ブラックバッグ

劇場公開日:2025年9月26日

解説・あらすじ

「オーシャンズ」シリーズのスティーブン・ソダーバーグ監督と「ミッション:インポッシブル」の脚本家デビッド・コープがタッグを組み、エリート諜報員と二重スパイが最重要機密をめぐり繰り広げる頭脳戦を描いたミステリーサスペンス。

イギリスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)のエリート諜報員ジョージは、世界を揺るがす不正プログラム「セヴェルス」を盗み出した組織内部の裏切り者を見つける極秘任務に乗り出す。容疑者は諜報員のフレディ、ジミー、情報分析官のクラリサ、局内カウンセラーのゾーイ、そしてジョージの愛妻である凄腕諜報員キャスリンの5人。ある夜、ジョージは裏切り者の動向を探るべく、容疑者全員をディナーに招待する。食事に仕込まれた薬とアルコールの効果で、容疑者たちの意外な関係性が浮かび上がるなか、ジョージは彼らにあるゲームを仕掛ける。

諜報員ジョージをマイケル・ファスベンダー、彼の妻で容疑者でもあるキャスリンをケイト・ブランシェット、4人の容疑者を「マッドマックス フュリオサ」のトム・バーク、「Back to Black エイミーのすべて」のマリサ・アベラ、「ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り」のレゲ=ジャン・ペイジ、「007」シリーズのナオミ・ハリスが演じた。

2025年製作/94分/G/アメリカ
原題または英題:Black Bag
配給:パルコ
劇場公開日:2025年9月26日

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映画レビュー

4.0 ソダーバーグがミニマリズム趣味を炸裂させてスパイ映画に挑戦

2025年9月30日
PCから投稿

この映画の筋書きにおけるわかりにくさ、不親切さを無理くり擁護しようというわけではないのだが、ソダーバーグという監督はギミックのあるストーリーを好みつつ、必要最小限の描写で説明し切ろうとするところがあって、思えば『オーシャンズ』シリーズや『ローガン・ラッキー』もトリックの部分はかなり入り組んでいて、一度観ただけでは理路整然と説明できなかったりする。それでいて適当ではなくきちんとロジカルに作られていることが見返すごとにわかってくる仕掛けになっており、それはソダバが「映画とは二度三度見返す価値があるもの」だと信じているからだと思う。

さりとて誰もが同じ映画を繰り返し観るわけではないし、ギミックの部分を詳細に理解しなくとも楽しめる作品であるというのも大前提としてある。本作の場合は、一見するとスパイ同士の騙し合いでありながら、本質としては人間同士の信頼と疑いにまつわる心理ゲームが主軸になっていて、その点ではデビュー作『セックスと嘘とビデオテープ』にも直結する作品であり、むしろスパイ要素は主ではなく従だという気がする。スパイ戦をしながら痴話喧嘩をしているコメディという捉え方もできる。

もちろんジャンル映画大好きなソダーバーグだけに、王道であり同時に異色であるスパイ映画としても成立していて、ソダーバーグ好きにはたまらないと同時に、もうちょっととっつきやすく作れば間口が広がるのに……いや、そうなるともはやソダバ映画じゃなくなるのか……と逡巡してしまう、ファン泣かせの作品でもある。ひとつだけ不満を述べると、早撮りの撮影監督でもあるソダーバーグさん、効率を重視しすぎたからなのかはわからないですが、映画界の至宝ケイト・ブランシェットのことはもう少し魅力的に撮れていても良かったんじゃないですかね。

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村山章

3.5 家庭内『ミッション:インポッシブル』の楽しみ方

2025年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

知的

イギリスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)に勤務する諜報員、ジョージが、上司から世界を揺るがす不正プログラムを盗み出した組織内部の裏切り者、4人を夕食に招く。もう1人の容疑者はあろうことか同じく諜報員である妻のキャスリンだ。

その後、物語の舞台は必然的に家の外へ飛び出すが、主戦場はダイニングやベッドルーム。そこで展開する夫婦間の探り合いが見どころだ。つまりこれは、主に家庭内で繰り広げられる『ミッション:インポッシブル』。ロケーション・ムービーとしての楽しさや、そこで炸裂する危険なスタントシーンはないし、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが似たようような設定で共演した『Mr.&Ms.スミス』('05年)ほどの派手さはないが、それでもスパイ映画は作れるという、監督、スティーブン・ソダーバーグの意気込みとプライドがひしひしと伝わってくる1作だ。

このような世界観をスパイ映画マニアも待っていたのか、映画は世界でそこそこヒット。ジャンル映画としての新しい在り方を証明してみせた。惜しむらくは、キャスティングが若干鮮度に欠ける点。しかしこれも、好みの問題としてスルーできるレベルだと思う。

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清藤秀人

4.0 スパイが天職な割れ鍋に綴じ蓋

2025年10月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 11件)
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かばこ

2.0 眠くなった

2025年10月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

コンパクトに90分でまとまった面白い映画という話をきいて、最終日の今日に観たがガックリ。監督はスティーブソダーバーグ、配役もケイト・ブランシェッド、ピアース・ブロスナンなどで、存在感を出していた。なので期待したけど何か舞台劇みたいでセリフが多く、映像で見せる(魅せる)とは言い難かった。スパイ映画というと派手なドンパチものか、渋く内面の葛藤と意外な人物の敵とのせめぎ合いでクールかつモヤモヤした中で終わるというのが多いが、これは後者か。終盤で緊迫感のあるシーンやクラシックが静かに流れる中でドローン攻撃で大爆発をするクルマとか、監督の拘りが垣間見えたが、物語の大前提(なぜそんな風になったのか)や登場人物の設定が今ひとつ分かり難かった。まあ観てりゃ「ああ、そういう役回りね」とわかってくるのだが、ある程度時間が過ぎないと「??」が消えない。多分、アマプラとかで早々に配信されると思うから、そうしたらもう一度セリフ吹き替え版でジックリとストーリーを追うことにしよう。

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井の頭六郎