劇場公開日 2005年9月10日

「面白くない原作を」チャーリーとチョコレート工場 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0面白くない原作を

2022年2月17日
PCから投稿

面白くないまま映画化するのに大成功している。心からおめでとうを言いたい。いったい誰がこれを映画化しようと言い出したのだ?いや、そもそもなんであの原作小説があんなに売れたんだ?もしかして日本人には分からない何かがあってウけているかと思って英語の映画レビューサイトを調べてみた 。10点中6点だった。・・・高い評価ではない。このサイトで良い点がついているのはおそらくジョニー・デップのファンが高得点をつけているためと思われる。
でもジョニー・デップのファンではない私が見てもとても良い部分もあるので述べてみたい。
それは映画の前段部。 この映画は言ってみればオズの魔法使いのようなロードムービーなのだが、そのロードに出るまでの前段部がとても面白い。 特にエピソードが面白いわけでもなく、主人公の周りに危機が迫ってるわけでもないのになぜか非常に引き込まれる。そんなもは、あってもなくても別にいいもんだけれども、どうしても主人公にあげたいという気持ちにさせられる。 それがこの映画の一番いいところだと思った。
・・・それはもしかしたら設定や脚本や俳優の魅力以上にカメラマークの面白さの成果かもしれない。監督は主人公の家の中を撮るときと家の外を撮る時とでカメラの設定を大きく変えているのだ。家の中で撮るときは中望遠レンズのやわらかいボケを効かせて味のある映像にしている。普通家の中で2、3人の人物を同フレームに撮る時は全員にピントを合わせるパンフォーカスを使うのだが、あえてセオリーから外して効果をだした。逆に外を撮るときはパンフォーカスを使い、意図的に味気のない映像にした(前段部のみ)。それによってこの家の中は特別なファンタジーな空間であることをうまく演出できた。その演出効果がこの主人公の置かれた可哀想なシチュエーションとうまくマッチして物語の前段部を魅力的なものにするのに大成功したような気がする。
・・・で、その後のロードムービーになってからがどう面白いか、つまらないかと言うのは・・・やはりジョニー・デップのファンかどうかによるところが大きいと思う。それと子供受け。子供たちが楽しんでいれば親も自然と楽しくなってくるというものだ。・・・ちなみに私は一人もんだし、ジョニー・デップやティム・バートンは基本的に好きではない。

タンバラライ