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「蒸気船ウィリー」の著作権が切れたので初期モノクロミッキーが使い放題になった!?ならばホラーだ!という感じで作られたミッキーホラー映画の先鋒です。
めっちゃくちゃ評判が悪くて寧ろ楽しみになってきてなんかよく分からないワクワク感携えて観に行ったんですが…しっかりと酷い映画でした…というか映画と呼んでいいものか…。
初っ端どこかで見たことのある下から文章が流れてくるあらすじ紹介をするんですが、それは全て言い訳とダラダラとした内情を垂れ流すので最初の10秒くらいは笑えたんですが、3分くらいやるんでちょっと飽きてきてしまい、ある監督の名前も出しておもろいやろ?みたいな雰囲気を醸し出すのは他人のエピソードで笑いをとるような寒さがあってもう嫌気がさしてきました。
ゲームセンターで働いてるバイト2人のつまらん会話と店長のつまらんジョークから始まり、店長が何故かミッキーのマスクに取り憑かれ殺人鬼になっていくという、過程は全然面白くないんですが、まだスムーズに進んでいったのでここからどうスラッシャーしていくのかなと思いましたが、そんなワクワクはすぐさまぶっ壊されていきました。
その後ゲームセンターで誕生日パーティーしようぜ〜!みたいな感じで主人公らしきアレックスを祝いにくるんですが、別に誕生日じゃないし、なんなら近くにいる他の友人の方が誕生日近いじゃんという意味分からんノリが展開されるんですが、この一連丸々無くても全然いいんじゃないと思いました。
そのゲームセンターにミッキーが乗り込んでくるのも謎ですが、そこを気にしたらもう作品が成立しないのでガン無視でいきますが、とりあえずミッキーが殺戮していくスタイルなんですがやり口が回りくどくて飽き飽きしてしまいます。
なんか焦らしプレイを延々と見せさせられてるようでした。
てっきりゲームセンター内のみでの話(それだけでもスケールは小さすぎる)だと思っていたのですが、突然海沿いの街が映って、眼帯した女性とその女性の家に向かうパリピポたちが描かれるんですが、本当にどうでもいい話しかしないし、多分何かあったんだろうなというのはあるんですが、すっごいぼかしてしか話をしないのでまぁ〜腹が立ちます。
そんでもって家に行ったら眼帯女が滑って皿の破片で怪我して血だらけで、何故かそれを隠そうしてワタワタしていたら事件にあったんじゃ?と心配されるというもうなんの話?というつまらない展開が続くので自主的に白目になろうか悩みました。
まぁそこにミッキーがやってきてスパンスパン殺していくんですが、果たしてこの4人を巻き込んだ理由とはなんぞやが最後まで全く明かされない上に、ゲームセンターと行ったり来たりをするのでノイズでしかなかったです。
こんな事言いたくはないんですが、はよ殺しなさい!とミッキーに説教垂れたくなりました。
ミッキーの瞬間移動というのが理由なく展開されるんですが、瞬間移動したところで…みたいなくらいのショボさで、瞬間移動での不意打ちがあるならまだしも、ゆったりと目の前に現れてゆったりと殺して、危険になったらとりあえず瞬間移動して逃げて…みたいな使い方なので下手くそー!と何度叫んだことか。
殺人描写が全然面白くないし、意外性がないというのも致命的でした。
基本的にはナイフか斧で刺したり叩き切ったりするくらいで、ミッキーらしい行動ができないのは著作権的に仕方ないとはいえ、新鮮味がない上に殺し方はチープときたもんですから全然盛り上がらなかったです。
「テリファー」を強く意識しているのか、殺害後に煽ったり高笑いしたりするのも二番煎じ感が否めず、アート・ザ・クラウンは殺しのエグさ×憎たらしさが噛み合わさってそのキャラクター性を作り上げていましたが、それを上辺だけ真似たミッキー殺人鬼はシンプル不快というところに落ち着いていて虚無でした。
オチもなんかグチャグチャっとこねくり回した結果、何も固まらずにとりあえず作ろうとしている次回作にポイっと投げて雑に終わらせているのも本当に映画作ったんだよな?と製作陣に問いかけたくなるくらいクソな終わり方でした。
ディレクターズカット版という事で、何故かジョーカーのパロディとミニーの登場を加えてくるんですが、なんでこれ日本限定で公開してくれたんだろう?という謎のファンサービスに困惑させられました。
邦題のサブタイトルは99%詐欺なのでご注意を。
これを観た後に「蒸気船ウィリー」を見たのですが、今作の10分の1くらいの上映時間なのにむっちゃ面白いですし、滑らかに動くアニメーションが素晴らしいですし、狂気的な行動をするミッキーが怖いですし、今作よりも遥かにホラーとコメディで上回ってるという異常事態に腹抱えて笑いました。
「蒸気船ウィリー」の動物楽器のシーンだったり、思いっきり虐待してるシーンだったり、舵で首をぐるぐるちょんぱしたりとかのオマージュを殺人描写に加えていれば良かったのに…というか何故それをしなかったのか…とモヤモヤさせられました。
完全に映画未満な駄作で、B級映画でもZ級映画でも割と楽しめる方だと思っていたんですがこれは無理でした。
劇中にちょくちょく映る「蒸気船ウィリー」が一番面白かったです。床見てた方が面白かったかもです。
鑑賞日 3/23
鑑賞時間 19:00〜20:45
座席 D-7