ダンサー・イン・ザ・ダークのレビュー・感想・評価
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苛立つ鬱と、刹那見る夢
たまらなく暗く鬱。
盲目の主人公は心根すら弱者で、降りかかる火の粉を払いのける姿勢も見せない。
しかも人に頼るというある種の勇気も見せない彼女は傲慢にさえ感じる。
観ている内にもどかしさが募り、主人公への苛立ちが募っていくだろう。
守るべきものがいるのに、戦いもせずひたすら落ちていく彼女。
その彼女が現実逃避で描く夢がミュージカルとして度々登場するのだが
吐き気がするほど暗く、腹が立つほど弱い姿をたんまりと見せられ続けるからこそ
このミュージカルシーンの輝きは強烈で胸を打つ。
それぞれたった数分の場面だが
盲目の彼女の力強い歌声だけが、この映画では光であり唯一の救いになっている。
だが、すぐさま妄想の光は途切れ現実に戻されると
変わらず救いは見あたらず、救いの手が見えかけても弱さに囚われている彼女は自らの手を伸ばしもしない。
そして、観客である自分は当然何も出来ないまま
うなだれたくなるほどのラストシーンに連れていかれる。
なぜこんな結末を見させられねばならないのか。
救われるチャンスも幾度かあったのに、なぜこうなってしまったのか。
あれほど夢で力強くなれるなら、もっと何かできただろうに。
そういうやりきれなさに覆われる。
しかし思えば、世の中そんな事ばかりで
自分も同じ穴のムジナ。
救いとは何か。
求めるものか、掴むものか。
願いも虚しく散ったラストに押し寄せる腹立たしい無力感。
救われるのも救うのも願うだけでは駄目だと痛感。
ようは反面教師、落ちる前に全力でもがこうぜ。そういう映画だ。
苦しい
不器用で頑固で自立心が強い
誰よりも人の幸せを願える人
自分が失明することよりも
息子が失明することを恐れ
力強く、時に脆く生きる姿
自身の死をもって誰かの道を開く
彼女の全てだったんだと思い知る
久しぶりに見たので
10数年振りに見ました。
それでもストーリーの大筋と劇中の歌は大体覚えていて、良くも悪くも印象が強い作品だったのだと思います。
年を重ねてもセルマに共感できない部分はあるのですが、昔よりは腑に落ちたというか…
うまく立ち回れない感じとか、いろいろなものに追われて心が安定しない感じとかは、うんうんと頷いて見てました。
もどかしさとやるせなさを多分に含んだ作品ですが、また数年後に見たら思うことも変わるのかもしれません。
救いがない?嘘でしょ?
ビョークの歌声、最高でした。
でもこれ、報われない話なのかと思うとそうじゃない。彼女は生涯の目標であった、赤ん坊を腕に抱き上げることと、息子の目を治すことをやり遂げて、しんでいったのだから。
ただ、周りの彼女を本気で愛していた人にとって、報われないのはそうかもしれない。
久し振りに鑑賞☆
評価が別れるところではあるけど
自分的には理解に苦しむ。
ホント、誰得?
