青春 苦

劇場公開日:

青春 苦

解説・あらすじ

「鉄西区」「三姉妹 雲南の子」「死霊魂」などのドキュメンタリー作品で世界的に高く評価される中国出身のワン・ビン監督が、中国の巨大経済地域の小さな縫製工場で働く若き出稼ぎ労働者たちの姿を記録したドキュメンタリー「青春」3部作の第2部。2023年製作の第1部「青春」に続き、長江デルタ地域の街・織里の縫製工場で働く若者たちの労働と日常を通して、同じ中国人でも都市部に住む人々は知らない、ひとつの世代の運命を浮かびあがらせていく。

子ども服の街として知られる織里の縫製工場。ユンはミスを繰り返して仲間から呆れられ、もう働きたくない。ワンシャンは帳簿をなくしてしまい、社長に賃金は払えないと言われる。別の工場では、社長が全財産を持ち逃げしてしまった。やがて若者たちは春節を祝うため、それぞれの故郷へと帰っていく。

2024年・第77回ロカルノ国際映画祭の国際コンペティション部門に出品。

2024年製作/226分/フランス・ルクセンブルク・オランダ合作
原題または英題:青春 苦 Youth (Hard Times)
配給:ムヴィオラ
劇場公開日:2025年4月26日

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(C)2023 Gladys Glover - House on Fire - CS Production - ARTE France Cinéma - Les Films Fauves - Volya Films – WANG bing

映画レビュー

資本主義の矛盾が露呈する共産主義国家

2025年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「フレデリック・ワイズマンと王兵(ワン・ビン)の映画は全て観る」が我が家訓なので迷うことなく今回も映画館へ。3時間半の長編(と言ってもワンビン映画では普通ですが)だった前作の「青春」に続きがあるとは思いませんでした。今回も、中国の縫製工場で働くミシン工の若者の群像ドキュメンタリーで、やはり3時間半です。

 工業用ミシンを操って手早く次々と上着やズボンを縫い上げながら、彼らの話題の殆どは賃金に関する事です。工員同士、或いは社長との交渉で、あからさまに交わされるお金の議論をこんなに自然にカメラに収められる事にいつもながら驚きます。カメラなど意識しないかの様に0.5元(10円)単位の単価の話が大声で語られます。多くが農村出身の彼らは休みも殆どなく一日中ミシンと向き合うのです。

 しかし、社長は給料を払わず夜逃げし、アパートからは突然立ち退きを迫られる事になります。一体このどこが共産主義なのでしょう。矛盾が露呈した資本主義に首まで浸かってるいるのでした。

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La Strada

5.0重いけど吸い込む力が強ええ

2025年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

驚く

中国とひとくくりで言いがちだけど、工場のある浙江省、農民工の出身地安徽省雲南省湖南省という場所、そこで暮らす人々が妙な編集もなく画とぼそぼそのセリフだけで紡がれていき、4時間はあっという間だった。

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Kakko

4.5ワン・ビンが提示する圧倒的に貧しい社会

2025年5月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ドキュメンタリー映画の最高峰、ワン・ビンの新作は昨年公開の「春(215分)」に続く「青春」3部作の第2部「苦(226分)」。

中国🇨🇳の巨大経済地域、長江デルタにある子供服の街・織里(しょくり)に星の数ほど在る小さな縫製工場を舞台に、地方の貧しい農村から出稼ぎに来た若者たちの日常を記録した。

過酷な労働。
余りにも安い単価で稼ぐに稼げない。
単価交渉をするも社長のペースで埒があかない。

経営とて苦しい。
賃金の支払いに苦慮する。
社長が夜逃げした工場もあった。

春節を祝うために故郷に帰る人々。
そこにはさらに貧しい社会があった。

ここに在るのはもうひとつの中国🇨🇳。この作品が中国🇨🇳で上映されることはない。中国人の大半は彼らの存在を知ることがない。

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エロくそチキン2

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