シカゴ : インタビュー
ロブ・マーシャル監督、キャサリン、レニー直撃インタビュー
■キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
「シカゴ」のめっけものは、やっぱりキャサリン。その迫力に圧倒され、ほとんど姐御状態だが、当の本人も期待を裏切らない。そもそも、インタビューが始まる前に嫌いなジャーナリストを部屋からつまみ出すんだから凄い。そして、その受け答えにも媚がなく、非常にストレート。たとえば、今回のセクシーな役が楽しかったかと尋ねれば、「別に。この役はセクシーだとは思っていないし、そんなアプローチはしてないわ。時代がデカダンでセクシーだっただけよ」。あるインタビュアーが「この役を見て、夫のマイケル・ダグラスはどういってましたか」と訊けば「それは彼に聞いて」とにべもない。
また、この時期(去年の暮れ)、マスコミから問題視されていたTVのCM出演に関しても「何を言ってるのかしら。日本のCMにはみんな出ているのよ。それを知られたくないなんて、冗談よしてよって感じね。今回のオファー(携帯電話のCM)は、断り切れないいい条件だから引き受けたの。私は女優であると同時にビジネス・ウーマンでもあるのだから、そこに何の問題もないわ」。
いやあ、姐御、ほんと気持ちいいっす、と言いたくなる言葉の数々。「トラフィック」でインタビューしたとき、「ラックス」のCMの真似をしてくれたのを思い出してしまいました、はい。
だが、これがミュージカルの話になると、受け答えも変わってくる。熱くその思いを語ってくれるのだ。
「子供の頃からミュージカルは大好きだった。私の故郷は田舎町で、映画館はたったひとつだけ。だからビデオで好きなミュージカルを見まくっていたわ。『キャバレー』に『ウェスト・サイド物語』、そして『オズの魔法使い』……。今回、『シカゴ』の話を貰ったとき、脚本も読まず、何の質問もせずにサインしたの。だって、子供のときの夢が叶うわけですもの!」
10代のときからロンドンのウエストエンドで「バグジー・マローン」「アニー」等のミュージカルに出演し、17歳で「42nd ストリート」の主役を務める。彼女の歌と踊り、特にタップダンスは若いときから培われてきたものなのだ。
「でも、撮影は大変だった。こんな大掛かりなものは初めてだったし、ロブの振り付けは、ふたりの男性に持ち上げられたりするものだったの。これは本当に怖かったわ。最初の1週間は体中が痛くてベッドから出られないほどだったのよ。このままじゃ、ハリウッドによくある話<キャサリン、役を降板し、新しい配役が決定!>なんてことになるんじゃないかって(笑)。でも、どうにかやりおおせた。そして素晴らしい経験になったし、本当に楽しく仕事が出来たわ」
その努力が実って、見事にオスカーをゲット。姐御により貫録&箔がついたのだ。