心底 子を思う気持ちがあるからこそのエンドなのかもだけど、自分自身に溺れてる感満載で、観てて終始イライラする。
後味も悪いし。
こういうのを美化したような評価の意味が良くわからん。
好みがズバッと別れる作品なのだろう。
あまりにも理不尽…でも…
評価がものすごく低い人の気持ちもすごくわかります。感想は多分同じところを言ってるんだと思うし。
私も観ていて辛かったし、何度も「もー無理」って気持ちになりました。主人公が可哀想すぎて耐えれないほどでした。
でも…一度は観るべき映画と思ってたし、観てみて良かったと思ってます。
うまく表現できないのですが、感動とかとは違うとんでもない感情が私の中に残りました。
観終わったあとに心に何か残っているのが素晴らしい作品だと言うのであれば、ダンサー・イン・ザ・ダークは素晴らしい作品なのだと思う。
辛すぎる
とにかく辛すぎる。
辛いシーンに明るいミュージカル要素が重なったりして感情がもみくちゃにされて、気づいたら呆然と泣いていた。
後味の悪い映画は嫌いじゃないので星4。
落ち込んでる人は観ない方がいいと思います。
悲しくて辛い
母親が私の勧めで観て、
「あまりにも悲しくて辛くて見たくない」と言ったのが印象的。
当時は高校生で母親の気持ちがわからなかったから、
その話題性だけですごい映画なんだろうなと思って観ていた。
そのため、内容があんまりわからなかった。
今は、年齢を重ねた分、
愛情をもって慎ましく日常を送ることが奇跡であると思うようになり、
この物語はあまりにも悲しくて辛くて見たくない。
ビョークが愛おしい
後味悪い映画とか言われてるけど
そこだけじゃないかなって思った
ホームビデオのように撮られてて
すごくリアルに思える
ドキュメンタリーのようにもみえる
目とか金とか母であることとか
いろんな災難というか悪運に襲われる
主人公だけど、こちらが心配してるのを
越すくらいのミュージカル妄想が入ったり
本人の根っこの部分の強さだったり
それが見えたのがよかった
ただラストシーンでは
抑え切れなくなった感情が溢れてて
号泣もんだった
彼女は町の人に好かれてて
すごく優しくされててそれがまた泣けた
人に優しくしようと思える素晴らしい映画でした
セルマが不器用すぎてイライラ。独りよがり。周りに頼れる人が沢山いた...
セルマが不器用すぎてイライラ。独りよがり。周りに頼れる人が沢山いたのに、むしろ相手から手を差し伸べてくれさえもしたのに。なぜはねのける。意地っ張りで頑固で世間知らずで頭が弱く現実逃避癖もあるという問題の多い主人公。いい所もあるんだけどね。
セルマはひたすら、ジーンを不安にさせると目に影響するからって色々なことを隠していたけど、母親が人殺して会ってくれないことが1番不安でしょって思うんだけど実際どーなの。
ジーンの病状がどのくらい進行してるのかとか手術は本当に今じゃなきゃダメだったのかとか、分からない点が多い。凄く頑固で極端な人物に見えてしまう。
まあそれだけ生まれてからずっと失明の恐怖と戦ってたんだと思うけど……。劇中では、必要なものは全て見た~みたいな曲が1番好き。そんなはずないのに。セルマの強く生きようとする姿勢と頑なさがよく出た歌。
とにかく!!もっと冷静に対処してればこんな結末にはならなかったと思うけど、まあ、実際どうしてこうなったってことあるしなあ……。セルマのこと言えるほど皆うまく生きれてないよね。
セルマの嘘は痛いしくて、そんな嘘つかなきゃいいのにってイライラしちゃうんだけど、守るべきものがあるからつける嘘ではあるなと。母ですね。
心情描写とミュージカルシーンは満足だったけど、設定がちょっと甘くて入り込めないところが多々あったかな。
ミュージカルシーンは見事。素晴らしい表現力、歌声、生き生きと踊るセルマ。その明るさと対比するようにどんどん暗くなっていく現実。
まさかここまで落ちるとは思っていなかった。
最後のシーンは辛すぎる。看守のおばはんが美味しい役所かっさらったな。
とにかく暗くて、見てるこっちも沈みました。この後も真実は明らかにならず終わるんだろうか……。本筋はそこじゃないから描かれないけど、そこが気になってしまいます。
衝撃のラスト なんだろ、後味はマジで悪い なんとも言えない気分にな...
