ウォーフェア 戦地最前線

劇場公開日:2026年1月16日

解説・あらすじ

「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のアレックス・ガーランド監督が、同作の軍事アドバイザーを務め、米軍特殊部隊として従軍経験を持つレイ・メンドーサを共同監督に迎えて手がけた戦争アクション。メンドーサのイラク戦争での実体験をもとに、最前線の極限状態を可能な限りリアルに再現した。

2006年、イラクの危険地帯ラマディ。アメリカ軍特殊部隊の8人の小隊が、アルカイダ幹部の監視と狙撃任務に就いていた。ところが、想定よりも早く事態を察知した敵が先制攻撃を仕掛け、市街地での全面衝突が勃発。退路を断たれた小隊は完全に包囲され、重傷者が続出する。部隊の指揮を執ることを諦める者、本部との通信を断つ者、悲鳴を上げる者など、現場は混迷を極めていく。そして負傷した仲間をひきずり、放心状態の隊員たちに、さらなる銃弾が降り注ぐ。

メンドーサの米軍特殊部隊での体験をもとに、同胞の兵士たちへの聞き取りも行って脚本を執筆。メンドーサ役を若手俳優ディファラオ・ウン=ア=タイが演じ、「デトロイト」「ミッドサマー」のウィル・ポールター、「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」のジョセフ・クイン、「SHOGUN 将軍」のコズモ・ジャービス、「メイ・ディセンバー ゆれる真実」のチャールズ・メルトンらが共演する。

2025年製作/95分/PG12/アメリカ
原題または英題:Warfare
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2026年1月16日

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映画レビュー

4.5 これは映画鑑賞ではなく、体験だ。

2026年1月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

これが戦争か。

映画が始まった途端、私は戦場のど真ん中にいた。
いつ爆弾が投げ込まれるのか、いつ敵が襲い掛かってくるのか、いつ銃弾に狙われるのか、ずっと心拍数が上がり、体には力が入りっぱなしで、映画が終わった時、生きてることに心底ホッとした。
4DXで見ているわけではないのに、まるでイマーシブ体験をさせられているかのような生々しさと臨場感。これは映画鑑賞ではない、体験だ。

今まで様々な国の、様々な戦争映画を観てきた。
その度に戦争はダメだと噛み締めるのだが、今回ほど戦争はダメだと思ったことはない。
人間、聞くよりも見るよりも、体験させることが1番効くんだとよくわかった。
怖すぎる。あれは無理だ。
あんなところに自分は1秒だっていたくないし、大切な家族や友人に行ってほしくない。
だから戦争なんて絶対したくない。
そう心から思わせてくれるだけで、とても意義のある作品だと思った。

戦争映画は苦手な人が多いジャンルでもあるから、ドラマチックにして、ヒロイック要素を入れて、派手なガンアクションを入れて、御涙頂戴入れて、ハリウッド感出して…そういうものも多い。それを否定はしないし、そのおかげで見やすくなっている要素もある。
ただきっと、本当に戦争を経験した人からしたら「本物はこんな綺麗なものじゃない」と思うんだろう。
今作は、実際にイラク戦争に従軍した監督が、脚色なし、ハリウッド感なし、劇伴もなし、より忠実に彼らの記憶を再現することに徹底して作られた戦争映画だ。

パンフレットで監督たちの想いを読んだ時、この作品をつくったきっかけは、戦争の後遺症で記憶を無くしてしまった仲間に、あのとき何があったのかを思い出してもらうために作ったとあった。
そうして作っていく過程で「これは、自分たちが経験したものだ」と、兵士たちが思う、嘘偽りのない戦争映画が今までになかったことに気付いたとのこと。彼らは心を殺して戦場にいるから、自分たちの経験を大切な家族にもうまく話せないし、理解してもらえないという。
そんな彼らがこの作品をつくって、やっと解放された気持ちなれたと言っていたのがとても印象深かった。

