突然、君がいなくなって

劇場公開日:2025年6月20日

解説・あらすじ

最愛の人を失いながらも、その悲しみを誰にも打ち明けられない女性が行き場のない気持ちに翻弄される姿を描いた、アイスランド製の人間ドラマ。

レイキャビクの美術大学に通うウナには、ディッディという大切な恋人がいる。しかし彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人クララがいるため、ウナとの関係は周囲に隠している。ある日、ディッディはクララに別れを告げにいくと家を出るが、その途中で事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、愛する人を失った悲しみをひとり抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れる。

短編映画「Two Birds」がアカデミー賞にノミネートされるなど世界的に注目を集めるアイスランドの俊英ルーナ・ルーナソンが監督・脚本を手がけ、誰もが経験しうる身近な人の不在、そして集団のなかにおける個と個のはかなくも美しいつながりを真っすぐに描き出す。エリーン・ハットルが主人公ウナを繊細かつ力強く演じ、第75回ベルリン国際映画祭でヨーロッパ・シューティングスター賞を受賞。第77回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門のオープニング作品として上映された。

2024年製作/80分/PG12/アイスランド・オランダ・クロアチア・フランス合作
原題または英題:When the Light Breaks
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2025年6月20日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13

(C)Compass Films,Halibut,Revolver Amsterdam,MP Filmska Produkcija,Eaux Vives Productions,Jour2Fete,The Party Film Sales

映画レビュー

3.5【今作は、愛する人を突然失った美大生の深い哀しみと、公認だった遠距離ガールフレンドに対する彼女の嫉妬と、二人の出会いと赦しを白夜のアイスランドの海面に煌く太陽光と共に描いた作品である。】

2025年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

■美大生のウナは同級生のディッディと恋仲。だが、ディッディには皆が公認する彼女クララがいた。
 ディッディはアイスランドの岩場の浜でウナに”クララと別れて来る。”と言い残し出かけるがトンネルでの大事故に巻き込まれ、帰らぬ人になってしまう。
 悲しみに暮れるウナの前にクララが現れる。一人の美大生男子を除き、皆はクララを慰める。そのシーンを複雑な表情で見ているウナ。
 だが、クララとウナは深い哀しみの中、徐々に距離を縮めていくのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・哀しい物語であるが、スクリーンに映し出される映像が大変に美しい。アイスランドの空気が澄んでいるのだろうか。

・特に、クララとウナがベッドでお互いに哀しみを癒す様に、共に寝ているショットの美しさは、アート作品の様に美しいのである。

・更に、クララとウナが、且つてウナとディッディが最後に会った、海岸に一緒に行き、共に海を観るシーンと、そこから映される白夜のアイスランドの海の上に浮かぶ太陽と、太陽光が海面に反射するショットは、亡きディッディの思い出と被り、美しき事極まりないのである。

<今作は、愛する人を突然失った美大生の深い哀しみと公認だったGFに対する嫉妬と、赦しを白夜のアイスランドの海面に煌く太陽光と共に描いた作品なのである。>

<2025年8月3日 刈谷日劇にて鑑賞>

コメントする (0件)
共感した! 3件)
NOBU

3.0北欧=幸福の国のイメージはここにあらず!!

2025年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

秘密の恋を続けるカップルが突然最愛の彼を失い、誰にも打ち明けられず焦燥の時間に奔走されるというストーリー!!
ほぼストーリーに説明らしきものがない為、初めは「これどういう事?」みたいな感覚に囚われるが、時間を追うごとにしっかりと伏線は見えてくる。
秘密の恋だからこそ亡くなった”彼”を巡る二人の行き場のない感情が涙とハグで全編に渡り、これでもかと観る者に訴えかけてくる!!
ラストでベッドで二人が見詰め合う長回しのシーンは、途中レズビアンであることを聞かれることの伏線!?
今までアイスランドの映画は観た事が無かったので、北欧のイメージはフィンランド等でクローズアップされる幸福の国という先入観があったのだが、この作品はそういったイメージを根底から覆してくれます。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ナオック

3.5恋人でもないのにあんなにハグするんだ

2025年7月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

驚く

アイスランド・レイキャビクの芸術大学に通うウナには、ディッディという最愛の人がいた。しかし彼には皆が知る恋人クララが居て遠距離恋愛をしていたので、ウナとの関係は周囲には隠していた。ウナはこれ以上隠すのは嫌だと言い、ディッディはクララに別れを告げにいくと車で家を出た。しかし、途中でトンネルの火災事故に巻き込まれ亡くなってしまった。その事を知ったウナは誰にも真実を語ることができないまま、最愛の人を失った悲しみをひとり抱えていたが、ウナの前に、何も知らないクララが現れた。ウナはどう対応するのか・・・そんな話。

初めて観るアイスランド作品だと思う。
アイスランドは北海道より2割くらい大きい島国で、人口が北海道の1/10以下の40万人弱らしい。
氷河と温泉を観に一度だけだがアイスランドへ行ったことが有ります。夏のアイスランドは白夜で日が沈まないから感覚がおかしくなりそうだけど。そして、ホウェールウォッチングが出来なかったからもう一度行きたいと思ってる国です。
クララと遠距離恋愛って、車で行ってたし、国内なんだろうから、1番離れてても700kmくらい、函館と根室、みたいな距離的なイメージかなぁと思って観てた。その気になれば車で10時間くらいかな?まぁ、遠距離だな。
そして、ディッディは死ぬタイミングが悪すぎだなぁ、と思った。ちゃんとクララと別れてからならウナももっと人前で色々感情を出せたのに、可哀想、ってちょっと思った。
アイスランドの人たちって恋人でもないのにあんなにハグするんだ、って驚いた。それと、車道歩いてて注意されたら逆ギレはやめようよ、とも。
もう一つ、クララがトイレのドアを開けたまま小をしたのにも驚いた。
ウナ役のエリーン・ハットルはベリーショートで悲しみを堪えた演技が印象的だった。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
りあの

3.5ウナの悲しみはいかばかりか

2025年7月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ウナは恋人ディッデイを事故で亡くし、
ディッデイの友だちとディッデイのもうひとりの恋人
クララと追悼する、わずか1日半くらいの話だ。

ウナよりも、クララや他の友だちは中学から
ディッデイとつるんでいたため、クララより思い出が
多いことがわかる。写真をみんなで見たり。
だから、ウナは知らないディッデイがいて、
そこもウナの淋しさ・悲しみに追い討ちをかけていると感じた。

ウナとディッデイの愛情の度合いがわかるオープニング、
それから事故、徐々にわかるディッデイの死、
その事実を受け止めざるを得ないウナの心の変遷は
ウナの表情やしぐさの演技でいやというほど
悲しさが伝わる素晴らしい演技だ。

ウナのお父さんとのやりとりが微笑ましく、
ここが救いでもある。

でも、ウナとクララが同じ思いを抱いたディッデイ
を介して、徐々に関係性が変わっていくところが
見どころだと思う。それは友情なのか愛情なのかは
わからないが。

それにしてもディッデイは二股をかけているわけだから、
そこは褒められたもんじゃない。とは思う。

アイスランドの若者は男女関係なくハグしたり
頭をくっつけたりのコミュニケーションで
思いを伝えあうのだな。
日本とは全く異なる文化にも触れられてよかった。

映像の質感もすごく美しく堪能できた。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
ひでちゃぴん