衝撃のラスト
なんだろ、後味はマジで悪い
なんとも言えない気分になる
独特な雰囲気を味わいたい人にはオススメ
内容を楽しむものではなく、ミュージカルを楽しむ映画
観ている途中に何回も泣いた。
なんでだっけ。
まず、主演がビョークって映画が始まってから知った。
それくらい何の前知識もなかったから、
最初はサスペンスホラーかと思ってた。
けど違った。じゃあこれはヒューマンドラマかというとそれも違う。
おそらくミュージカルムービーになるのだと思う。
ビョークが劇中で歌って踊るミュージカルが、ただただ素晴らしい。
あー、涙が出たのはいつも、ミュージカルの時。
劇中6つのミュージカルが織り込まれている。
ただサントラで音楽を聴くだけではだめ。
映画として物語が流れてる中で聴くからこそ
歌詞ひとつひとつの意味がすべて消化されていく。
話の内容自体は暗くて暗い。
幸せという言葉がどこにもない。
けど、これは内容を楽しむものではなく、ミュージカルを楽しむ映画だと思う。
ストーリー のついでの ミュージカルではなく、
ミュージカル のついでの ストーリー。
この映画のテーマソングともいえるi've seen it allは、
ことばのひとつひとつが心にささる。
劇中はほとんどが手ブレの映像であり、ミュージカルになった途端
カメラは固定され、現実から妄想へと移行したんだな、とわかる。
ありきたりな映画と違って最後まで幸せが見出せないのも潔くていい。
目が見える私たちは、まだ見なければならないものがたくさんある。
それは海外にも、未来にも、目の前にも。
少なくとも私はまだi've seen it allとは言えない。
2010/6/22@メディラボ
デンマーク映画
監督:ラース・フォン・トリアー
主演:ビョーク
公開:2000年9月8日(丁)
2000年12月23日(日)
制作費:$12,800,000
不思議ちゃん
空想の世界でミュージカル。
ビョークの歌声にキュートな魅力と楽しくなるが現実との対比が酷過ぎる。
彼女は親として子育てには向いていない不器用さで息子の手術代のみに生きる希望を逃避の為のミュージカルが無邪気に存在する。
D・モースとの遣り取りは目を覆いたくなる理不尽さが絡んで苦しくなる。
まだビョークに寄り添える人々が存在していたのが救いだったが、ラストは....。
気にはなってました。
借りに行くたびに気にはなってたんですが、ようやく観れました。
結構前の映画でビックリしました。
冒頭から引き込まれ、不思議な世界観に入り込んだ感じです。
中盤のタップのシーンには脱帽・・・
良い映画でしたf^_^;
NO,1 トラウマ映画
この映画のミュージカルシーンは良い!淡々と見せられる暗く、不幸過ぎる現実、弱者として救われない映像から解放されるから…。そしてビョークの魂の歌声には圧倒させられる。流石です。
ただ悪者が平然と暮らして行くのかと思うとかなり胸糞悪い!
ビョーク熱演のラストを迎え、エンディングロールで、何か救える方法が合っただろー!ふざけんな!!と思いつつも、息子を想う母親の愛は本物だなと…
自分の中で、ここまで気持ちが堕ちる映画も珍しいです。
一度は観た方がいい名作だとは思いますが(二度と見たくないけど!)評価が付けづらい…
意味わからんけど話の種にはなる、オススメできる1.5ってことで(笑)
ただただ長く暗いだけの映画だった。 悲劇としてここまで評価される理...
ただただ長く暗いだけの映画だった。
悲劇としてここまで評価される理由は理解できるが、自分の中ではあまり腑に落ちない。
主人公セルマだが、どう考えても他にやりようがあったと思える。どの展開にも救いの手はあったはずである。これは、セルマには病気のことや、息子の手術代を貯金しているという、話すことのできない秘密があったことを理解した上で、である。
救いのない物語では無かったと思える。どうしようもなく救いのない悲劇であったとは、私は思えない。
セルマの周りには頼ることのできる友人がいたはずである。
また、物語の描き方として、周りの友人達の描写、セルマの心情を中の描写とするなら、外の描写があまりなかったことが、わかりにくさを出しているように感じた。
基本、セルマしか映さないカメラだが、セルマの選択、行動に対して周りはどう動くのかは映す必要がないと監督は判断したのかな。
それにしても、あまり、セルマの描写も不十分だったように感じる。
ミュージカルのシーンはとても良かったが、
ミュージカル以外での描写も欲しかった。
全体的に暗いだけで、特徴的なシーンはミュージカルの部分だけ。盛り上がる映画では無いにしろ、オチに惹きつけるための、一つグッと盛り上がるような、感情の爆発した描写が欲しかった。
ただただ暗いだけで、退屈な映画だった。
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