、彼女のおじいさんです。少女の母親は彼女を出産した直後に亡くなり、その後、父親は落雷で亡くなっています。この生い立ちを聞いただけで、かなりの不運や不幸を感じるのですが、少女の身の上にとても理不尽な出来事が起こります。落雷なら天災ですが、彼女の身に降りかかったのは忌まわしき人災でした。物語ではその人災の原因たる加害者が大きな罰を受ける様子などは描かれていません。

結局、少女のおじいさんがある決断をしなければならなくなります。本当に悲しくて辛い物語なのですが、モノクロの画面でアンデスの山あいの風景を背景に展開されると、どこか幻想的な雰囲気が漂います。なんだか、民間伝承で伝わってきた昔話か民話みたい。私はこの映画を見ながら、あのおじいちゃんがアンデスの山のてっぺんから天に昇り、弱い者に悪さをする輩を見つけるとそいつに雷を落とすという教訓めいたオチをつけたらどうかと考えておりました。

なお、この映画の撮影開始時の監督オスカル•カタコラは撮影途中の2021年に34歳の若さで病気にて急逝、叔父のティト•カタコラが監督を引き継いで完成させたそうです。上述した話者が少ない言語による作品であることやできあがった作品を観ると、恐らくはそんなにカネがかかっているとは思えませんが、何か作り手側のこれを伝えたいという心意気みたいなものを感じました。

こうやって、我々日本人からすると地球の裏側みたいなところに位置しているペルーのアンデス地方の物語に触れることができるというのも映画の醍醐味のひとつかな。思い立って、アンデスのフォルクローレの代表曲『コンドルは飛んで行く』を聴いています。Spotify で検索したら、いろいろなアーティストが手がけていて、聴き比べるとけっこう楽しめます。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
Freddie3v

4.5 リアルな童話  アンデスの女性問題は普遍的な世界にもつながるテーマ

2026年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

おじいさんと少女の物語は、悲しい。
オカルト好きも見たがる呪術や占い、タロットともつながる不思議な映画。
角由紀子さんや都市ボーイズにも見ていただいてコメントを聞いてみたい。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
KSクッキー

5.0 過酷

2026年1月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

Peru🇵🇪の映画で国内7館startが悔やまれるほど社会的・政治的主張が強い映画です。fictionではあるのだが影の部分に重点を置いている。物語は主人公の女の子と寝食を一緒にする祖父の口から語られる。主役はこの祖父と言っても過言では無い。そして女の子に襲いかかる試練は筆舌に尽くし難い 映像は黒白のmonochromeを採用していますがある意味妥当と言えます。美しいアンデスの山々に吹く不気味な風が終始この映画を支配している様に感じました。2026年の日本に住んでいる者からするとこの地域の隔絶した共同体に困惑しつつも彼等なりの合理があったのではなかろうか Peruと民間伝承 基督教と山岳信仰  購入したprogramを読みながら考えてみたい  映画の完成を待たずに亡くなられたOscar Catacora監督には謹んで哀悼の意を表します。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
麻婆春雨と担々麺 大盛