なので特にこれといった複雑なストーリーや心理描写はない。
また、ヒーローもいなければ、ヴィランもいない。戦争の善悪も語らない。
無添加で原液で、ただ戦争を体験させられる。
そういう作品だ。

今も世界のどこかで、あの状況に陥っているところがあるのかと思うと、怖くてたまらない。
どうか1日でも早く、誰もがあんな経験をせずにすむ世界になってほしいと心から願う。

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共感した! 7件)
AZU

4.0 実体験をリスペクトし、観客の知性を信頼するガーランド監督の謙虚さ

2026年1月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 34件)
ニコ

4.0 砂埃と混沌が今なお胸をざわつかせている

2026年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

ガーランドの収穫期は続く。多岐に渡る彼の作品を端的に言い表すのは難しいが、テクノロジー、宗教、隔絶社会などのあらゆる角度から「人間が人間でいられなくなる瞬間」にこだわり続けているのは確か。とりわけ『シビル・ウォー』と本作は、戦争、すなわち意見の隔たりや憎しみ合いが殺し合いにまで発展する異常事態をマクロとミクロで、なおかつ政治的主観を抜きにして描いた連作と言っていい。さらに『ウォーフェア』にはガーランド的な意表を突くプロットもなく、ただただ95分のリアルタイムの生々しい戦闘に身を投じる/巻き込まれる人々を接写したという意味で衝撃的。迫力や緊迫を超えて無情感が充満し、映画が幕を下ろすと「そもそも彼らはなぜ殺し合っていたのか」という根本的な命題が砂埃と共に胸中をずっとざわつかせる。おそらく当事者としてトラウマを抱えたメンドーサ監督もいまだ問い続ける一人。答えなき思考停止の混沌。それが戦争の現実。

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共感した! 3件)
牛津厚信

4.5 物語に回収されない“戦闘の現実”を描く狙い

2026年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

アレックス・ガーランドは実績豊富なストーリーテラーだ。最初に書いた小説「ザ・ビーチ」が世界的なベストセラーとなり映画化もされ、脚本家としては「28日後...」「サンシャイン2057」、脚本・監督を兼ねた映画では「エクス・マキナ」「MEN 同じ顔の男たち」「シビル・ウォー アメリカ最後の日」と、独創的で記憶に残るストーリーの数々を世に送り出してきた。

「シビル・ウォー」の軍事アドバイザーを務めた元米海軍特殊部隊(SEALs)レイ・メンドーサのイラク戦争従軍体験に着想を得た本作はしかし、劇映画らしいストーリーの構築を意図的に回避しているようだ(メンドーサも共同脚本・共同監督にクレジットされている)。「兵士たちの記憶に基づく」と冒頭で宣言しているように、まず客観的事実よりも戦闘を体験した米兵らの記憶が優先されている。イラク戦争全体を俯瞰する視点も、戦争の大義と個別の戦闘を結びつける意図もない。

8人の小隊が命令に従い市街地に赴き接収した民家で監視と狙撃の任務にあたるうち、周囲を取り囲む民兵との戦闘が唐突に始まる。その緊張、不安、驚愕、興奮、恐怖、痛み、絶望が入り乱れる感情と感覚を、当事者らの記憶に基づき再現し、観客がそれを体感する。

国のため、愛する人や家族のため勇敢に戦う軍人をヒロイックに描く戦争映画が往々にしてプロパガンダに利用され、戦争への国民の支持を集め若者を戦地に送り出してきたことは、忘れてはならない歴史の教訓だ。「シビル・ウォー」と本作「ウォーフェア」を合わせて推測するに、英国出身のガーランド監督は米国をはじめとする世界の情勢に危機感を強め、映画ができること、伝えられることを時代と並走しながら模索し実現しようとしているのだと思う。

物語に回収されない戦闘の現実を描く狙いは、観客ひとりひとりに戦地で殺傷し合う行為を“感覚として”知ってもらうこと。他国の国民と争い戦うことの実態を体感し、自分の頭と心で戦争に向き合うことを願っているのだと私は感じた。

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高森郁哉