シャルルとリュシー

劇場公開日:2025年12月26日

解説・あらすじ

アルゼンチン出身でフランスで活動した不世出の映画作家ネリー・カプランが1979年に手がけた長編劇映画第4作で、豪邸を相続した倦怠期の夫婦の旅路をコミカルに描いたロードムービー。

初老の夫婦シャルルとリュシーは、それぞれ無能な骨董品商と掃除人として働きながら慎ましく暮らしていた。そんなある日、南フランスの豪邸を相続したとの知らせを受けたことで、夫婦の退屈な日常は一変。2人は早速南フランスへと向かうが、目的の豪邸はなかなか見つからず……。

「夜霧の恋人たち」のダニエル・チェカルディがシャルル、「さよならの微笑」のジネット・ガルサンがリュシーを演じ、カプラン監督が占い師役で出演。フランスの有名歌手で作曲家のピエール・ペレが音楽を手がけた。日本では、特集上映「ネリー・カプラン レトロスペクティヴ」(2025年12月26日~、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほか全国順次公開)にて劇場初公開。

1979年製作/98分/G/フランス
原題または英題:Charles et Lucie
配給:グッチーズ・フリースクール
劇場公開日:2025年12月26日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10

(C)1979 Cythère films – Paris

映画レビュー

4.0 シニアになったアダムとイヴ、俺たちに明日はあったの?

2025年12月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

クスッと笑わせるコメディシーンとペーソス漂うシリアスシーンの振れ幅がいい塩梅。
ドタバタに堕する寸前で留まり、ジョルジュ・ドルリュー風の哀愁の劇伴が支配する。その後一転して軽快な主題歌に切り替わる(この歌結構好き)。

荒唐無稽に見えるが、結構細かいところまで練られている。
妙にまったりしてる制服警官ふたりの会話が食欲を刺激するシーンは絶妙。
家なき子愛読者の意地悪な番台や、手のひら返して集金に回るレストラン主人など現実的な設定で面白い。逆に魚をくれた女の子はいいキャラだし、包んでいた新聞で殺人犯の存在を知るくだりはうまい。
占い師との出会いがまたいい。緑の光線はロメール版よりは人工的だが、あの占い師には合っている。

なんだかんだ言っても芸は身を助く。リシューには歌があったし、シャルルもささっと車を修理出来た、やれば出来ますやん。人を思いやり逞しく生きる。やっぱり二人に明日はあったね。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
sugar bread

4.0 「緑の光線」は幸運のしるし?

2025年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

ネリー・カプラン レトロスペクティヴにて鑑賞。今回公開4作品の中でもかなり気に入った作品。笑いとペーソスが詰まったロードムービーで、最後のドンデン返しあり、味わい深いエンディングありと映画として申し分ない作りあがりでした。ふたりの名前が曲名の主題歌の軽妙なシャンソンも良かった。

主人公は目が利かず(重要な伏線)骨董店を破産させ、詐病で碌に仕事しないダメな夫と、昔は歌手でステージにも立ってた(重要な伏線)が今は掃除婦として家計を支える生活に疲れた妻。

このふたりが詐欺被害にあって全財産を失ったうえに、成り行きで警察に追われることとなる。一文なしで空きっ腹かかえて南仏を逃げ回るうちに怪しい人々と出会ったり、海で漂流したり、強盗に身ぐるみ剥がれたり(本当にスッポンポンにされる)と結構悲惨な状況にどんどん追い込まれるが、土壇場で打った大芝居から事態は思わぬ方向へ…というお話。

コメディなんで最後はハッピーな結末なんだが、隠居して悠々自適な生活を送るわけではなく彼らが最後に選ぶ生き方が素敵です。日本なら矢口史靖監督あたりでリメイクしたらいいかなという雰囲気(山田洋次はヤダ)

ところで、公式解説の「エリック・ロメールより数年早くアレを画面に捉えた…」という思わせぶりな説明の「アレ」とは主人公たちが逃避行中に出会う女占い師(ネリー・カプラン本人)と海辺で目撃する「緑の光線」という気象現象。ロメール監督の同名作品が1986年だけど本作は1979年だよと言いたいようだ。

この水平線に太陽が沈む一瞬に発するとされる緑の光線を目撃すると、自分と他人の心の中が見えるようになる(幸運のしるしという記述もある)という言い伝えで、さらに元ネタを辿るとジュール・ヴェルヌの同名の恋愛小説なんだって。掘ったら意外に深かった。

鑑賞時にはこのシーンの意味が???だったがアレも結末を暗示してたのね。

コメントする 2件)
共感した! 3件)
ばとー

5.0 『火焔太鼓』にせず、夫婦で裸一貫になって得た幸せ🍎

2025年12月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

カワイイ

うまい話がヨーロッパにもあるもんだなあと暫く映画を眺めていた。落語『火焔太鼓』の甚兵衛さんのように骨董商の夫シャルルは目利きでない、妻のリュシーはしっかり者だ。それがだんだんおかしくなって被害者は彼らなのに警察から追われる身になってしまう❗️60代夫妻に何と酷な!でも歌手だったリュシーの前向き強さ明るさがへなちょこ旦那シャルルを徐々にシャキッとさせていく。こんな旅ができてよかったね、もっと前から色んな所に旅行していればよかったね、というやりとりは可愛くもあり真実で心打たれた。

道中、色んなことが起こり色んな人々に遭遇するすべてのシーンでたくさん笑えてドキドキして楽しかった。そして素敵な占い師(カプラン監督自身とは!)から夢のような将来を言われても、ああそうですか状態。道中で「おなか、すいた~」と何度も言う小柄なリュシーが可愛かった。普通は「腹減った」という発語で、命令(要求):「早く飯を作れ」という発話内行為を(男・子どもは)遂行している。でもシャルルがそんなことわかる訳ないから、リュシーはあくまで純粋に無垢に空腹感を表現している❗️だから余計に愛おしかった。真っ裸の二人が海に入っていく後ろ姿がよかった。60代の二人。そういう彼らの裸を映すことは素敵で大事だと思う。みんな身体そうなるんだよ、でも楽しそうじゃない?身体の真実も顔の真実もちゃんと見て愛して愛おしく思おうよ!っていうメッセージをもらった❗️

リュシーに感化され、シャルルは声も美しく深く低くなり最高の語り手となる。この作品、大好きだ💕

コメントする (0件)
共感した! 4件)
talisman